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セブンは、なぜ大阪のスーパーと組むのか

2015年03月31日 12時27分32秒 | 学習支援・研究
セブンは、なぜ大阪のスーパーと組むのか
東洋経済オンライン
3月22日(日)4時55分配信


写真:衣料品などの苦戦で既存店売上高マイナスのイトーヨーカ堂。
大阪のスーパー、万代との提携で何を狙うか(撮影:尾形文繁)


コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパン、
総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂を傘下に抱える、
セブン&アイ・ホールディングス。
この巨大な小売企業がじわじわと地方スーパーとの提携を増やし、
全国を手中に収めようとしている。
この3月10日には大阪府でトップシェアを誇る「万代(まんだい)」(大阪府)との業務提携を発表した。
資本提携の締結に向けても協議を開始する。
なぜ今、セブングループがスーパーの拡大に力を入れるのだろうか。

過去の提携の成果は?
2013年以降、セブングループは、北海道が地盤のダイイチ(30%出資)、
岡山の天満屋ストア(同20%)と、それぞれ資本提携
をしてきた。
ダイイチではセブンのプライベートブランド(PB)商品が全店に
セブン銀行のATM(現金自動出入機)も一部店舗に、導入が完了している。
菓子などの仕入れもイトーヨーカ堂と一本化し、コスト削減を進めてきた。
また天満屋ストアでも、イトーヨーカ堂が開発した衣料ブランドや食品を
2014年11月から取り扱い始めるなど、
少しずつ協業の範囲を広げている。

提携先の企業が展開する地区は、いずれも
セブングループのスーパーが少ない地域
にあたる。
イトーヨーカ堂は3月現在、国内に184店舗を展開しているが、
うち6割以上が関東1都3県に集中

グループ内ではほかに、北関東や東北に店舗を持つ、
ヨークベニマルなどがある。

今回の万代との提携でも、セブングループとしては、
手薄な関西地区を強化したい考えだ。
万代は大阪府を中心に兵庫県や奈良県、京都府などに、
約150店舗を展開しており、大阪府では食品売上高で
12%強のトップシェアを誇る。
万代の不破栄副社長によると、
およそ1年前から情報交換を始め、
2014年8月ごろから具体的な提携の検討に入ったという。
今後は資本提携も予定しており、
具体的な協業内容はこれから詰めていく。

「提携はしたけれど、何の要望も言ってこない。
自由にやってくださいという雰囲気」と、
ある提携先企業が拍子抜けするくらい、
束縛はしないセブングループ
そのセブン側からすると、
いったい何を求めて提携を進めているのだろうか。

重要視しているのは「地域性の強化」だ。
セブングループでは昨春ごろから、
セブン-イレブンとイトーヨーカ堂を中心に、
各地域ならではの食材や商品、
味付けを取り入れることを戦略の一つにしている。
たとえばPB商品「セブンプレミアム」の肉じゃがは、
全国版では豚肉を使用しているが、関西では牛肉を使用し、
味付けも変えたところ、売上げが伸びた
という。
このほかメーカー商品に関しても、
たとえばイトーヨーカ堂であれば、
その地域に根付いた調味料を拡充するといった具合だ。

■万代は2014年度決算も増収増益見通し
万代は大阪トップというだけでなく、
この厳しい競争環境下にあって、業績を伸ばしている優良企業だ。
2013年度の売上高は2793億円と、業界内でも小さくはない。

2014年度決算も増収増益が見込まれており、
既存店売上高は前年度比103%を記録。
「もともと低価格の強いイメージだったが、
最近は鮮度など質も重視している印象。
ここ数年は出店意欲も旺盛」(近畿圏の食品スーパー)と勢いもある。

スーパーが繁盛するのは、地元の人々に支持されている証拠。
こうした企業と組むことで、セブン側は店作りのノウハウや、
そこにしかない商材とその仕入れルートの発掘を期待できる。
特にイトーヨーカ堂は2014年度の営業減益が
ほぼ確実という厳しい状態で、
第3四半期(2014年3~11月)時点で、
既存店売上高は前年同期比4%以上のマイナスだった。
消費者を引き付ける商品開発ができておらず、
改革が急務
となっている。
実際、イトーヨーカ堂の帯広店では、
ダイイチが食品売り場作りに参加し、助言を始めている。
「私たちの場合、現場の担当者からほしい商品の情報をあげるが、
イトーヨーカ堂は上層部が品ぞろえを決めるという意識が
まだ強いように感じている」(ダイイチ)。

