雪見の窓から

観たり聴いたりときどきおしごと

キム・ヒョンジュン

2011-05-31 02:35:13 | おすすめ韓国エンタメ

現在フジテレビ「韓流α」で放送中の『イタズラなKISS』を見ていて、今回の「入江直樹」がややSっ気に欠ける気がする。それはどうしても、主役のキム・ヒョンジュンに、優男の面影を見てしまうからだ。

118037_l

韓国のアイドルグループSS501のキム・ヒョンジュンが日本のメジャー舞台に初上陸したのは、2009TBS系列で放送された『花より男子 ~Boys Over Flowers~』、 通称「花男(はなだん)」。

M_3sc9e70

(右から2番目がキム・ヒョンジュン)

その主演の4人、韓国版「F4」の写真集『SOFF』(Story Of Four Flowers)を制作していた当時、私はいまだなじみのうすい彼らの写真を目にしながら、この先F4の中で一番日本で人気が出るのは、キム・ヒョンジュンだろうなと思い作業をしていた記憶があります。

ドラマ中の役柄もさることながら、少女マンガの世界にしっくりくるソフトな面差しと、少年の面影を残しつつ大人っぽい陰影も漂わせる横顔、NEWSの山Pにどことなく似た甘い雰囲気が、韓流に親しみのない日本の女性にもウケるのではないかと。

1249025912094

そんな思いが通じてか(?)彼はあのヨン様と同じ事務所に所属し、徐々に日本での露出も増え、認知度もかなりあがってきたように思います。心なしか見た目もヨン様風味になってきたような・・・。

今回の『イタズラなKISS』は、少女マンガヒーローの王道を行く作品ですが・・・やはり彼には、ツンデレ王子よりロマンチック王子様が、似合うと思うのだが、いかがなものだろうか。

Relay

■『韓流α』 http://www.fujitv.co.jp/hanryu/itakiss/

まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表したSOFF」紹介記事はこちらから読めます

http://archive.mag2.com/200909081711160000139042000.html

■アマゾンはこちら 'F4写真集 Story Of Four Flowers SOFF』(DVD付き)'

http://amzn.to/k125N2

HMVオンライン http://www.hmv.co.jp/product/detail/3655373

■「SOFF」スペシャルページ ↓↓↓(注:音がでます!)

http://selection.brokore.com/special/soff.html

■アマゾンで、キム・ヒョンジュン関連を見る http://amzn.to/lrYwzC

■メルマガwebサイトは コチラ

ブログライター ライターの募集・求人・登録ならブログライター


『威風堂々な男たち』   -韓国長身の秘密・男性編- 

2009-06-21 22:13:15 | おすすめ韓国エンタメ

今回は前回お届けした『背の高いお姉さんは好きですか?』の続編、『威風堂々な男たち』-韓国長身の秘密・男性編-をお送りします。

先ごろ大きな話題を呼んだ韓国ドラマ『花より男子 Boys Over Flowers 』。

メインのF4の4人を観ていて、原作マンガから抜け出したようなイケメン揃いなのはもちろんのこと、日本版よりも随分大型化?が進んでいるなあと思ったのは私だけでしょうか。

96848_l_3 写真左から、キム・ジュン(182センチ)、キム・ボム(181センチ)、イ・ミンホ(186センチ)、キム・ヒョンジュン(180センチ)、紅一点のク・ヘソンが164センチと女の子にしてはやや長身でありながら、F4の面々に「ずらっと取り囲まれ、がっちり守られる」の図は、なかなか乙女心をくすぐります。

「背が高ければ味が薄く、小さい唐辛子が良い」。

これは小柄な人を励ます韓国の諺です。これは逆に言うと、「韓国では背の高い男性は美的に優れ、人気を集め易い」と言うことかもしれません。似たような諺で日本では「山椒は小粒でもぴりりと辛い」といいますが、決して小柄な人を励ますようなニュアンスはありませんね。

