家内に、先だって登った基山の話しをしていると、
「ふーん。登ろうかな。」
明星山も宝満山も鷹取山も基山も発心山も、全て私が先に一人で登った。
その山の話を聞いて、ヤツは登るかどうか判断する。
どうやら私は偵察要員らしい。
基山の山登りと史跡群については、前回紹介しているので省く。
前回、基山から降りてきた時、麓で偶然見つけたハム工房がある。
物は試しと、ソーセージとハムをいくつか買って帰った。
期待してはいなかったが、これが結構おいしかったのだ。
今回も買って帰ることにした。
あの時は、ケースの中はそんなに種類はなかったが、今回は少し増えていた。
オヤジがおずおずと出てきた。
オヤジは朴訥な人柄らしく、
「あ、嫁さんが帰って来たかち思って・・・」
と、
いきなり、言わずもがなの事を小声で言う。
しかも、おどおどしながら。
店番がよほど苦手らしい。
嫁さんじゃなくて悪かったなと、苦笑いしながら、
「これは?」
陳列ケース左上の枠内のボンレスハムとベーコンを指さすと、
「えーと、それは端切れじゃけん・・・うん、100円でよかです。」
オヤジ。
今、値段を決めたじゃろ?
(自宅で広げてみた。右から、牛スジ3袋、牛のほほ肉のスモーク、ボンレスハム、左端が端切れ2袋)
牛スジなんかは、
「加工するときの余りですけん。」
と、一袋80円だったりする。
あのケチな家内が、
「安か。」
と言うぐらいだから、そうなのであろう。
昼食は、3号線沿いのトラックステーションで食べる。
当たり前だが、トラック野郎たちがわんさかだ。
ここは、どのメニューもおいしいが、特にチャンポンがお奨めと聞いた。
それでも、とりあえずメニューを開いた。
洋食から和食、中華まで品数が凄まじく多い。
ランチの組み合わせも無限と言っていい。
あ、ハンバーグ定食っていう手もあるか。
このガーリックステーキ定食ってのもそそるなあ。なぜかエビフライ付きだよ。
それとも、意表をついてカツ丼とか。
まるで、孤独のグルメのゴローにでもなった気分だ。
この時点でチャンポンの件は、メニューの樹海の中に見失ってしまっていた。
しばらくメニューの森を彷徨っていると、燦然と輝く ナポリタン の文字を発掘した。
決めた!
見ただけで、旨いに決まってる。
しかも、どでかいハンバーグとポテトサラダ付きだ。
冷凍物に違いないグリーンピースが萎びちゃってるが、そんなところもまた愛おしいのだ。
冷凍もの?上等である。
いただきまーす。
ズルズルズルーー、モシャモシャ。
味の深み?
クソくらえだ!!
アルデンテちゃなんのこと?、と言わんばかりの、麺のグダグダ感。
ケチャップが味の全てという開き直った潔さ。
これでいいのだ。
モシャモシャ
「チャンポンって言ってなかった?」(家内)
うっ
こ、これで、
いいのだ!