天川登山口に降りてきたのは、正午を少し過ぎていた。
「帰りにうどんでも食って帰るか。」
道の駅を少し過ぎた辺りのうどん屋に入店。
何にしようか。
メニューを見ると特製の文字が飛び込んできた。
『特製』
いい響きである。
「この特製うどん頂戴。」
「お待たせしましたー。」
特製とは、ごぼう天と丸天のミックスで、ちょっぴりお得な価格設定になってるようだ。
先ずは麺をば、
ズズズー
少し細めの麺は、ツルッとしたのど越し。
昆布中心のオーソドックスな出汁も、私の好みである。
衣がシャキっとしてるうちにと、ごぼう天を一つ二つ食べてからの、
メインのこれだ。
福岡県では、魚のすり身揚げを、単に『天ぷら』と言う。
四角だと角天、丸ければ丸天だ。
私はこの『天ぷら』が大好物である。
うどんのトッピングだと、7割方はこれをチョイスする。
特にこの店のそれは自家製らしく、揚げたてを出してくれる。
ガブリ
厚みがあって、弾力十分。
中にタコが入っているのも、いいアクセントになっている。
ここで疑問がある。
この店では、この丸天の事を『がん天』と称している。
どうも一般的な丸天とは一線を画すものらしい。
メニューに、がん天(タコ入り丸天)と括弧書きを添えているのが、その証である。
いずれにしても『がん天』という呼び名がある事を初めて知った。
調べてみると、すり身揚げを『がんす』と呼ぶ地方もあるようだ。
がんす→がん天
うーん。
聞いときゃよかった。