勉強会の課題作で観る。
一言、やばくて凄い映画。
抑圧された日常に、ひたひたと迫る破綻。
丁寧な暮らし礼賛と対極のルーティンの描き方、25歳でこの極限を描く監督の透徹さに慄いた。
反復とズレ。
ジャンヌの青いコートが、彼女の冴え冴えとした哀しみを映すよう。
閉塞の果ての虚無の表情に、イザベル・ユペール主演の『ピアニスト』を思い出したが、ああいった極端さや異常性はない。
ひたすらの平凡と普遍が積み重ねられる。
その向こうには、時代や環境を問わない女性の生きづらさが見え隠れする。
誰もが一線を越える危うさを孕んでいることを訴えている。
じゃがいも剥いてるだけでもうスリリング……。