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Tシャツとサンダルの候

移ろいゆく涌蓋山と、とある事件


今回、途中で長文を挿む。

お忙しい方は、読み飛ばして貰いたい。




晴れ渡る九重の空。



最高のキャンプ日和である。

開場と同時に入場した、せっかちなメンツは、

当のこの私と、

元新聞記者で現在は坊さんと言う変なヤツ、クマタツと、

博多の義兄(以後工場長)である。



ここの魅力は、場内に併設された温泉と、このロケーション。

時間ごとに移ろいゆく涌蓋山の山容が、私達の目を楽しませてくれる。



サイト設営と同時に、それぞれで料理が始まる。

こちらはクマタツ提供のアヒージョ。

肉でもニンニクでも何でもござれ、生臭坊主の面目躍如である。



こちらは工場長の焼き里芋。

寧ろこっちが、精進料理である。



そして、

私、飲む人。

涌蓋山に乾杯だ。






3時過ぎ、長崎の義兄(以後ノリちゃん)が隣家のご主人を連れて入場だ。




「ヒロちゃん。壱岐の焼酎持ってきたよ。」(ノリちゃん)

「お、いいね。じゃあ俺のも並べる。」(私)


いつもの如く、選取り見取りの酒瓶が、バーカウンターに並ぶ。

まことに美しい。



日が傾くと、途端に冷え込んでくる。

焚き火台に丸太投入だ。






西の空に涌蓋山のシルエットが浮かぶ。







ランタン点灯。




日が落ちても、やることはいつも同じ。

食って、飲んで、バカ話。

そして時には真面目な話も。

微塵もブレがない。



料理のシメは、ノリちゃん提供の(正確に言えば義姉が持たせてくれた)だご汁。

こんな寒い夜は、暖かい鍋が何よりだ。

ペロリと無くなってしまった。



そして、温泉である。



・・・極楽極楽



ついでに、

風呂上がりにイノシシに遭遇して、肝を冷やした事なども、さらりと書いておく。



イノシシに出会っても、何事もなかった様に宴会は続く訳で。



二日目

この日は山登りである。

但し、山に関しては別項で後述。

ここでは省く。




書きたいのは、ある事件である。

この件に関しては、書こうか書くまいか悩んだが、やはり避けては通れない。

以下、少し長くなる。


山から帰ってきたら、楽しみはなんと言っても温泉である。

脱衣場でパンツとTシャツ姿になった私は、何気なく露天風呂を覗いた。


そこにあったのは、信じがたい光景だった。

仰向けに人が浮いているのだ。


私はパンツのまま露天風呂に飛び込み、男性を引き上げようとした。

引き上げながら、


「だだだ、大丈夫ですか!しっかりして!!」


肩の辺りを強く叩くも、全く反応が無い。

もしかして手遅れ?

すると、

ほんの少し咽せた後、弱い呼吸音が確認できた。


生きてる!


異変に気づいた工場長も、上半身裸で脱衣場からやって来た。

一緒に露天風呂から引き上げようとするが、これが持ち上がらないのだ。

私は風呂場から出て、大声で助けを呼んだ。

すると、ノリちゃんがやって来て、3人がかりで、やっと脱衣場まで運ぶ事が出来た。

この頃になると、キャンプ場関係者も異変に気づき、毛布などを持ってやって来た。

管理人が毛布を掛けてやると、僅かながら意識も戻ってきた。

ホッとした途端、自分がずぶ濡れであり、酷く寒いことに気づく。


「今すぐどうこうは無いと思うんで、風呂に入らんですか。」(管理人)

「そうする。」(私)


大急ぎでお風呂に入り、大急ぎで着替えた。

そうこうする内、救急車がやって来て、倒れた男性に、


「大丈夫ですか!お名前を言って下さい。」

「モゴモゴ」

「どこか痛いところとか、異常は無いですか。」

「言葉が・・・うまく・・・でない」

「脳の障害も考えられます。これから、専門の救急病院を捜します。」


その後、日田の病院が受け入れ可能とのこと。

直ちに日田まで搬送と決まった。

ノリちゃんが救急車に同乗。

私もノリちゃんを迎えに行くため、後から車で日田の病院へと向かう。



心配された病状だが、結論から言うと、

「脳や体には、どこにも異常は見当たりません。」(医師)

結局の所、湯あたりだったようだが、念のためこの日は一泊入院となった。

やれやれである。



そんな訳で、私達がキャンプ場に戻ったのは、20時過ぎとなってしまった。

大急ぎで酔っ払ってしまわねばならぬ。



なので、忙しくて二日目の夜の画像がない。

借り物の画像で、間に合わせる事にする。

右端はこの日から参加の篠栗の義兄、略してカズちゃんである。

折角の義兄弟の契りだったが、私とノリちゃんが日田まで行ってしまった為、大幅な宴会時間の短縮となってしまった。

残念と言う他ない。



最終日の朝。

朝日に染まる涌蓋山。



この日の朝食は、私の当番である。

鮭を焼いて、



不格好だが、これは卵焼きである。




朝食の話題は当然、


「昨日はビックリしたね。」

「こんな経験、この歳になるまで一度もなかよ。」

「バッテン、何も無くて良かったですたい。」


何はともあれ、

ある意味中身の充実した(←そうかあ?)キャンプが終わった。




長文失礼しました。

コメント一覧

minou_yamatai
仰る通り、満天の星空でした。
天の川まで、きれいに見えてましたよ。
露天風呂に人が浮いていたのには、肝を冷やしました。
もし、発見がもっと遅れていたら…
そう思うと、ぞっとしますね。
pandado4(小桜)
こんばんは♪

わ~い
涌蓋山だ~!
懐かしいな~ と感慨にふけて
夜は降るように星が綺麗なんだろうな~なんて思っていたら
露天に人が・・・ギョ(*_*)
大変でしたね でも、湯あたりで済んで良かった良かった
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