先月、読了備忘録に書いたトイレのポツポツの作者、原宏一さんの本です。
「かつどん協議会」、「くじびき翁」、「メンツ立ゲーム」という3つのお話が入っていました。
◆ かつどん協議会”
主人公の蓑田は失業中。
学生時代からお世話になっている大衆食堂のおかみさんから、入院したおやじさんの代理人として同業者の会合に出てくれないかと頼まれる。
代理人として出席した会議のメンバーは、肉や卵、醤油など食材各団体の代表者。
戦後の大衆食堂が生んだ、かつ丼が、ハンバーグにとって代わられようとしている。
そこで、人気の再生を目指し「かつどん推進キャンペーン」を展開しようと会議を開く。
そこで彼らが繰りひろげる熱き戦いを描いている。
私は、かつ丼を一度も食べたことがないけど、好きな人は、お口の中が唾液でいっぱいになりそうな書き出しです。
かつ丼ひとつでここまで熱くなれるかと呆れるほどの会議の盛り上がりを楽しむお話でした。
中でも三つ葉やグリーンピース、きざみ海苔などの天盛りは、カツレツという紅毛碧眼の舶来食を日本料理の傘下に封じ込めたあかしだというトコが笑えました。
◆ くじびき翁
フリーライターの小田嶋は月刊誌の食べ歩き特集の取材先で、わしを取材してほしいと執拗に言う老人と出会う。
後日、作野大造というその老人から、小田嶋宛に編集部へメモ書きとビデオテープが送られてくるのだが、それは衆議院議員選挙の政見放送を録ったものだった。
作野老人は民主主義の限界を皮肉り、すべての政治はくじびきをもってなすべし、と主張する。
はじめは馬鹿馬鹿しいと放っておいたのだが、こんどは書きものを編集部に送りつけて来た。
毎日毎日しつこくかかってくる作野老人からの電話に編集部の女の子、桐谷美保は送られてきた原稿を読み、その発想の面白さに着目。
作野老人の新構想を企画書にまとめ雑誌に発表しようと小田嶋と話し合う。
この話はいろいろ考えさせられる内容でした。
多数決で決められるというのは、多数派工作を制したものが勝ち残るということで、正しいから、良いからということではない。
しかしながら、その結果の正当性には揺らぎが無いというのが民主主義の欠点なのかもしれない。
でもすべてくじびきで決められることになれば、それはそれで、どうでも良い政策しか出ないリスクもあるよなぁ…などど、考えこんでしまいました。
◆ メンツ立てゲーム
広告代理店で働く妹尾は、懸賞チラシで取引中止にもなりかねないミスを犯す。
謝罪に行くのだが、とんでもない失言から最悪の展開となり、上司から一晩かけておまえなりの落としまえのつけかたを考えてくるようにと言われる。
帰り道、コートのポケットにあった名刺をもてあそぶうち、ふと、とりだして電話をかけていた。
名刺は妹尾が彼女にふられた晩、居合わせ、話しかけて来た男が「謝罪とは攻撃です」という言葉とともに残していったものだった。
名刺によれば男は謝罪士。いったい謝罪士とは?
なるほどなーと思うお話でした。生きていれば他人とのトラブルは避けようもない。
謝罪の仕方でその後の関係まで違ってくるのなら、どうすれば円満に解決できるのかを考えなければならない。
謝罪のポイントを間違えないようにすることがベストの解決方法へつながる。
ビジネスだけでなく、日常生活にもすぐ使えるヒントになる気がします。
「かつどん協議会」、「くじびき翁」、「メンツ立ゲーム」という3つのお話が入っていました。
◆ かつどん協議会”
主人公の蓑田は失業中。
学生時代からお世話になっている大衆食堂のおかみさんから、入院したおやじさんの代理人として同業者の会合に出てくれないかと頼まれる。
代理人として出席した会議のメンバーは、肉や卵、醤油など食材各団体の代表者。
戦後の大衆食堂が生んだ、かつ丼が、ハンバーグにとって代わられようとしている。
そこで、人気の再生を目指し「かつどん推進キャンペーン」を展開しようと会議を開く。
そこで彼らが繰りひろげる熱き戦いを描いている。
私は、かつ丼を一度も食べたことがないけど、好きな人は、お口の中が唾液でいっぱいになりそうな書き出しです。
かつ丼ひとつでここまで熱くなれるかと呆れるほどの会議の盛り上がりを楽しむお話でした。
中でも三つ葉やグリーンピース、きざみ海苔などの天盛りは、カツレツという紅毛碧眼の舶来食を日本料理の傘下に封じ込めたあかしだというトコが笑えました。
◆ くじびき翁
フリーライターの小田嶋は月刊誌の食べ歩き特集の取材先で、わしを取材してほしいと執拗に言う老人と出会う。
後日、作野大造というその老人から、小田嶋宛に編集部へメモ書きとビデオテープが送られてくるのだが、それは衆議院議員選挙の政見放送を録ったものだった。
作野老人は民主主義の限界を皮肉り、すべての政治はくじびきをもってなすべし、と主張する。
はじめは馬鹿馬鹿しいと放っておいたのだが、こんどは書きものを編集部に送りつけて来た。
毎日毎日しつこくかかってくる作野老人からの電話に編集部の女の子、桐谷美保は送られてきた原稿を読み、その発想の面白さに着目。
作野老人の新構想を企画書にまとめ雑誌に発表しようと小田嶋と話し合う。
この話はいろいろ考えさせられる内容でした。
多数決で決められるというのは、多数派工作を制したものが勝ち残るということで、正しいから、良いからということではない。
しかしながら、その結果の正当性には揺らぎが無いというのが民主主義の欠点なのかもしれない。
でもすべてくじびきで決められることになれば、それはそれで、どうでも良い政策しか出ないリスクもあるよなぁ…などど、考えこんでしまいました。
◆ メンツ立てゲーム
広告代理店で働く妹尾は、懸賞チラシで取引中止にもなりかねないミスを犯す。
謝罪に行くのだが、とんでもない失言から最悪の展開となり、上司から一晩かけておまえなりの落としまえのつけかたを考えてくるようにと言われる。
帰り道、コートのポケットにあった名刺をもてあそぶうち、ふと、とりだして電話をかけていた。
名刺は妹尾が彼女にふられた晩、居合わせ、話しかけて来た男が「謝罪とは攻撃です」という言葉とともに残していったものだった。
名刺によれば男は謝罪士。いったい謝罪士とは?
なるほどなーと思うお話でした。生きていれば他人とのトラブルは避けようもない。
謝罪の仕方でその後の関係まで違ってくるのなら、どうすれば円満に解決できるのかを考えなければならない。
謝罪のポイントを間違えないようにすることがベストの解決方法へつながる。
ビジネスだけでなく、日常生活にもすぐ使えるヒントになる気がします。
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