MOVIE レビュー

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「プライドと偏見」(DVD)

2006年07月01日 | 映画感想 ハ 行
キーラ・ナイトレイ主演の映画「プライドと偏見」のDVDが6月23日にリリースされました。この映画は、公開時に観ていました。その時に別サイトのブログに感想を書いたのですが、DVDの発売に合わせてこちらにも再度UPします。

日本公開日≫2006年1月14日
全英公開日≫2005年9月16日
全米公開日≫2005年11月11日

■ストーリー抜粋≫  
【18世紀末のイギリス。5人姉妹がいるベネット家の隣に大富豪の独身男性ビングリー(サイモン・ウッズ)が引っ越してきた。美しく慎み深い長女ジェーン(ロザムンド・パイク)とビングリーが互いに惹かれ合う一方で、快活な次女エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、ビングリーの親友ダーシー(マシュー・マクファディン)の気位の高さに強い反発を抱いていた。様々な噂を耳にし、ますますダーシーに嫌悪感を募らせていくエリザベスだったが、なぜか彼の存在が気になっていた……。】
原題≫「Pride and Prejudice 」製作国≫ イギリス (上映時間:127分)

■感想です≫
イギリスを代表する女流作家ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」の映画化だそうです。・・・が、私は今まで恋愛物や純文学は苦手で殆ど読まなかったので、この「高慢と偏見」も未読です(^^ゞ。なので、原作本と比較しようがないので、偏見なしにこの映画を観れたかも知れませんよ!?(*^_^*)

観終わった後、余韻に浸れてじんわり「面白かったぁ・・・」と感じられる映画ですわ。大して大事件が起こる訳ではないけど、恋愛、結婚という誰にでも起こる身近な題材と、貴族社会の日常を交えて綴られるラブストーリーが相まって、別世界への憧れや好奇心を十分に刺激される内容で、物語の中へ引き込まれました。所々にクスッと笑えるシーンも有って、すごく癒される映画だと思います。(但し、「本年度アカデミー賞最有力作品」なんて言うキャッチコピーは無視して下さいね(笑)。この手の映画は、こう言う事を書かなくても観る人は観るし、観ない人は観ないと思うけどぉ。(;一_一)

何よりもこう言うラブストーリーの場合は、主人公に感情移入が出来るか否かで、割合平坦なストーリー展開でも最後まで飽きる事無く観れるかが決まりますね。私の場合は、主人公のキーラ・ナイトレイは好きな女優さんだったし、彼女の役柄が快活で聡明な女性を演じていたので最後まで楽しめました。映像がとても綺麗で、朝日に輝く田園風景やイギリス貴族の邸宅のきらびやかな豪華さにもウットリしました。

この映画を観て驚いたのが、18世紀末のイギリスでも女性には財産の相続権がなかったと言う事です。もし一家の父親が亡くなれば、その家族に男子がいない場合は、遠縁の男子に全財産の相続権が移るらしい。その相続をした男性の思惑一つで、残された女性達が路頭に迷う事になるかも知れない。そんな時代に唯一女性の生きる道は、少しでも経済力のある男性と結婚する事!(~_~;)なんか、どこの国でもすごい時代が有ったんですね(~_~メ)。

そう言う時代背景を考えれば、この映画の話の中心に据えられている女性の幸せの概念が良く理解できます。どうして5人の娘を持つ、あの母親があれ程必死になって娘達の結婚話を勧めていたのか!・・・母親自身が、夫に先立たれた後の生活にも大きく関わっている事なので必死だったのでしょうね。とにかく、全財産を相続する男性の機嫌を損ねないように気を使い、願わくば、娘のうちの一人と結婚すれば母親も他の姉妹も一応生活は安泰する。そうした時代に有って、この映画の主人公のエリザベスと言う女性は、財産や地位だけで結婚相手を選ぶのではなく、尊敬しあえる人と素敵な恋愛をして結婚をすると言うのを夢見ている女性でした。

人を判断するのに初対面の時の印象が重要になってきますが、最悪の出会いから始まったエリザベスとダーシーの場合は、お互いに初めて見た時から気になっていた存在だったのに、エリザベスの方は、断片的に得た情報で彼に対して偏見を持ってしまい、その人の本質を見る目を曇らせてしまっていた。一方のダーシーも、格式の高い上流階級の人間としてのプライドが邪魔をして素直に女性に愛情表現が出来ない。

往々にして好き嫌いの判断は、第一印象や間接的に他の人から入ってきたうわさ話しなどの断片を繋ぎ合わせて、勝手に相手の人物像を作り上げ判断をしていたりします。マイナスの情報が多いとそれが偏見となってその相手の評価は下がりますね。うわさ話しなどを鵜呑みにするという事は、他人の目を通して物事を見ているだけなので本質を見抜くのは難しい。偏見を捨て、自分自身が相手と向き合って素直に相手の言葉に耳を傾けて判断すると言うのが大事ですが・・・それが簡単にできたら誤解やトラブルは起こらないですけどね(^^ゞ。

★ちょこっとトリビア

◇イギリスでのオール・ロケで由緒正しい歴史的な建物を使用して撮影された。ベネット家としてイギリス南部グルームブリッジの水路で囲まれた17世紀の邸が使われほか、ダーシー家の別荘などの豪邸もそれぞれ17~18世紀に建てられた建物ばかり。

◇映画『ブリジット・ジョーンズの日記』はジェイン・オースティン原作の「高慢と偏見」をモチーフにして、設定を現代版にアレンジして作られた。

★ジェイン・オースティン 原作本

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コメント (10)
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