韓国男性の「外見の悩み」に関するアンケートでは、1位身長、2位体重という結果でした。韓国の20代男性の平均身長は173センチです。

日本より2センチ高いのですが、韓国女性の理想の男性の身長は176センチ。韓国女性は韓国男性と同様、背が高ければ顔は妥協するそうです。

こうした「顔より身長」の社会的風潮を反映してか、男性用シークレットシューズ、スポーツジムの身長を伸ばすメニュー、背を高くする整形手術が密かに人気だとか。男はつらいよ・・・。

ただこれもここ10年くらいの傾向です。現在、韓国の政治経済の中心を担う386世代(1960年代に生まれ、80年代に大学に通った、現在30後半~40歳の世代のこと)以上になると、日本男性の方が平均身長は高くなります(50代男性の平均は韓国が167センチ、日本が168センチ)。

386世代以上の芸能人には身長データがない人も多く、あまり重視しない印象があります。386世代よりも進歩的な、ポスト386といわれる「2530世代」(現在25~30代前半)の台頭とともに、身長優先現象が進んでいるようです。

芸能界でもこの流れは顕著です。オルチャン(イケメン)、モムチャン(肉体美)ブームに続き、最近は「超」長身俳優が主役の座を次々射止め、スターダムにのし上がっています。

『このろくでなしの愛』『スターの恋人』のイ・ギウ(189センチ)、『宮』『魔王』のチュ・ジフン(187センチ)、『黄金のリンゴ』『オーバーザレインボー』のチ・ヒョヌ(185センチ)らは「新人類登場」といわれました。 背の高い女優が増え、見劣りしない俳優の需要が高まっているのかも。

Pyh2008111707510088200_p2_4 (写真右は、映画『甘い嘘』製作発表でのイ・ギウ。左のチョ・ハンソンは187センチ!真ん中パク・チニ167センチ!長身揃いで首が痛くなりそう!?)

思い起こせば数年前。

ヨン様以降、甘いマスクですらっとした姿の韓流スターが続々と来日すると、同じアジアの隣国なのに俳優がほとんど長身である事に私たちは驚きました。

その上、一般男性までが筋トレに励む筋肉信仰のお国柄。彼らの逞しいビジュアル(一説には兵役があるためといわれる)は、黒船来航並みのインパクトを与えました。

彼らが立派な体躯でヒロインを守る姿は、どんな台詞より説得力があり、物語に引き込んで行きました。かくして日本女性は、「横断歩道のド真ん中でコートに包まれたい」「酔ったらおんぶで送って欲しい」「失神したらお姫様だっこで運ばれたい」と、無茶を願うようになったのです。

以下、180センチ以上の韓国俳優たちを、共通の特徴をもとに4タイプに分類してみました。

ちなみに、180センチの俳優が妙に多いのは「くり上げ疑惑」(笑)でしょうか?

ま、こういうことは日本でもよくありますし、人間味があってご愛嬌ということで。

1 モデル系イケメンタイプ

長身を活かしモデル等から芸能界入り。端正なマスクでラブストーリーの主役にピッタリ。韓国でもファッションリーダー的存在となっている俳優。

ダニエル・ヘニー(188)、デニス・オー(188)、ソ・ドヨン(187)、チョ・インソン(187)、カン・ドンウォン(186)、キム・ソンス(185)、ヒョンビン(184)、イ・ドンウク(184)、オ・ジホ(184)、イ・ジョンジン(184)、イ・ミンギ(184)、イ・ジヌク(183)、キム・ジェウク(182)、ソン・スンホン(180)など。

2 モムチャン系男気タイプ

運動能力が高く、スタントなしでアクションをこなすことも。時代劇などコスチュームプレイもお手のもの。肉体派ゆえ、やたらと脱衣する。悲恋モノがよく似合う。

チャ・スンウォン(188)、チョ・ハンソン(187)、チョン・ウソン(186)、Rain(186)、キム・ミンジュン(186)、ユン・テヨン(185)、クォン・サンウ(183)、ソ・ジソプ(182)、チェ・ミンス(180)など。

