耳納連山最高峰の鷹取山登山道を彩る山紫陽花を見に行きたい。
ただ、例年だともっと早い時期に登っているのだが・・・・
まだ残っている事を信じ、平原古墳公園へとやってきた。
小雨のせいか、駐車場には一台も停まっていない。
雨は上がると言う予報を信じ、ザックを担ぐ。
暫くは、林道を登って行く。
いつもの遊歩道コースでは無く、えぐ水コースを選択。
何故なら、鷹取山紫陽花ロードは、このコースから山頂まで続くからだ。
登山口に着いた頃には、雨も上がっていた。
数日降り続いた雨の為、沢が増水している。
幾つかある渡渉箇所は、慎重に渡ろう。
えぐ水到着。
昔々、
美味いと評判のこの湧水を、久留米まで引っ張ると言い出した我儘な殿様に、
「この水は、実はえぐうございますだ。」
と、地元の百姓たちは嘘をつき、その労役を逃れたと言う逸話から、その名が付いた。
えぐ水を過ぎると直ぐに、紫陽花ロードが始まる。
だが、心配していた通り、少し盛りを過ぎてしまったようだ。
その代わり、紫陽花に変わって、山道を楽しませてくれたのは、
誰が置いてくれたか、可愛いカッパの石である。
数十個に及ぶカッパの石が、山頂まで途切れなく置かれていた。
去年、こんなのあったっけ?
一つとして、同じカッパさんはいない。
カッパの世界もコロナ対策は必要のようだ。
給付金は、ちゃんと出たのだろうか?
どうした!
転んだか?
さっきまで、諦めかけていた紫陽花も、標高が上がるにつれ、段々と立派になってきた。
登山道を埋め尽くす紫陽花ブルー。
これが、あと1週間早かったらねー。
見事だったろうに。
園芸種みたいに、大玉もないし、華やかな色のバリエーションもない。
だが、山の中で見る青の単色がは、実に良いのだ。
ずぶ濡れやん。
あ、カッパだから問題ないか。
正に花道である。
山頂は濃いガスに覆われているようだ。
オカトラノオ
頂上間近、まさかの園芸種である。
周りは全部山紫陽花だ。
交雑などしないのだろうか?
わーい。
山頂はすぐそこだ。
ここまで息を切らせて、大汗掻いて登って来た人に忠告しておく。
ここで、決して後ろを振り返ってはいけない。
何故なら、
そこには、立派なアスファルト道路が通っているからだ。
ここは一旦、黒子を見る目を持ち、この道路は無かった事にせねばならぬ。
山頂到着
残念ながら眺望はゼロである。
山頂標識の下に置かれていたのは、ウエディングドレスにタキシードのカッパだった。
盛りを過ぎてたとは言え、アジサイブルーを堪能できたし、特にカッパの石には楽しませてもらった。
何十個もの適当な大きさの石を探しだし、それぞれにカッパの絵を描くだけでも、大した労力だったろう。
更に、それを担いで、山頂まで登ってくるのも大変だった筈だ。
心から、労いと感謝の意を表したい。