久留米から天領日田へ走る街道がある。
府中宿を過ぎ、やがて山川追分から、中道と山辺の道にそれぞれ分岐する。
中道は現在国道210号となり、山辺の道はと言えば、かつての街道の名残を色濃く残したままである。
この山辺の道が、私のお気に入りである。
歴史ある町並みに神社仏閣、美味しい店にワイナリー、観光果樹園等、楽しみに事欠かない。
「酒ば買わんといかん。ついでに葡萄園にも行くぞ。」
その前に昼飯である。
山辺道から耳納山麓方向へ、細い道を少し入ると、以前から気になっている店がある。
いつもお客さんが多いのだ。
何か秘密があるに違いない。
家内が頼んだのは海鮮丼。
隙間無く刺身で埋められて、これで950円。
(あとでレシートをみたら、ご飯少なめで頼んだせいか900円になっていた)
「どれ、カンパチを食べさせろ。うお、コリッコリやん。」
その店の実力はカンパチで分かる。
安かろう悪かろうは、この店では当てはまらないようだ。
私は鰻丼並(1500円)である。
「上」を頼みたいのは山々だが、家内の視線が殊の外険しい。
この後の酒の購入に影響が出るやも知れぬ。
ここは並で手を打つのが賢明な策である。
並でも鰻は鰻だ。
あーん。
パクリ
うんめえ!!
人気の秘密が分かった気がした。
食事の後は、葡萄園に立ち寄る。
露地物は時期的に少し早いとの事。
「ハウスもんなら食べ頃ですばい。無農薬だしどうですか。」
「それをお願いします。」
山辺の道から、一筋耳納山麓寄りに移動。
山包(やまづと)の道という。
そこには、この日の目的地巨峰ワイナリーがある。
買いたいものは決まっている。
これこれ。
巨峰ワインのドライと、
これだ。
このワイナリーの親会社若竹酒蔵の純米吟醸である。
これが美味いんだ。
目的達成!
店の外で、苺のアイスキャンディーをヤツが頬張っていた。
「よこせ。」
「あー、何すっだ!」
ウヒヒヒ
山辺の道満喫である。