(元祖「脱いだらスゴイんです系」といえばこの方、クォン・サンウ。彼も今では一児の父!)84596_l_4

3 ソフト系オッパ(お兄さん)タイプ

恵まれた容姿でタレントオーディション等から俳優に。笑顔が魅力。多彩な役柄や歌手活動等にも意欲的。

リュ・ジン(187)、シン・ドンウク(186)、コン・ユ(184)、チョン・イル(184)、キム・レウォン(183)、イ・ドンゴン(183)、キム・ジェウォン(183)、チョン・ジュノ(183)、ユン・ゲサン(182)、ヨン・ジョンフン(182)、ユン・サンヒョン(182)、チャン・ドンゴン(181)、ペ・ヨンジュン(180)、リュ・シウォン(180)、チョ・ヒョンジェ(180)、イ・ジョンジェ(180)、キム・スンウ(180)、チャ・インピョ(180)など。

4 カリスマ系演技者タイプ

ドラマや映画に欠かせない個性派。その存在感や実力は折り紙つき。

ユ・ジテ(188)、キム・ナムジン(187)、キム・スロ(185)、ソン・イルグク(185)、シン・ヒョンジュン(184)、ハ・ジョンウ(184)、カン・ジファン(184)、キム・サンギョン(182)、イ・ソンジェ(180)、ソン・ガンホ(180)、キム・ミョンミン(180)、キム・ジュヒョク(180)、チョン・ジェヨン(180)、ファン・ジョンミン(180)、ホ・ジュノ(180)、イ・ソンギュン(180)など。

( )内は身長、単位はセンチです。

キャリアに応じて各カテゴリを行き来しつつ、演技の幅を広げるのが韓国俳優道のようですね。

みなさんの、ごひいきの俳優の名はありましたか?あの人がもれてるわ!という方、ごめんなさい・・・。筆者の独断と偏見に基づいたカテゴライズであり、ピックアップです。ご了承くださいね。

最後に、韓国小学生の理想身長・181センチのチャン・ドンゴンのお言葉を。

「女性は外見よりも人柄が大事。だから、身長や外見などの見かけは、重要ではない」 ・・・

あ~エエ人や。そう言っておいてミスコリアと結婚しないでね。してもいいけど。

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

ブログライター ライターの募集・求人・登録ならブログライター 

(当記事の 無断での転載、転用はご遠慮ください)

■メルマガwebサイトは コチラ


韓国エンタメ情報『親切なクムジャさん』

2007-07-13 04:12:38 | おすすめ韓国エンタメ

ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』で、アジア中を席巻したイ・ヨンエ。
透明感あふれる美貌と知的なイメージで「酸素のような女性」といわれ、日本では「韓国の吉永小百合」とも称される彼女が、復讐に燃える哀しい女性を体当たりで熱演したのが、『親切なクムジャさん』です。

監督は、イ・ヨンエが演技派転身に成功した『JSA』で、一躍その名を世界にとどろかせた奇才・パク・チャヌク。
『復讐者に憐れみを』、『オールド・ボーイ』に続く〝復讐三部作〟完結編となる本作は、時にファンタジックで時にユーモラス、衝撃の復讐譚です。

[ストーリー]
物語は、クムジャ(イ・ヨンエ)が刑務所から出所する場面で始まる。

彼女は20歳の時、ある男の罪を被って幼児誘拐殺人の罪で投獄され、13年もの間無実の罪で捕らわれていた。刑務所では、その天使のような微笑と優しさで〝親切なクムジャさん〟と女囚たちから慕われる模範囚だった。刑期を終え、出所したクムジャは態度を一変。赤いアイシャドーをほどこし、獄中で培った人脈を駆使し、先に出所した女囚仲間達の協力の下、自分を陥れた男・ペク(チェ・ミンシク)への復讐計画を着々と実行にうつす。

同時にクムジャは、ペクが里子に出した愛娘の行方を捜し始める。復讐者としての冷酷な姿と、母親としての切ない心情に揺れるクムジャの行き着く果ては・・・。

[みどころ]

