百人一首
子供の時にお正月になったら家族や親せきと楽しみました。
いろはカルタから始まり
次は百人一首
それも坊主めくりから。
「姫や」
「ああ、坊主」
いとこたちとキャーキャー言いながら楽しみます。
父や叔父たちというと囲碁大会を始めます。
母や叔母たちは井戸端会議。
少し大きくなったら年上のいとこたちと一緒に百人一首。
みんなそれぞれに十八番ができてきます。
年上のいとこたちは笑っているだけで絶対に取らないのです。
私も始まったころからもう取る用意はできています。
私の十八番はこれ。
みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ
尽きることなく湧き出てくる恋を歌っています。
そんな意味は当然ながら当時は知りません。
ただ、私の旧姓が泉だということ。そして下の句に「いつみ」「いずみ」に似ているところから十八番だったのです。
叔父の子供たちも3人とも泉姓、叔母方は違っていました。
叔父がわのいとこたちと取り合いになったものです。
4人が十八番なのですから。
そのたびに年上のいとこたちが3人をなだめて「今回はお姉ちゃんにゆずろうね。」
そのお姉ちゃんは私です。
叔父側のいとこたちは私より小さいのです。
でも、一人っ子の私は小さい子にゆずる気なんてさらさらないのです。
「絶対、うちがとったる。あげへんもん!」
「うちだって?、へんもんだって?」そういってコロコロ笑う小さいいとこたち。
彼らは東京都民だ。
「へんだよね、話し方おかしいよね」 つかみ合いになる寸前に・・・
「おまんら、なかようしよし」
年上のいとこたちが和歌山弁で・・・
東京都民、兵庫県民、和歌山県民 それぞれのいとこたちが黙ってふたたび百人一首に戻るのでした。
なつかしいな・・・