酷暑を逃れ、例によって菊池渓谷へ。
渓流のミスト漂う遊歩道を行く。
するといきなり、
「キャー!!」
後ろから、耳をつんざく悲鳴が聞こえてきた。
「どどどどうした!」
「ワキャー!ワキャキャ!!」
ヤツは慌てふためき、手で何者かを振り払いながら、そこらを逃げ回っている。
「虻、虻!」
「ほんとだ。お前の周りだけ回っとるぞ。」
何が気に障ったのか、虻の執拗な攻撃に晒される家内。
「とにかく、ここば離れるぞ。」
「ビエーン(大泣)」
幸いしつこく追いかけてくることは無く、すぐに虻の脅威は去った。
「いきなり虻に噛まれた~。3箇所も~。ヒック、ヒック」
「泣くな!ムヒば塗れ、ムヒば。」
そんなこんなでナツエビネである。
今回の主題の一つだ。
前回訪れた際はまだ蕾だったナツエビネ。
今が盛りと咲き誇っていた。
「もうヤダ。テンション下がった。」
まだ言ってるよ。
ハグロソウ
スズムシバナ
オオヤマハコベ
オオキツネノカミソリ
数株がまだ残っていてくれた。
折り返し地点の東屋で、何度目かのムヒを塗る家内。
「ズボンの上から噛むとか、ひどすぎる。シクシク」
「おやつタイムにするか?」
ヤツのテンションを上げるには、お菓子が一番効果的なのだ。
その点は、佐世保散歩ツアーでグズった子供と、何ら変りはない。
復路は渓流を見下ろすように林道を行く。
クサアジサイ
何気なく渓流の方を眺めてみた。
真下に、外国人らしきカップルがいた。
渓流風景を撮る彼女。
を、
コッソリ撮る彼氏の構図だ。
ヤレヤレ
勝手にいちゃついてろ。
イワタバコ
キツリフネ
「そんじゃ、ピューっと、あそこに行ってみるか。」
「痒っ」