その1  聖女か魔女か? 国民的スターが見せた女優魂 

本作についてイ・ヨンエは、「チャングムファンがこの映画を観ると失望するかもしれない。チャングムで多くの人に愛されたが、女優としての渇きは満たされなかった。あまりにも定着しすぎたチャングムのイメージを払拭し、役者として幅を広げるために挑戦した」と語っています。
今回、「緻密に復讐を計画するクムジャの心情を理解できた」と話すように、残忍な復讐計画を冷徹に遂行する姿は、これまでの清純可憐なイメージを大きく覆しました。
持ち前の芯の強さや気高さを残しつつ、少女、天使、母親、悪魔、そしてクライマックスの般若と、多面的な女性像を渾身の演技で作り上げたイ・ヨンエは、この役で各映画祭の主演女優賞を受賞(第42回百想芸術大賞、第26回青龍映画賞、2005年スペイン・シチェス国際映画祭)。名実ともに国民的女優の称号を手にしました。

その2  パク監督、復讐への執念

前二作では、普通の人々が不条理な目に遭い、復讐せざるをえない状況に追い込まれるさまを描いていたのに対し、今回は復讐そのものが物語の軸であり、主人公の目的となっています。
また、初めて「贖罪」「魂の救済」というテーマを扱うことで、改めて「復讐」のもつ意味を考えさせてくれます。
「アルカイダのテロのイメージ」という不気味な集団処刑の風景は、最も悲惨でありながら最も笑いを誘うシーンでもあるというのも、パク監督ならでは。また、虐待シーンや、鮮血の海、過激な暴力描写などは、観客をやるせない気持にさせるものの、だからこそ宿願を果たしたクムジャの達成と虚無の入り混じった表情や、ラストで表現される未来への希望を際立たせています。
「現代社会で禁じられているからこそ、復讐というモチーフに魅せられる」と語る監督自身は、普段他人に対して怒りを露わにせず、夜寝る前に「あいつにどう復讐しようか」と想像を膨らませるとか(こわ~)。
「この映画のもう一人の主人公は監督です」と、イ・ヨンエにいわしめたパク監督。いろいろな意味で目が離せません。

その3   視聴覚に訴える仕掛け

浮世離れしたアイメイク、季節はずれのファッション、大きなサングラス。いずれも、クムジャさんと俗世との哀しい隔絶を描き出す小道具です。陰惨な主題をやわらげる色彩豊かな美術や衣装も、要注目。ちなみに撮影は真冬の凍える寒さの中で行われたため、イ・ヨンエがスタッフ全員に総額3000万ウォン相当の防寒パーカーを差し入れ、親切なヨンエさん!と話題になりました。
出所時に、出迎えた牧師が差し出す清めの豆腐を「ノナチャラセヨ」(余計なお世話です)と、拒んだクムジャが、降りしきる雪の中のラストシーンに口にする、ある食べ物には、この映画のテーマが込められています。

この場面で歌われていたのが『赤い靴のお嬢さん』。一昔前の歌謡曲で、韓国の人々にとってはたまらなく懐かしい、クムジャの来し方行く末を表現するにピッタリな選曲です。

マニアチェック! その1
ノークレジットですが、前二作で登場したパク・ファミリーの俳優たちが、思わぬ場面でカメオ出演しています。

ヒントは、カン・ヘジ○ン、ユ・ジ○、○ン・ガンホ、シン・○ギュン、ユン・ジン○・・・あなたは何人見つけられましたか?

マニアチェック! その2 
ペク先生役のチェ・ミンシク、なんと撮影時は、『クライング・フィスト』のボクサー役で負った肋骨骨折をおしての出演だったとか…。悪辣非道なペクですが、周囲の反対を押し切って演じたと思えば、同情心も湧く!?

作品基本データ
【韓国でのタイトル】 親切なクムジャさん
【監督】 パク・チャヌク 『JSA』『オールド・ボーイ』
【脚本】 チョン・ソギョン、パク・チャヌク
【出演】  イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン、ナム・イル、キム・シフ 
【上映時間】 115分
【公開日】 韓国: 2005年7月 日本:2005年11月12日
【配給】 東芝エンタテインメント
*2005年ヴェネチア国際映画祭 正式出品作品

AmazonでDVDを購入するなら  こちら

(MY)