セブンにとって提携は、「規模拡大ではなく、
質を上げていくことが目的」(セブン&アイ・ホールディングス)。
共同仕入れや物流の共有による
コスト削減といったメリットの追求はそのあとになる。

関西では苦い過去もあり
実は苦い過去もある。セブンは関西で以前、
近畿日本鉄道傘下の近商ストア(大阪府)と資本提携を行っていた。
2011年に提携を開始し、人事交流を行うなどしていた。
さらに、近鉄駅構内の売店をセブン-イレブンに切り替えるべく、
交渉にも臨んでいた。が、フタを開けてみれば、
近鉄はセブンのライバルであるファミリーマートと業務提携、
売店はファミマになってしまったことで、関係が悪化。
2014年6月に近鉄とセブンは提携を解消している。

万代とセブンが手を組んだことについて、
近畿圏のライバルスーパー各社は今のところ冷静だ。
「現時点では相乗効果がよくわからない。『ナナコ』
(セブングループの電子マネー)が導入されると、
囲い込みの効果が出てくるかもしれないが、
今は動向を注視するしかない」(ある競合スーパー)。
だが、安穏としてはいられない。
最近は万代のような提携案が、
セブングループに持ち込まれることが増えているという。

激しい競争環境の中で、地方スーパーが単独で生き残るには限界がある。
今後も大なり小なり、業界再編が進むのは間違いない。
将来的にはヨークベニマルのように子会社化される企業が出てくる可能性もある。
セブンの拡大は今後も続きそうだ。

田野 真由佳

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150322-00063953-toyo-bus_all

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かつてのダイエーはユニクロよりすごかった

2015年03月30日 22時36分09秒 | 学習支援・研究
ダイエーはユニクロよりすごかった…
「消滅」で蘇った鮮烈な記憶

2014.12.8 15:19コメント
【けいざい徒然草】


写真:東京のダイエー店舗で
消費税還元セールをPRする中内功氏=平成10年


故・中内功氏が創業し、一時は連結売上高3兆円超の流通帝国に成長したものの、
拡大主義が行き詰まって凋落(ちょうらく)したダイエー。
かつてのライバルだったイオンの傘下となったうえ、
赤字続きの経営状態から早期に脱却するため
平成27年1月1日付でイオンの完全子会社化となり、
食品特化の店舗として再生を目指すことを決めた。
約半世紀にわたって親しまれた店名も30年度をめどに
イオン系列のブランドに転換されるが、
その進取の気風にあふれた商魂は
消費者の記憶に刻まれている。
(栗川喜典)


写真:上場会社として最後となったダイエーの株主総会会場に向かう株主ら。
イオン主導で現在の店名もなくなることに不満も聞かれた
=11月26日、神戸市中央区

 
ダイエーらしさ
「ダイエーのプライベートブランド(自主企画商品、PB)の『セービング』の食品が
イオン系列の別ブランドに代わってから、全然おいしくない」

イオンによるダイエーの完全子会社化に伴い、
ダイエー株とイオン株との株式交換契約の承認を得るため、
神戸市内で11月26日に開かれたダイエーの臨時株主総会。
株主680人が出席する中、質問に立った男性株主は
辛辣(しんらつ)な口調で、イオン主導によって
「総合食品小売業」に特化するという
ダイエーの行く末に懸念を示した。

また、別の女性株主は、今はなきダイエーグループの会員制ディスカウントストア
「Kou,S(コウズ)」のような店舗の復活を望み、
「ダイエーで買い物するのが好きだった」と懐かしんだ。

ただ、こうした株主らの発言を単にノスタルジーとは片付けられない。
メーカー既製品より安くておいしいPBの先(せん)鞭(べん)をつけた「セービング」も、
店舗のコストを極力抑えて卸に近い価格で販売した「コウズ」のような斬新な店舗も、
かつてのダイエーが消費者を引きつけた進取の気風を象徴しているからだ。

飽くなき商魂
記者(栗川)が流通業界を取材していた
平成9~10年ごろ、ダイエーはバブル経済の崩壊と
7年に発生した阪神大震災以降の景気低迷に見舞われていたとはいえ、
傘下にホテルやプロ野球チーム、飲食チェーンなどを抱える流通帝国として君臨していた。
当時、中内氏は会長兼社長として多忙を極めていたにもかかわらず、
大阪での決算発表などに経営トップとして進んで姿を見せ、
大阪市内にオープンさせた傘下のインテリア専門店を誇らしげに視察に訪れた際なども、
われわれ取材陣は肉声を聞き逃すまいと群がったものだ。

