10月31日、佐賀バルーンフェスタ開幕である。
ここ嘉瀬川河川敷のバルーン会場に来たのは、随分と久々だ。
20年ほど前、この大会に少し関わっていた事がある。
大会期間中、開場の一画を借りて、10数台のキャンピングカー展示をしていた事があるのだ。
それは、数年続いた。
さすがに、1週間以上(当時は8日間の開催だったと思う)ぶっ通しの展示会だ。
それも、会場に車中泊をしながらである。
終わった頃は、ヘロヘロで精も根も尽き果てていたものだ。
だが、今思い返してみても、一番楽しかった仕事の思い出と言っていいかもしれぬ。
とは言え、そこはそれ、その時この場所に居たのは、あくまでも仕事の為である。
じっくりとバルーン競技を、見ていた訳では無論ない。
前置きが長くなった。
私にとって、バルーン競技を腰を据えてみたのは、今回が初めてに近いと言いたかったのだ。
今年から、河川敷駐車場内での車中泊が禁止になったと言う。
以前から、マナーが悪い者共の行状は、色々と私の耳にも聞こえては来ていた。
運営側も、ついに堪忍袋の緒が切れたという事だろう。
世の中、ごく一部の不届き者の為に、大勢の人々が迷惑を被るように出来ているらしい。
前日、道の駅大和オートキャンプ場でキャンプしている義兄家族と共に前泊。
会場には、早朝6時半に着いた。
すでに、いくつかのバルーンが立ち上がっていた。
丁度、風船が天に向かって放たれた時だった。
この風船は、この大会の最初の立ち上げから携わってきた方への、追悼であるとの由。
当時、極々小規模で始まったこの大会も、今や日本を代表する大会へと変貌を遂げた。
競技会場前は、階段状の観客席となっている。
手を延ばせば握手できるぐらいの距離で、観客の直ぐ真上をバルーンが通り過ぎていく。
目の前では、バルーンに大型の扇風機でエアーを送り込んでいる。
ある程度膨らんだら、ガスバーナー点火だ。
バーナーの『ゴオーーー―』と言う音と共に、直立していくバルーン。
これは人間がウエイトとなって、バルーンの姿勢の調整をしている所。
次々と立ち上がり、次の場所へと飛んでいくバルーン達。
河川敷のバルーンが飛び去ってしまった頃、背振の山側を見ると、こちらに向かって別のバルーン軍団が近づいて来た。
ゆっくりに見えて、意外と速いのだ。
あれだけ遠くに見えていたバルーンが、今、目の前にいる。
我々が目にしているのは、競技者それぞれのマーカーを、如何にポイント近くに投げ落とせるかを競う競技なんだそうだ。
風を読み、バーナーで機体を上下させながら、マーカーに近づいて行くバルーン。
腕の見せ所である。
一番最初に近づいてきた選手のマーカー。
ドンピシャである!
「ヤッター、ヤッター、ヤッター!!!」
この声援は決まりごとらしく、観客全員で万歳をしながら、マーカーを上手に落とした選手へ祝福を送るのだ。
いきなり会場は、大盛り上がりである。
マーカー投下を終えた選手たちは、次の競技会場へ去っていく。
テレビの中継なのか、綺麗なお姉さ、、、レポーターが、中継をしている。
次々と、マーカー投下。
その度に、拍手と歓声が巻き起こる。
見上げると虹が。
神様のバルーニストへのプレゼントに違いない。
朝から曇り空だったが、ここに来て晴れ間が出だした。
時に、大きく外れたマーカーもある。
この歩道に落ちてしまったマーカーであっても、正確にポイントまでの距離を測る。
観客は絶対に触ってはいけないのだ。
午前の競技はこれで終わりである。
バルーン会場を一回りして、20年前の懐かしい思い出に浸ろう。
河川敷遊歩道を行く。
この賑わいは当時のままだ。
期間中にだけ、忽然と現れるバルーン佐賀駅。
河川敷土手に設けられた、仮設の駅舎である。
巨大なテントの物産館。
佐賀の地酒をゲットー!
バーナーから立ち上がる迫力満点の炎と音。
頭上を通り過ぎるバルーン。
誰でもハイテンションになる事請け合いだ。
週末は夜間係留もある。
見どころは満載だ。
天候に左右されるイベントであるが、お近くの方は足を伸ばしてみてはいかがであろう。