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

メルマガのwebサイトは コチラ


韓国エンタメ情報『純情物語 一番大切なこと、気づきました』

2007-07-05 04:33:03 | おすすめ韓国エンタメ

今回は、韓国発のネットマンガ『純情物語』をご紹介します。
韓国のポータルサイトで連載されたこの作品は、1日最高200万アクセスを記録、読者選定「読者漫画大賞2004」を受賞した爆発的大ヒット作です。
いわゆる「コマ割り」が存在しない斬新な作風は、絵本でもなく紙芝居でもなく、まさに、大人のための「読んで味わう絵物語」。
昨秋舞台化され、すでに映画化も決定している国民的人気マンガなのです。

毎日同時刻にマンションのエレベーターに乗り合わせる平凡な独身サラリーマンのヨンウと女子高生スヨン。
二人はお互いに惹かれあいながら、不器用さゆえに伝えることができない。
そんな二人の距離は、ネクタイのプレゼントをきっかけに、少しずつ近づいていく。
一方、受験を控えた男子高校生スツは年上の女性ハギョンにひたむきな想いを寄せるが、ハギョンはそれを嬉しく感じながらもなぜか頑なに拒み続ける。
年の差に悩み、過去の傷や悩みを抱える二組のカップルの恋模様が交錯し、それぞれの想いが深まっていく。やがてスヨンは、人を愛する喜びの向こうに、家族や友人の大切さを初めて知る。 彼らの閉ざされた心の扉が、春の訪れと共に、少しずつ開いていく・・・。

本作では、「誰かを純粋に、愛しく思う気持」が、淡く切なく、時にほろ苦く綴られます。
血わき肉躍るスペクタクルな展開はなし。絵柄の素朴さ、ややベタな設定、韓国漫画へのなじみのなさなどから、最初は「楽しめるかな?」と、不安に思う向きもあるかもしれません。けれど、日常的エピソードを通して、詩情豊かなドラマ世界を読み進めるうち、いつしか愛すべき人物たちの気持に共鳴し、ストーリーに引き込まれている自分に気づくはずです。

おやっ・・・この感覚、どこかで身に覚えがありませんか? 
そう、何のことはない、韓国ドラマを見始めた頃に覚えた感慨とよく似ています。
作品に触れる前の「どうかな?」が、「面白い!」に変わる瞬間の、あの興奮。
韓国エンタメファンのあなたなら、もう、ご存知ですね。

作品そのものが優れた娯楽であることは言うまでもなく、また韓国エンタメファンとしては、違う角度から(マニアックに)楽しめる作品でもあります。
例えば、女子高生スヨンが自宅で見ているテレビドラマ。
ある場面の台詞に、「ううむ、これってもしや、秋の童話・・・」と反応できたら、あなたは、間違いなく韓ドラ通!
そのほか韓ドラでもおなじみの「縁」「初雪」「家族」といったモチーフがキーワードとして登場するのも嬉しいところ。

物語全体にたゆたう優しさ。シンプルな感情表現。珠玉の名台詞の数々。随所に光る温かいユーモアと懐かしさ。
韓国エンタメの真髄が、ここにもしっかり息づいているのです。

当初、読者層を若い女性に想定していた日本での出版元は、翻訳者に現役女子高生を起用。しかしふたを開けてみれば、「感動した!」と最も熱い声を寄せてきたのは、50代のおじ様世代だったとか。

作者カン・プルは、作品の映画化が続々と計画中の人気漫画家です。
キム・ジョンクォン監督、チャ・テヒョン主演『バカ』は、練炭の一酸化炭素中毒で知的障害を負った青年の物語です(公開日未定)。
作者は『純情物語』を〝枠のないマンガ〟にした理由を、「オンラインの長所をいかすため」と語っています(あとがきより)。
確かに、複雑なコマ割りを排した自由度の高い紙面には、未体験の面白さがあり、新しい表現の可能性を実感できます。

ぜひぜひ、全4巻一気に読破されることをお勧めいたします(余白が多いので、1~2時間で読了できます)。
人を好きになった時のもどかしさ、やるせなさ、そして素晴らしさ。
読み終えたとき、きっと誰かに薦めたくなる、そんな一冊です。

【書籍基本データ】
書名:純情物語  一番大切なこと、気づきました  (全4巻)
原題:純情漫画
著者:カン・プル
翻訳:安倍慶子
出版社:双葉社
2005年4月出版
定価 各900円(税込)
アマゾンで『純情物語』を見る こちら