規模拡大をテコに、大量仕入れと効率的な物流システムで
「いいものをどんどん安く」提供した中内氏。
高度成長期にはこれが奏功し、
ダイエーを小売業トップに押し上げた。

印象的な商品がある。
大手商社と共同開発し、国交のない北朝鮮で縫製した紳士用ビジネススーツだ。
国産の軽くてしわになりにくい生地を使いながら、
1万円未満の価格を実現した。
記者室に実物を持ち込んでPRする広報担当者は
流通ルートについては言葉を濁したが、
中国経由で生地を持ち込んだとみられる飽くなき商魂に驚かされた。
やがて、北朝鮮製のスーツは
他のスーパーや紳士服チェーンにも広がった。

ただ、そうした“サプライズ”は話題になったものの、
消費者から「安いが、欲しいものは何もない」との声も聞かれるようになり、
売り上げは次第に低迷。拡大主義によって膨らんだ2兆円超の負債も
経営を圧迫するようになった。
決算発表で業績低迷について「営業力に欠けていた」と漏らすようになった中内氏からは、
「売り上げは全てを癒やす」と拡大に突き進んだ手法が
通用しなくなった時代に戸惑う心境もうかがえた。


写真:隆盛を誇ったころのダイエーのロゴマーク。
現在は別のものだが、いずれ店名もなくなる運命だ


名を捨て存続図れるか
ダイエーは元味の素社長の鳥羽董(ただす)氏を社長に迎えて再生計画に着手したが、
資産売却などのリストラを急ぎすぎた鳥羽氏は中内氏と対立。
グループ企業の株式売却益を得ていたことも問題となり、
平成12年に辞任した。
中内氏も後に経営責任を取って取締役を退任し、
17年9月に脳梗塞のため死去。
ダイエーは16年の産業再生機構入りを経てイオンの“軍門”に下った。

そのイオンはダイエー以外にも経営破綻したヤオハンやマイカルを傘下に収め、
26年2月期の連結売上高は国内流通業で初めて
6兆円を突破するまでになった。
拡大志向のビジネスがかつてのライバルだったイオンで結実した半面、
自ら築いた流通帝国を象徴する屋号がなくなることに、
泉下の中内氏の胸中はいかばかりだろうか。

臨時株主総会でダイエーの村井正平社長は、
衣料や家電なども扱う総合スーパーのままでは
インターネット通販やドラッグストア、
コンビニエンスストアなどとの競争に勝てないとして、
首都圏と京阪神を中心に食品への特化で再生させる考えを力説した。
しかし、総会の終了後、神戸市内の女性株主(67)は
自宅から徒歩10分圏内に10店もスーパーがひしめく現状を挙げ、
「価格に敏感な主婦から見ると、
ダイエーの商品には高いものもある」と厳しい目を向けた。

中内氏が飽くなき商魂で築いたかつての流通帝国を想起させる店名さえ一新し、
企業としての存続を図ろうとするダイエー。
その戦略の成否が見えるのは、そう遠くない。

通算20年近く大阪経済部で取材してきた記者(栗川)がつづる
「けいざい徒然草」。企業の栄枯盛衰や経済人の言動などから、
現在に通じる教訓などを探ります。


http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/141208/ecn14120815190012-n1.html

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過去最高益でもリストラ

2015年03月29日 11時07分30秒 | 学習支援・研究
過去最高益でもリストラ、
「円安倒産」の危機にどう備えるか

プレジデントオンライン
2015年3月18日(水)10:21
PRESIDENT 2015年2月16日号 掲載

過去最高益の企業でもリストラする理由
2014年に希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は、
過去最少の31社。募集人数も7,098人で、
3年ぶりに1万人を下回りました。
この15年を振り返ると、00年以降では、
ITバブルが崩壊した02年の3,9732人が最も多く、
それに次いで多かったのがリーマン・ショックの影響を受けた09年の2,2950人でした。
09年前後には、外資系金融機関を筆頭に、JAL、
日本IBMなどが大規模なリストラを敢行しました。

それ以後、全体的にリストラは減少傾向にあり、14年の数字をみると、
企業の人員削減の動きには一服感が出てきました。
募集人数が100人以上の企業は9社だけで、前年の3分の1でした。


