時の栞

何を見て、何を思い、どう表現したのか。
私の欠片であるコトバで綴った、私自身の栞です。

龍神の雨 * 道尾秀介

2010-01-14 19:21:14 | 読了備忘録
内容(「BOOK」データベースより)
人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。

     ~*~*~

初めての道尾作品です。
読み始めたらトーンは暗いのにグングン引きつけられ、貴志祐介さんの「青い炎」がダブりながら、一気に読み終えました。

蓮と楓の父親が家を出た後、母親は再婚するが兄妹を残して事故死、暴力をふるう義父を殺害しようと計画する兄。
辰也と圭介の母親は溺死、父親は再婚後に病死、義母への敵意を隠そうともせずいっしょに暮らす兄。
それぞれ、家族になりきれない、似た境遇の子供たち。

降り続く雨が読み手の不安感と緊張感を呼び起こし、子供たちの心理状態を背後から描き上げていきます。


あまり感想を書くとネタバレになってしまうのでやめときます。
が、暗いトーンでも面白かったので、他の本も読んでみようと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