【著者 カン・プルのプロフィール】
1974年、ソウル市生まれ。韓国で最も人気のある漫画家として高い評価を得る。
各種の新聞に風刺のきいた時事漫画を連載。
平凡な生活に潜む人情と笑いを、独特の表現方法で描く。
HP  http://www.kangfull.com/ 

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

メルマガwebサイトは コチラ

  


韓国エンタメ情報『盗られてたまるか』

2007-06-30 13:25:32 | おすすめ韓国エンタメ

Han2006_steal00  

「泥棒」という変わった趣味をもつカリスマ・ゲームプログラマーと、彼に狙われる邸宅の小心者の主人との、奇想天外な対決を描くアクション・コメディです。

プログラマー・ガンジョ役は『バリでの出来事』のソ・ジソプ。

彼唯一の出演映画とあってファンの要望が多く、日本での劇場公開が決定されました。

彼と対決する小心者の家主には、パク・サンミョン。

最大のみどころはズバリ、ジソプの「ちょい変」キャラ。
全身黒の怪盗ファションに身を包み、華麗なるアクションあり、得意の水泳あり、ユニークキャラとのかけ合いあり、ちょっとずれた泥棒を飄々と演じるジソプの、ドラマとは一味違った魅力を堪能できる話題作です。

日本でも94年に武田鉄矢と明石家さんま主演で映画化された本作品。

イム・ギョンス監督はこの原作を韓国で読み、映画化を熱望したといいます。

先入観を持たぬよう、映画作品は見ずに脚本化したというだけあり、独創性あふれる斬新な映像に仕上がっています。
 
明石家さんまが演じた役、しかもジソプがコメディ? と、不安に思った方、ご安心ください。

夜中に豪邸に忍び込む役柄上、台詞こそ少ないものの、ふとした表情の使い分けや、体を張ったアクション(笑えるお茶目ポーズあり)で彼の実力は十二分に発揮されています。
  
本作品のお楽しみポイントをご紹介します。

その1 ソ・ジソプの身体能力
黒づくめファッションに身を包み、真夜中の悪事を働く怪盗ジソプ(しかもミッションごとに服装は進化する!)。
彼の厚い胸板、たくましい二の腕、長い手足に麗しい指、お約束の水泳シーン、と目の保養には事欠きませんが、何といっても、怪我の直後にノースタントで挑んだという体当たりのワイヤーアクション。感嘆必至です。本人も「一番苦労し、一番見てほしい」と語る、
まさに運動神経未発達者には為し得ない完成された動きです。

その2 パク・サンミョンの芸達者ぶり
ダメダメ亭主コ・サンテ(日本版では武田鉄矢)に扮するパク・サンミョン。
彼目当てでこの映画を見たという通な方は少ないでしょうが、見終わったあと彼に心魅せられた人は、とても多いはず。

 愛する家族に疎まれ、泥棒に狙われ、仕掛けたトラップに自ら次々ハマり(弱すぎる)…しかし彼も苦悩しています。
家長の威厳をかけ孤軍奮闘し、家族への無償の愛を武器に戦いたいのです。彼の振れ幅大きい演技を通して、その思いがストレートに伝わります。

その3 クセモノぞろいの脇役
ソン・ソンミ演じる味オンチの美人妻・マリは猛烈に破壊的な料理でジソプの胃袋を虜?にし、風変わりな武術家パク・クァンジョンは、その貧弱な体で、スクリーンを賑わせます。彼は『おいしいプロポーズ』の頼りない美容師役など、韓国ドラマで引っ張りだこの超個性派俳優ですが、個人的には我集院達也とイメージがカブります(笑)。

とにかく肩の力を抜いて思い切り楽しめる一本です。

MYおススメ度  ★★★☆

■作品基本データ■
【原題】泥棒に入られたら生きられない
【原作】斉藤ひろし
【監督】イム・ギョンス
【脚本】キム・ジン、イム・ギョンス、ユン・ジェギョン
【出演】ソ・ジソプ、パク・サンミョン、ソン・ソンミ
【上映時間】96分
【公開日】韓国:2002年   日本:2006年3月11日
【配給】エスピーオー

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

メルマガwebサイトは コチラ