どうにも石橋が好きである。
いつも見ているブログ記事を参考に、熊本美里町の曲がりくねった林道を行く。
あまりの山深さに心細くなった頃、分岐を示す標識が見えてきた。
ここからは歩きのようだ。
水路に沿って進んでいく。
目の前に、古い石橋が現われた。
雄亀滝橋(おけだけばし)
熊本県最古の水路橋。
あの通潤橋の手本になった石橋である。
文化十四年架橋以来、今も下流の村落に、灌漑用水を供給し続けている。
水路の水が、石橋の中に吸い込まれていく。
背後には、滝が流れ落ちている。
移動
当然、次の目的地は、
国宝通潤橋である。
昨年から、石橋の上を通行できるようになっている。
早速受付で申し込んだ。
石段を登って行く。
岩尾城二の丸跡。
真下に、石造りの3列の水門が見える。
そして、その先にあるのが、
通潤橋である。
このアングルで見るのは初めてだ。
早速、降りてみよう。
言わずもがなだが、通潤橋は水路橋である。
当然、水路が隣接している。
6km上流の円形分水から続く水路。
先の方に小さなさざ波が見える。
あそこが、可動式の堰である。
放水準備が始まった。
係員(通潤橋の神様と呼ばれているらしい)が、順番に水門を開いていく。
次の行程は工具を使い、堰の高さを上げて水位を調節。
水路の水位がこれだけ上がった。
この水が通潤橋内部に供給され、
対岸まで到達した後、周辺の田圃を潤すと言う仕組みである。
「あの石の列が石樋の天板です。」(通潤橋の神様)
「石樋の防水はどうなってます?」(私)
「漆喰でやってます。」
「ヒョエー!」
水門から石橋まで、かれこれ10m近い落差がある。
大した水圧だろうに。
何はともあれ、橋を渡ろう。
中央部にある放水口。
正面は道の駅通潤橋。
対岸までやって来た。
布田神社
この通潤橋を始め、近隣のインフラ整備に尽力した、惣庄屋布田保之助が祀られている。
手前にあるのは、石樋に使われた石。
13時10分前
大放水の時間が迫ってきた。
私は再び水門のある高台へ。
家内は動画撮影のため、石橋中央部でスタンバイである。
高台から。
止水栓から漏れた僅かばかりの水が、石橋から垂れ落ちている。
時は来たれり!
先ほどの神様がやって来て、石橋中央部で最終段階の作業に取りかかる。
放水開始だ!
(↓動画34秒)
続く