図:(上)主な上場企業 希望・早期退職者募集状況 (下)この1年にあった主な「希望・早期退職」

最も人員削減の多かった業種は、ルネサスエレクトロニクスなどの電気機器で計7社。
ほかには、個人情報の流出事故が起きたベネッセ、
円安による輸入品の調達価格の上昇に影響を受けた川本産業、
「選定した社員17名」という指名解雇と捉えられかねない
厳しいリストラを断行したリーダー電子などが特徴のあるケースです。

なかには過去最高の収益を上げた企業でも、リストラが行われました。
たとえば電通は、今年1月、300人の「特別早期退職制度」の実施を発表しました。
対象は満50歳以上、勤続10年以上の社員。
早期退職の実施は、100人を募集した13年以来で、
今回が過去最大規模です。前期の決算では売上高、売上総利益、
経常利益では過去最高を記録。
次期も増収増益を予想しています。

こうしたケースは今後も続くでしょう。
なぜなら企業のリストラがコストカットを目論んだ「合理化」から、
本来の意味である「リストラクチャリング(再構築)」
へ移行
しつつあるからです。

リストラクチャリングとは、不採算部門の事業縮小や
統廃合といった不採算事業の整理とともに、
成長事業や高収益事業へ経営資源を集中すること。
経費を圧縮するための人員削減、つまり合理化が一段落したことで、
今後は企業が生き残りをかけて収益性を高めるため
に、
より積極的な再構築が行われていくのではないかと予測できます。

懸念される「円安倒産」食料品や資材に影響大
再構築の必要性を感じる企業が増えているのは、
景気の足取りがしっかりしているとは言えないからです。
東京商工リサーチは、民間信用調査機関として日本で初めて「倒産」という言葉を定義づけました。
その経験から言えば、「景気の転換期には倒産が増える」というのが定説です。

ところが、14年の倒産件数は9731社と、24年ぶりに1万件を下回りました。
上場企業の倒産もゼロで、倒産は減少傾向にあります。
さらに、景気回復期に顕著に表れる「放漫経営」を原因とする倒産や、
再建型の倒産を選択する経営者の増加もみられません。

それではなぜ倒産は減っているのか。その要因としては、
中小企業金融円滑化法の影響が挙げられます。
同法は、金融機関が借り手である中小企業からの申し出により
貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるという、
約2年間の時限立法でした。
09年12月に施行されて期限を迎えましたが、
当時の中小企業の資金繰りが引き続き厳しい状態であったため、
2度にわたって延長され、13年3月に終了しています。

しかし、政府は期限到来後も法律制定時と同じように、
金融機関に中小企業への円滑な資金提供を求めました。
その結果、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じたため、倒産が抑制されたのです。

また、大々的に行われた公共事業の前倒し発注も、
倒産の減少要因です。政府は昨年、
14年度予算で公共事業の9.2兆円分などを対象に、
予算の執行を4~9月に集中させました。
目的は消費税増税後の景気の下支えです。
大規模な公共事業が前倒しされたことで、
実際に建設業は過去と比較して
昨年倒産の減少が目立った業種の一つとなっています。

つまり倒産は減少しているというよりも、先送りされているのです。
これから企業の新陳代謝が進まなければ、
本当の意味での景気の回復は覚束ないでしょう。

この先、懸念されるのは「円安倒産」です。
昨年12月5日の外国為替市場は一時、1ドル=121円台まで円安が進み、
07年7月以来の円安水準になりました。
輸入関連業種を中心に、円安倒産が増加基調にあります。
実際に14年の円安関連倒産は282件で、前年の2倍増。
急速な為替変動が中小企業の経営を直撃しました。
特に食料品や金属製品、卸売り小売業、
サービス業などは円安デメリットを受けやすいため、
今後も注意が必要です。

会社頼みのままでは職場ごと路頭に迷う
個人としてリストラにどう備えればいいのか。
重要なことは、会社に頼るという意識を見直すことではないでしょうか。

ひと昔前までは、業歴のある「老舗企業」は盤石という見方がありました。
ただ、当社のデータを紐解くと、01年を境に業歴10年以下の新興企業と、
業歴30年以上の老舗企業の倒産の割合に逆転現象が起こっています。
13年の倒産の割合を見ると、新興企業は23.2%ですが、
老舗企業は31.6%。業歴のある企業ほど、
倒産しやすくなっています。

