正月2日
我が母校の柔道部初稽古の日だ。
正確に書くと、若いOBは現役の稽古相手になってやり、そうでないジジイはそれを遠巻きに見学する日である。
ここで白状しておく。
この私、高校卒業以来、初めての初稽古である。
実に50年ぶりだ。
不埒極まりないOBなのだ。
武道場。
竣工して50年以上が経過し、今年8月には、建て替えの為、取り壊されると聞いた。
思い出が詰まったこの道場を、最後にこの目に焼き付けておきたい。
道場玄関。
2階が剣道部、我が柔道部は1階である。
道場裏
道場の(悪さの)思い出は山ほどあるが、自分自身の名誉のため触れない。
せっかく来たのだ。
校庭をぐるっと歩いてみた。
向かって右が新校舎(当時の呼称)、左が武道場である。
この当たり前の風景も、今年8月には消えてしまう。
50年ぶりの初稽古。
玄関から中に入ると、畳を擦る音、受け身の音、掛け声、
そんな耳慣れた音が飛び込んでくる。
若干の居心地の悪さを感じつつ、私は道場の畳を踏んだ。
現役の頃、私には同期が6人いた。
多感な頃に時間を共にした仲間達、私には格別な存在である。
あれから50年の月日が流れ、いつの間にかその半分が欠けた。
稽古の最後は黙祷で終わる。
現役もOBも全員が畳に正座し黙祷。
黙祷している間、
50年前の懐かしい顔を、ボンヤリと思い浮かべていた。