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Tシャツとサンダルの候

昭和の喫茶店


道の駅くるめ近くに、バルコニーを備えた洋館がある。



随分前からある喫茶店なのだが、まだ一度も中に入った事がない。




今時の『カフェ』などではない。

絶滅危惧種とも言うべき、昭和の『喫茶店』そのものだ。

公衆電話ボックスが備えられているのがその証だ。

それでいて、古い喫茶店にありがちなヤニ臭さなど皆無である。

オーナーに、


「この店、随分昔から営業してますよね。」

「ハハハ。そうですね。昭和52年からですから、もう43年ですか。」



「ハンバーグランチはどちら様?」


家内の注文だ。

ゆで卵がニコチャンマークなのが、なんともかわいい。

私の方はと言うと、



「和風ポークカツランチです。」


ゆで卵がニコチャンなのは必須なのね。



頂きまーす。


パクリ


少し甘めの和風ソースが、豚カツとの相性バッチリだ。



目の前に置かれた食後の珈琲には、ステンドグラスが映り込む。

特筆すべきは、添えられているのが、ホイップクリームという事だ。


嬉しいねぇ。

昭和の喫茶店なら、こうじゃなくちゃね。

景色としてなら、角砂糖容器と卓上占い器が置いてあれば、100点満点だったけどな。



何だかすごく気に入ってしまった。



「もっと早く来んといかんやったね。」(家内)

「んだ。」(私)


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