みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1138「家事手伝い」

2021-10-07 17:36:00 | ブログ短編

 彼女はキャリアウーマンとしてバリバリ働(はたら)いていた。それが、私と結婚(けっこん)して子供(こども)ができると、すっぱりと仕事(しごと)を辞(や)めてしまった。私は、仕事は続けてもいいと言ったのだが、頑(がん)として自分の考えを押(お)し通した。
 彼女が言うには、子育(こそだ)ては片手間(かたてま)にできることではないそうだ。確(たし)かにそうなのだろうが…。収入(しゅうにゅう)が減(へ)ってしまうのは、ちょっと痛(いた)いところだ。しかも、彼女の方が稼(かせ)いでいるとなると…。彼女は、私の考えていることを見透(みす)かすように、私に――。
 もちろん、仕事は頑張(がんば)るさ。それは、家族(かぞく)のために当(あ)たり前のことだ。産まれてくる子供のためにも…。父親としての責任もある。
 ――彼女は、赤(あか)ちゃんが産(う)まれると、子育てに邁進(まいしん)した。仕事をしていた時のように、テキパキと家事(かじ)もこなし…。と、言いたいところだが、最初(さいしょ)のうちは大変(たいへん)だった。彼女は赤ちゃんに振(ふ)りまわされて、睡眠不足(すいみんぶそく)でふらふらになっていた。
 もちろん、私だって、手伝(てつだ)えることは何でも…。まぁ、彼女に言わせると、何もしてくれないと愚痴(ぐち)をこぼされるのだが…。子育てに余裕(よゆう)が出てくると、彼女のイライラも治(おさ)まってきたようだ。私も、ホッと一息(ひといき)つける…はずだった。
 私が、食事(しょくじ)の後の皿洗(さらあら)いをしていたとき…。私のやり方が気に入らなかったようで、
「そんなんじゃダメよ。綺麗(きれい)になってないでしょ。やり直(なお)してよ」と、駄目出(だめだ)しが…。
 なぜか、私が家事の手伝いをするたびに、仕事が増(ふ)えると文句(もんく)を言われるように――。
<つぶやき>今まで大目(おおめ)に見ていたことが、気になりだしたんですね。家事を極(きわ)めましょ。
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