日曜から月曜にかけては、南阿蘇の某企業保養施設に、家内の兄姉夫婦達と一泊した。
美味しい料理に舌鼓を打ち、その後は、カラオケルームを占拠し、皆で唄いまくった。
カラオケのディスプレイには、歌い終わる都度、消費カロリーが表示される。
「これ、ダイエットにいいじゃん。」
無論、愚かな酔っ払いの戯言である。
この夜、盛大に曲数が唄われ、莫大なカロリーが消費されたのは間違いないが、何しろテーブルの上には、
日本酒から焼酎、ウイスキーの瓶、おまけに乾き物まで、所狭しと並んでいるのだ。
プラマイで言えば、消費カロリーより、摂取カロリーの方が、遥かに上回っているのは明白だ。
月曜日
チェックアウトから昼食まで、少し時間を潰さねばならぬ。
阿蘇の草千里に行くことになった。
草千里ヶ浜
正面の烏帽子岳にかかっているのは、雨雲だが、
中岳方向に目を転じると、
地を這うように降りてきているのは、雨雲ではない。
噴煙なのだ。
折しも、阿蘇に吹き荒れる強風により、噴煙がこんな姿になる事を知る。
帰り、車を道路脇に停めてパシャリ。
火山灰交じりの雨が、フロントガラスを濡らす。
ワイパーが掃くたびに、灰色の筋が残り、視界を曇らす。
タイトルの黒い雨とは大げさだが、この日の阿蘇は、正しく灰色の雨が降っていた。
さて、昼飯である。
当然、阿蘇の楽しみの一つ、高森田楽である。
高千穂から移築したという、築250年の古民家の大広間。
こんなそぼ降る雨の、しかも平日にもかかわらず、大勢の客で賑わっている。
予約をしていないので、座れるのかどうか一瞬不安がよぎるが、
「こちらにどうぞ。」
一番奥の、床の間の前の囲炉裏に案内された。
注文したのは、田楽定食。
生揚げ豆腐や蒟蒻のつきだしに始まり、山女、豆腐、鶴の子芋、茄子の4種の田楽に、だご汁と焼おにぎりが付く。
それに加え、この金髪のオバサンによる、古民家の歴史、鶴の子芋の謂れ、
田楽の焼き方等の、身振り手振りを交えての解説付きと言う豪華版である。
そろそろ焼けたかな。
ガブリ
アチチッチ
ハフハフ
味付けは、3種類の田楽味噌のみ。
その選択と付ける量は、好みで決める。
この素朴さが実にいい。
あー、美味しかった!