家内が小豆島に旅行に行っている間、何をやっても小言が聞こえてこない生活を満喫する私。
なんせ、
食べ物をポロポロこぼしながら食事をしようと、
風呂上りに素っ裸で廊下を歩こうと、
鼻毛を抜き過ぎて、くしゃみが止まらなくなっても、
はたまた、特大のおならを放とうと、
「止めんね!!せからしか。」
と、詰られないのだ。
ソファーに一人座り、背伸びをしながら、ニヤリと薄気味の悪い笑みが浮かぶのは、仕方ない事なのだ。
とはいえ、普段やる事の無い仕事もせねばならぬ。
洗濯したり、
それを干したり、ペットの世話をしたリ、
そして、3度3度の食事も作らねばならぬ。
家内不在の最後の晩餐は・・・
チキンステーキである。
ケケ
なんか良さげじゃね。
んじゃ、取り敢えずビールから。
ゴクゴクゴク
プアー、堪んないぜ。
では、チキンステーキ・マーマレードソースをば。
パク
パーフェクト!!
皮パリッパッリ。
お肉ジューシー。
柑橘系ソースの爽やかさが、鶏肉にビッタシ。
食卓で独り、自画自賛を繰り返す、還暦過ぎのオヤジ。
おぞましい光景と言う他ない。
え、野菜が全然見えないって?
ご心配なく。
ちゃんとコノシロとキュウリの酢の物も作っているのだ。
チキンステーキとは相当ミスマッチとは思うが、好物だから仕方がない。
第2弾は、バーテンダーが選ぶハイボール向きのスコッチ、デュワーズだ。
所謂、スモーキーフレーバーは感じられないが、まとまりの良いスコッチである。
グビ
フフフ
またもや、薄気味悪い微笑みを浮かべる私。
グビグビ
ゴクゴク
駄目だ。
止まんなくなってきた。
今度はあれにしよっと。
ショットグラスをドタバタと食器棚まで取りに行く。
トクトクトク
それでは、締めはボウモア様で。
キュイ
このスモーキーフレーバー、
堪んないぜ。
キュイ、キュイ、キュイ
「ウーイ。」
完全に酔っぱらってきた頃、
「ただいまー。」
・・・妻帰る。
小豆島土産をテーブルに広げ、
「24の瞳とか、八日目の蝉とか、魔女の宅急便(実写版)のロケ地があってね・・・」
「あとね、小豆島は醤油発祥の地だって。」
「レロレロレロ」