原因として考えられるのは、老舗企業はバブル期の影響もあってか、
どうしても銀行からの借り入れが多いということ。
また、老舗企業ゆえに経営が硬直化しやすいという面もあるでしょう。
採算が合わなければ即撤収する新興企業とは異なり、
老舗企業は債務をどんどん膨らませ、
最終的には倒産してしまうわけです。

つまり、それだけ企業の新陳代謝が早まり、
仕事のあり方が変わってきているわけです。
いまや企業の業績にかかわらずリストラが敢行される時代に突入しました。
だからこそ、退職に追い込まれる側ではなく、
必要とされる人材になるために、自分自身の能力を高めていく必要があるでしょう。

----------

東京商工リサーチ 情報部 部長 松永伸也
1989年東京商工リサーチ入社。横浜支社調査部に配属、企業信用調査業務に従事。
その後、企業倒産・信用不安情報を専門に扱う情報部に配属となり、
倒産取材を担当。2003年10月より現職。
----------

(呉承鎬=構成 遠藤素子=撮影)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_14765.html

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「褒る」と「叱る」の割合

2015年03月28日 10時58分58秒 | キャリア支援
メンタルによる休職者が多い職場。
管理職としてすべきことは

プレジデントオンライン
2015年3月18日(水)16:21

――数十名の職場の管理職をしていますが、メンタルによる休職者や休職予備軍が多いのが悩みです。
心に、いわゆるメンタル(ヘルス)の問題を抱えている人は、
僕は職場の「カナリア」だと思うのです。

ご存じのように、カナリアはかつて炭鉱で、
ガスの異常を感知するために使われました。
カナリアの異常は多くの炭鉱夫の身に危険が差し迫っているということ。

それと同じで、職場に1人でもメンタル不調者が出たら、
潜在的な予備軍はほかにもいると考えたほうがいいでしょう。
メンタルの不調は、単に個人の問題にとどまらず、
職場全体の問題でもあると考えるべきです。
場合によっては、マネジメントに問題がある場合もあります。

――多かれ少なかれ、仕事とは憂鬱なものなんじゃないですか?
先日、熊本県のある会社を訪問する機会がありました。
平均年齢が29歳の小さな企業ですが、
社員がみんな「金曜日になったら憂鬱になる」と言うのです。
「こんな面白い人がいる会社、2日も休むなんて辛い」と。
できれば、職場をこれに近い雰囲気に持っていくことが、
1つの方法だと思います。

――どうすればそんな職場にできますか?
「ロサダの法則」という研究結果があります。
アメリカのデータですが、人間が意欲を持って働けるのは、
3回褒めて1回叱るくらいの割合まで。
それ以上叱ったらやる気が下がってしまうそうです。

ちなみに、いい組織の場合、「褒められる」と「叱られる」の比率が6:1。
この法則に従うならば、一度叱るとしたら
その前後3回くらいはにっこり笑って「いつもご苦労さん」
と褒めなくてはいけない。

――そんなに褒めなきゃいけないんですか……。
出口さんは、元気がない部下がいたらどうしますか?

昔、僕の下に入った部下に「あまり楽しそうには見えないけれど、どうしたの?」
と聞いたら「楽しくありません」と言う。
「どうしたら楽しくなるの?」と聞いたら、
「あまりいいアイデアは浮かびませんが、
出口さんが1週間に1回くらいお昼をご馳走してくれたら楽しくなるかもしれません」
と言うので、それから半年間本当に
おごり続けました。そして
「そろそろ楽しくなってきた?」と聞いたら
「ちょっとはマシになりました」と言う。
彼はその後、頑張って実績を残しました。

――そこまでしてくれたら、頑張らざるをえないでしょうね(笑)。
メンタルの問題は、一定の確率で誰にでも起こりえるものだと思います。
ですから、メンタル不調者本人への対応で大事なのは、
風邪などの「普通の病気」と同じように扱ってあげることではないでしょうか。
普通の病気なら、早期発見・早期治療が大事なのは常識です。
メンタルもまったく同じだと思います。

Answer:メンタル面の問題を起こす人は、「職場のカナリア」だと考えましょう。
----------
出口治明(でぐち・はるあき)・・・写真

ライフネット生命保険会長兼CEO
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。
日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。
経済界屈指の読書家。
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(出口治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久)

