雪見の窓から

観たり聴いたりときどきおしごと

韓国エンタメ情報『盗られてたまるか』

2007-06-30 13:25:32 | おすすめ韓国エンタメ

Han2006_steal00  

「泥棒」という変わった趣味をもつカリスマ・ゲームプログラマーと、彼に狙われる邸宅の小心者の主人との、奇想天外な対決を描くアクション・コメディです。

プログラマー・ガンジョ役は『バリでの出来事』のソ・ジソプ。

彼唯一の出演映画とあってファンの要望が多く、日本での劇場公開が決定されました。

彼と対決する小心者の家主には、パク・サンミョン。

最大のみどころはズバリ、ジソプの「ちょい変」キャラ。
全身黒の怪盗ファションに身を包み、華麗なるアクションあり、得意の水泳あり、ユニークキャラとのかけ合いあり、ちょっとずれた泥棒を飄々と演じるジソプの、ドラマとは一味違った魅力を堪能できる話題作です。

日本でも94年に武田鉄矢と明石家さんま主演で映画化された本作品。

イム・ギョンス監督はこの原作を韓国で読み、映画化を熱望したといいます。

先入観を持たぬよう、映画作品は見ずに脚本化したというだけあり、独創性あふれる斬新な映像に仕上がっています。
 
明石家さんまが演じた役、しかもジソプがコメディ? と、不安に思った方、ご安心ください。

夜中に豪邸に忍び込む役柄上、台詞こそ少ないものの、ふとした表情の使い分けや、体を張ったアクション(笑えるお茶目ポーズあり)で彼の実力は十二分に発揮されています。
  
本作品のお楽しみポイントをご紹介します。

その1 ソ・ジソプの身体能力
黒づくめファッションに身を包み、真夜中の悪事を働く怪盗ジソプ(しかもミッションごとに服装は進化する!)。
彼の厚い胸板、たくましい二の腕、長い手足に麗しい指、お約束の水泳シーン、と目の保養には事欠きませんが、何といっても、怪我の直後にノースタントで挑んだという体当たりのワイヤーアクション。感嘆必至です。本人も「一番苦労し、一番見てほしい」と語る、
まさに運動神経未発達者には為し得ない完成された動きです。

その2 パク・サンミョンの芸達者ぶり
ダメダメ亭主コ・サンテ(日本版では武田鉄矢)に扮するパク・サンミョン。
彼目当てでこの映画を見たという通な方は少ないでしょうが、見終わったあと彼に心魅せられた人は、とても多いはず。

 愛する家族に疎まれ、泥棒に狙われ、仕掛けたトラップに自ら次々ハマり(弱すぎる)…しかし彼も苦悩しています。
家長の威厳をかけ孤軍奮闘し、家族への無償の愛を武器に戦いたいのです。彼の振れ幅大きい演技を通して、その思いがストレートに伝わります。

その3 クセモノぞろいの脇役
ソン・ソンミ演じる味オンチの美人妻・マリは猛烈に破壊的な料理でジソプの胃袋を虜?にし、風変わりな武術家パク・クァンジョンは、その貧弱な体で、スクリーンを賑わせます。彼は『おいしいプロポーズ』の頼りない美容師役など、韓国ドラマで引っ張りだこの超個性派俳優ですが、個人的には我集院達也とイメージがカブります(笑)。

とにかく肩の力を抜いて思い切り楽しめる一本です。

MYおススメ度  ★★★☆

■作品基本データ■
【原題】泥棒に入られたら生きられない
【原作】斉藤ひろし
【監督】イム・ギョンス
【脚本】キム・ジン、イム・ギョンス、ユン・ジェギョン
【出演】ソ・ジソプ、パク・サンミョン、ソン・ソンミ
【上映時間】96分
【公開日】韓国:2002年   日本:2006年3月11日
【配給】エスピーオー

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

メルマガwebサイトは コチラ

 


