股関節の痛みも薄らいだ。
急な動きさえしなければ、まず痛む事は無い。
そろそろ山に登ってみるかな。
と、いつものように唐突に思い立ち、まだ夜も明けやらぬ早朝、久留米を出発。
九重へと向かう。
登山口は大曲を選択。
白装束を纏った三俣が良い感じである。
と、思いきや・・・
今回のテーマは、凍結した御池と霧氷だ。
予定は、すがもり越から北千里を行き、久住別れから中岳方面に向かい、御池に降り立ち、その後中岳、天狗ヶ城を登るというものだ。
鉱山道路に出た。
ここからしばらくすると、すがもり越のガレ場となる。
ガレ場を越えて登りきると、避難小屋に至る。
避難小屋の工事はすっかり終わっていた。
すがもり越から北千里に降りる。
正面に見える崖を登ると久住別れだ。
噴煙を上げる硫黄山を右に見ながら進む。
硫黄山の上には、真っ青な空が広がる。
思いの外天気が良く、ここで早くも、この日のテーマの霧氷を諦める事になる。
久住別れへの登りが始まった。
ひたすら下を向き、この急登が早く終わることを念じながら登る。
こんな時、私の頭の中では
That's the way. Aha Aha ♪ I like it. Aha Aha ♬
That's the way. Aha Aha ♪ I like it. Aha Aha ♬
この歌が、エンドレスで繰り返されるのだ。
久住別れ。
阿蘇山は雲海に覆われ姿が見えない。
12月に登った時、この辺りは良い感じに霧氷に覆われていたが、思った通り、今日は皆無である。
しゃーない。
先へ進もう。
完全に凍結した御池。
これは期待通りである。
実はザックの中には、アイゼンも用意はしてきたのだ。
アイゼンを履いて、凍った池を渡ろうとも思ったが、子供じみたこの衝動の為に、一番下に入れているアイゼンを取り出すのも面倒くさい。
シューズのまま、そっと池に降り立ってみた。
3~4m程を、100歳の老人の如くヨボヨボと歩くも、絵に描いたようにズデン。
諦めて岸に戻る。
それでは中岳へ登ろう。
中岳到着。
彼方に見える大船も、白装束には程遠い。
お次は天狗だ。
12月に登った時、あまりの強風で山頂に長くいられず、この辺りの鞍部まで降りてきて、岩の陰で風を避けながら昼飯を食った事を思い出す。
岩場を登ると天狗ヶ城山頂である。
見下ろすと、御池を渡っている奴が。
くっそー。
面倒臭がらずに、アイゼン引っ張り出せばよかった。
雲の上の御池。
さて、当初の予定の中岳、天狗の2座と御池は全部廻った。
が、まだお昼前である。
心配していた股関節も、若干の違和感があるとはいえ、問題はなさそうだ。
同じ道を帰るより、もう1座追加して、星生山経由で牧ノ戸に出ようかな。
牧ノ戸から大曲までは、歩いても大したことないやろ。
先ずは星生崎へ。
今日、何度目の急坂だろう。
星生崎から。
ゴジラの背と呼ばれる岩尾根を渡り、長い稜線を行くと星生山山頂だ。
星生の窓。
微妙なバランスの上に成り立っている通路である。
長居はせずに、さっさとくぐろう。
よいしょっと。
あ、霧氷だ!!
星生山北斜面の一部にだけ、ほんの少しだが、残ってくれていた。
予定変更して、星生山を目指したお陰で、思いもよらぬご褒美である。
この先の最後の岩場を越えると、
山頂だ。
山頂は、雲が覆ったと思ったら、また離れて行くを繰り返す。
誠に目まぐるしい。
ここで丁度昼時となる。
暖かいのが何よりだ。
星生山を降りて、扇が鼻分岐にでた。
何と、比較的低い山である筈の扇が鼻が、きれいに霧氷で覆われていた。
でも、もう登らなーい。
ここに至って、
股関節、ピーンチ!!
だからである。
眼下に牧ノ戸の駐車場が見える所まで降りて来た。
だが今日はあそこで終わりではない。
牧ノ戸から更に、テクテクと大曲まで歩かねばならぬ。
最後のこの歩きが、一番長く感じたぜ。
とは言え、
予定変更も満更じゃないな。