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_14772.htmlより

このニュースの関連情報
新型うつ病で休職期間中の部下が海外旅行。叱りつけてもいいか
http://president.jp/articles/-/9762
打たれ弱い部下にどう接するか
http://president.jp/articles/-/6545
都市部で乱発傾向! うつ病の怪しい診断書
http://president.jp/articles/-/12160


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バブル時代の就活事情

2015年03月27日 23時15分15秒 | キャリア支援
「何もしてないのに合格!」今じゃありえないバブル時代の就活事情
マイナビスチューデント
2015年3月18日(水)21:01

今の就活生は「バブル景気」なんて知らないかもしれませんが、
バブル景気に沸いていた当時は、就活シーンもすごい状況だったとか……。
そこで、バブル時代の就活を実際に体験した、
また経験者から聞いたことがあるという人に、
バブル時代のありえない就活事情を教えてもらいました。


写真:バブルの象徴「ジュリアナ東京」

面接を受けるだけで合格!
・試験が受かれば、面接落ちはほぼない(男性/50歳以上/金融・証券)
・面接会場に入って当たり障りのない挨拶をすれば合格を言い渡される(女性/26歳/建設・土木)
とにかく企業が人材を欲していた時代。
面接を受ければそのまま合格となることもあったようです。

むしろ何もしなくても合格!
・超一流企業の採用担当の人を教授の部屋へ案内しただけで、
その後、教授が「あの人どうですか」と言われたらしい(男性/50歳以上/自由業)
・友達の面接について行ったら友達と一緒になぜか採用された(女性/31歳/不動産)
突然受けてもいない企業から合格通知が送られてきた……なんて噂もあります。

海外旅行に連れて行ってもらえる!
・拘束して他社へ行かないようにするために、研修名目で旅行へ連れて行かれる。
海外もあった。何でもありの卒業旅行をしていた(男性/46歳/電力・ガス・石油)
・内定者を「研修のため取引先の見学をする」と称してタイ旅行に連れて行った。
実際に取引先を見たし、観光に使う時間もそれほどはなかったが、
それにしても内定者にタイ旅行なんて……(男性/45歳/クリエイティブ職)
あくまでも「研修」という名目ですが、他社と接触させないため、海外などに連れて行かれることもよくあったそうです。

企業に接待される!
・これでもかというくらい企業側から接待される(女性/32歳/金融・証券)
・毎晩銀座で接待を受けた(男性/47歳/建設・土木)
学生にごちそうを食べさせたり、飲みに連れて行ったり……。
当時おいしい思いをした人も多いのではないでしょうか。

早期に囲い込まれる!
・当時の企業はとにかくマンパワー重視で、内定はもちろん、内々定、内内々定、
内内内々定と、大学1年生にまで手を伸ばしていた(男性/43歳/機械・精密機器)
企業側はとにかく早く学生を囲おうと必死。
先手先手でどんどんさかのぼっていったんですね。

お小遣いがもらえる!
・バブル世代だった先輩は、面接を受けに行って、
豪華な食事やお小遣いのようなものまでもらえたと言っていた。
そのお金でパソコン(ワープロ?)を買えたくらい(女性/28歳/商社・卸)
・面接費用が出た(男性/50歳以上/医療・福祉)
交通費として数万円渡されたなんて話も!
アルバイトするよりも説明会に行ったほうが儲かりますね。
その他、次のようなコメントも寄せられました。
・どこでも就職できたと言っていた(男性/31歳/運輸・倉庫)
・個性がものを言う時代だったらしい(女性/27歳/情報・IT)
・たくさん求人がきていた。初任給も高かった(男性/43歳/建設・土木)
・面接もけっこうユニークな問いかけが多かったように記憶している(男性/46歳/クリエイティブ)
・顔で採用してくれる(女性/25歳/生保・損保)
・数社の面接で決まる。
今の時代のような何十社も面接に行く必要がなかった(男性/49歳/情報・IT)

今考えると夢のような話ですが、この後あえなくバブルは崩壊。
日本経済は低迷し、就職氷河期へと突入していきます。
厳しい時代に就活を経験した筆者にとっては
少しうらやましくなってしまいますが、
やや「異常」とも言える状況が怖い気もします。
みなさんはどう思いますか?

文●就活スタイル編集部
調査期間:2015年3月
アンケート:就活スタイル調べ
集計対象件数:社会人男女300人(インターネットログイン式アンケート)
http://news.goo.ne.jp/article/freshers/bizskills/freshers-0000001307.html

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