韓国エンタメ情報『デイジー』

2007-06-01 01:54:29 | おすすめ韓国エンタメ

Photo

【あらすじ】

オランダで暮らす画家の卵ヘヨン(チョン・ジヒョン)は、幻に恋していた。デイジーの花を贈り続けてくれる、名前も顔もわからない男性。その人が運命の相手と彼女は信じていた。そんなヘヨンの前に現れたひとりの男ジョンウ(イ・ソンジェ)。シャイなまなざしで自分をみつめる彼こそ、運命の人だとヘヨンは確信する。しかし、彼女はまだ知らなかった。その男の正体が、インターポールの捜査官であることを。

そして、彼の追う暗殺者パクウィ(チョン・ウソン)こそが、花を贈り続けてくれた幻の恋人であることを――。

『私の頭の中の消しゴム』で、日本における韓国映画の興行記録を塗り替えたチョン・ウソンと、『猟奇的な彼女』でアジア中の大スターとなったチョン・ジヒョン。

韓国映画界のトップに君臨するふたりが、『インファナル・アフェア』三部作のアンドリュー・ラウ監督とドリーム・チームを結成。

韓国映画初の全編オランダ・ロケでも話題となりました。

『私の頭の中の消しゴム』ではお姫様だっこを連発し、日本女性のハートをわしづかみにしたチョン・ウソン。

『消しゴム』以前のウソンは、原子力潜水艦を舞台にした『ユリョン』、大型時代劇『MUSA-武士-』など男くささ全開の映画で骨太な魅力を発揮、「誰もが認める男前」というハンデ(?)をものともせず、韓国では男性ファンが多いことでも有名です。

今回は、冷酷な殺し屋でありながら、愛する女性に恋心を隠し、一途に見守り続ける暗殺者というせつない役どころ。

これまでの「無骨でワイルド」というイメージとは一線を画し、今作品中の苦悩するパクウィは、まるで小動物のように小刻みにふるえては、その傷ついた胸のうちを繊細に表現。彼が演じる新たな男性像に、要注目です。

チョン・ジヒョン演じるヘヨンは、いつか運命の相手に会えると信じ続ける乙女な女性。

暗殺者と刑事に同時に愛されながら、運命の皮肉に翻弄されるヒロインの心情を情感豊かに演じ、新境地を開きました。

物語前半では、花のようにみずみずしい輝きを放ち、後半では悲しみを胸に秘め、哀感をたたえた見事な演技を見せてくれます。

絵になる街の絵になる二人・・・絵画作品そのもののようなスクリーンに映し出される二人のアップは、本当にため息ものです。

この二人を支えるのが、演技派イ・ソンジェ。

彼が演じるジョンウの穏やかな佇まいが、物語全体に深みと落ち着きを与えています。

ヘヨンへの愛と罪悪感の間で揺れ動く微妙な心理。パクウィへの複雑な感情。リアリティある演技に誰もが共感し、胸の痛みを覚えます。

脚本を担当するのは、『猟奇的な彼女』、『ラブストーリー』、『僕の彼女を紹介します』などで、日本でも多くのファンを持つクァク・ジェヨン。

<運命の恋>というキーワードに彩られたラブストーリーを、前半はファンタジックに、後半は息もつかせぬ展開で緻密に描き、こちらの予想を良い意味で裏切り続けてくれます。

もちろん、すれ違いを軸とする「じれったい系」の物語構成や「見守るヒーローと無垢なヒロイン」という、韓流テイストの基本もバッチリ。絵画の街オランダを舞台に繰り広げられる、香港ノワールの才人ラウ監督ならではのハードボイルドさや華麗なアクションも堪能できる、贅沢な一本に仕上がっています。

MYおすすめ度 ★★★★(5点満点中4点)

【作品基本データ】

【監督】アンドリュー・ラウ『インファナル・アフェア』三部作 『頭文字D

【脚本】クァク・ジェヨン『僕の彼女を紹介します』『ラブストーリー』

【出演】チョン・ジヒョン『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』

  チョン・ウソン 『私の頭の中の消しゴム』

  イ・ソンジェ  『エンジェル・スノー』『氷雨』

【上映時間】125

【配給】東宝東和株式会社

【公開】韓国 200639

    日本 2006527

【公式サイト】

    韓国http://www.daisy2006.com/

*この記事は、まぐまぐ発行のメールマガジン「韓国エンタメ!KoreaKorea」で発表した内容を再編集して掲載しています。

  

メルマガwebサイトは コチラ