週末
吉祥寺の弟夫婦が遊びに来た。
鍋をつついては盃を重ね、酩酊したのは言うまでも無い。
日が変わった深夜1時過ぎ、
《強い揺れに注意してください!》
スマホから、緊急地震速報が鳴り響く。
数秒後に揺れが始まった。
結局のところ、久留米は震度4であり、我が家の被害は皆無だった事を報告しておく。
問題は、である。
この日の昼食を予約した店が、臼杵であるという事だ。
大分県地方は震度5強と言うでは無いか。
「食器とか散乱して、それどころじゃないかもよ。」(弟)
「確かにな。どんな状況か電話で聞いてみるか。」(私)
店に問い合わせるなら、出発する前にするしか無い。
開店時間よりもかなり前だが、
「もしもーし。」
「はい、お電話有り難うございます。」
すぐに男性が電話に出てくれた。
「あ、今日予約している江島と申します。」
「ありがとうございます。」
「大変なところ、申し訳ありません。被害状況はどんな具合で・・・」
「被害なんか全然ありませんよ。心配なさらずいらしてください。」
それは何よりだ。
道路状況を調べてみても、問題なく目的地まで行けそうだ。
「なら行こう。」(弟)
「おうよ。」(私)
ブイーーーーン
で、
いつものこの店である。
海が見える座敷に案内され、先ず運ばれてきたのは、
「カボスブリです。」
ウヒヒ、
きたきた。
これ、一度食べてみたかったんだ。
カボスを混ぜた餌で育てたからカボスブリ。
地元の漁師が、
「天然ブリより美味い。」
と脱帽する養殖ブリである。
パク
プリップリ。
ブリ特有の癖など全くない。
絶品!
弟は地酒の西ノ関の燗酒。
運転手の私と言えば、
「ノ、ノンアルを。トホホ」
「関さば御膳でーす。」
そら来た。
ニターリ
この関さばと、
家内の関あじを、半分ずつシェア。
二人で両方とも楽しもうと言う、いつものみみっちい作戦である。
「あ、俺たちも真似しようぜ。」(弟)
ではでは、
関さばから、
アーーン
そんでもって、関あじも。
関さば、関あじ、カボスぶり。
入れ替わり立ち替わり、味覚野を刺激する。
4人の脳髄は思考停止である。
「・・・・・モグモグ」(弟)
「・・・・・ハムハム」(義妹)
「・・・・・ムシャムシャ」(私)
「・・・・・ゴックン」(家内)
喋れよ!!
続く