共済年金の27%削減に抗議し撤回を求める声明
2012年8月成立の 「被用者年金一元化法」 (以下 「一元化法」 という) により、
本日支給の公務員共済年金における旧恩給期間に関わる部分の27%の削減が強行されました。
20数万円に及ぶ大きな金額を削減される人も少なくありません。
道理のない一方的な年金削減に強く抗議し、その撤回を求めるものです。
恩給期間に関わる年金削滅は、当初、2007年に自公政権によって国会に提出された 「一元化法」 案の中に含まれていました。これは、公務員バッシングの一環として提案されたものです。
同法案は、一端廃案となったものの、 「社会保障・税一体改革」 関連法案として民主党政権によって再度提案され、民自公3党合意によって可決し、今年8月に実施されたものです。
恩給制度は、いうまでもなく 国の制度として長く存続しました。
共済制度にまたがって在職した退職者は、恩給期間分を含めて共済年金として受給しています。
恩給期間に見合う給付の財源として 「追加費用」 が共済組合に交付されています。
国の制度にもとづく給付の財源を公費負担することは当然であり、 「公務員優遇」 とは まったく無縁のものです。
削減幅27%の算出根拠も 根拠のないものです。
当時の共済保険料本人負担4.4%と恩給期間に負担していたとされる 「恩給納金」 2%の差2.4%が共済保険料全体の8.8%の27%になるというものです。
しかし、当時の厚生年金保険料本人負担は 1.5%でした。また、削減対象となっていても職種によっては、2%より高率の負担をしていました。
恩給期間に関わる年金削減は、削減理由そのものに根拠がなく、削減幅についてもまったく不当なものです。
その上、2点に渡る 「配慮措置」 があるとはいえ、高齢ほど削減額が大きく、高齢者、特に、医療・介護等に多額の支出を要する超高齢者の生活を脅かします。
財産権を乱暴に侵害し、生存権さえ脅かしかねないものです。
よって、恩給期間に関わる共済年金の削減に重ねて抗議し、削減を取りやめるとともに削減額の復元を要求するものです。
2013年10月15日
全日本年金者組合
中央執行委員長、冨田浩康