みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1102「お泊まり」

2021-07-26 17:40:56 | ブログ短編

 今日は、彼のとこにお泊(と)まりをすることに…。朝からそわそわして落ち着かない。そんな私を見て、昼休(ひるやす)みに同僚(どうりょう)の親友(しんゆう)が探(さぐ)りを入れてきた。私は、この娘(こ)に隠(かく)しごとはできない。いつも見抜(みぬ)かれてしまうので、仕方(しかた)なく打(う)ち明けた。
 すると彼女は、「そうなんだぁ。彼んちにお泊まりするの初めて?」
「彼の部屋(へや)は初めて……。ごめん、男の人の部屋に入ったことないです」
「じゃあ、部屋に入ったら、さり気(げ)なくチェックしておくといいわよ」
「えっ? 何を……」
「決(き)まってるじゃない。女の影(かげ)がないかよ。洗面台(せんめんだい)とか、お風呂場(ふろば)なんかに女の痕跡(こんせき)があるかもしれないでしょ。男なんて、知らないところで何してるか分かんないんだから」
 彼女は、前に付き合ってた人に二股(ふたまた)をかけられていたらしい。
 私は、「そ、それはないわよ。私の彼は、そんな人じゃ…」
「それでも、確認(かくにん)は必要(ひつよう)でしょ。それと、部屋の中がだらしなく散(ち)らかってないかも…。まぁ、女を部屋に入れるんだから、片(かた)づけてはあると思うけど…。隅(すみ)の方を見れば、普段(ふだん)の状態(じょうたい)は分かるはずよ。これは、彼と一緒(いっしょ)に暮(く)らすことになったときのためよ」
 彼女のレクチャはまだまだ続くみたい。男性経験(けいけん)の少ない私にとっては有難(ありがた)いけど…。あの…、昼休み、終わっちゃうんですけど――。
<つぶやき>こんな現実的(げんじつてき)な話しを聞かされちゃうと、甘(あま)い気分(きぶん)も半減(はんげん)しちゃうかもね。
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