Tシャツとサンダルの候

梅林寺《曝涼展》に行ってきた。

NPO法人が行っている、久留米まち旅博覧会と言うものがある。

まち旅を通して、久留米の歴史や文化に触れるというもので、名所、史跡、文化施設巡りから居酒屋巡りまで多岐に亘る。

10年目を迎えたんだそうな。

 

その中の一つ、《久留米の宝 梅林寺曝涼展》というものに行ってきた。

私は、そういう言葉の存在すら知らなかったが、

《曝涼》とは、

『秋の乾燥した季節に保管された掛け軸などを開き、風を通す虫干しの事』

らしい。

 

要するに、普段公開されることがない書画の、年に一度の虫干しの様子を覗き見に行くと言うツアーである。

普段、一般参拝者は停める事が出来ない駐車場に案内される。

 

家内の姉夫婦と一緒申し込んだ。

十数人限定の企画だ。

梅林寺山門。

 

大庫裏から入る。

梅林寺は修行道場であり、普段は一般の者は入る事は出来ない。

 

撮影は勿論禁止。

メモを取る事、筆記用具の持ち込みも禁止である。

以前、手元に気をとられた人が、これらの貴重な掛け軸に倒れ掛かりそうになった事があったんだとか。

 

「皆さん、値段が付けられないような貴重なものばかりです。くれぐれも、くれぐれもお気を付けください。」

NPO法人のおばさんが、必死の形相で、まずは見学心得を説く。

「襖も金箔張りです。皆さん、くれぐれもくれぐれも・・・」

係員のおばさん、だんだん顔が青ざめてきた。

 

本堂に通される。

禅の思想を表現した仏画や墨蹟が展示、、、じゃなかった、虫干しと言う作業中であった。

係員の言う、大変貴重な宝が、梁に無造作にかけられている。

私などの門外漢でも名前ぐらいは知っているという作家の書や画が、目の前にむき出しでぶらさがっているのだ。

 

ここに至って、係員の必死の形相の意味が分かってきた。

くしゃみをして、鼻水でも飛ばそうものなら、坊さんにコブラツイストをかけられても、文句は言えないだろう。

それどころか、こけて倒れて、引き破りでもしたら・・・

 

クラクラ

 

意識が遠のいてきた。

要らぬ妄想は止めておいた方が身の為のようである。

 

何度も言うが、作業風景の覗き見なので、作品の解説等は一切ない。

係員のおばさんの様に青ざめながら、ひたすら無言で、粗相のないように鑑賞するしかない。

 

 

 

一通りの見学が終わると、お菓子と抹茶のもてなしがある。

廊下に出ると、

『フニャー』

 

あ、お前。

さっき外の石垣の所に居たやつやないか。

もしかしてここの猫?

腹をさすってやりながら、ゴロゴロ言わせていると、

「うちの猫ではありません。」

坊さんが、ひょいと抱えて外に追い出した。

 

そりゃまあ、そうやな。

掛け軸で爪とぎでもされたら、坊さん、切腹では済まないもんね。

外に出て、ぶらぶらする。

勅使門。

本堂。

ここと大書庫で曝涼が行われていた。

屋内は一切の撮影が禁止なので、曝涼の雰囲気をうまく表現できない。

近郊の方は、一度参加されてみては、いかがであろうか。

 

 

貴重な書画と、もしかしたら、猫にも会えるかも。

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