「ゾディアック」を観ました。この映画の監督さんは、同じく連続猟奇殺人を扱った作品で、衝撃的なラストが印象に残る「セブン」のデビッド・フィンチャー監督です。
■感想です≫
ちょこっとネタバレしていますので、未見で、これから観る予定の人はパスして下さいね。
この映画は、サンフランシスコで1960年代後半から1970年代前半にかけて、実際に起こった連続殺人事件を題材にした映画だそうです。犯人自ら”ゾディアック”と名乗り、新聞社や警察に暗号を使った犯行声明文や、犯行予告文、被害者の血の付いた衣服の切れ端などを送りつけて、警察を挑発すると言う大胆で異常な事件でした。たぶん事件の詳細を忠実になぞって作られていると思われ・・・当時この事件に関わった刑事と新聞記者と暗号解読に没頭していく漫画家を中心に物語は展開します。
当時の事件発生の真っ只中の1971年に公開されたクリント・イーストウッド主演の「ダーティーハリー」は、この”ゾディアック連続殺人事件”を髣髴とさせる内容が盛り込まれ、犯人に対する市民の強烈な怒りをメッセージとして作られたらしい。劇場型犯罪で自己顕示欲の強い犯人が”自分を模した犯人が映画になっている”と言うので、観に来る可能性が強いと判断した警察が映画館に張り込んでいたらしい。
今回の「ゾディアック」の映画の中でも、「ダーティーハリー」の映画の公開シーンや映画館で「ダーティハリー」を観る観客の様子や、主人公の一人であるゾディアックを追っている刑事がその映画を観ているシーンが有りました。「ダーティーハリー」では、最後に犯人が幼稚園バスを乗っ取って、ハリー刑事と格闘の末、ハリー刑事に撃ち殺されて終るのですが、実際は、今現在もこの連続殺人事件は未解決のまま犯人を特定できていないそうです。
そう言う未解決事件でも有るし、悪夢を思い出したくないとか言う事も関係しているのか分かりませんが!?アメリカでは、あまりヒットはしなかったみたいですね。犯人と刑事との駆け引きや証拠調べの様な犯罪捜査をメインに描いていないので、主人公のギレンホールも地味な分リアルに見えて、当時の事件のドキュメンタリー映画を観ているような重い内容でした。
私は、クライムサスペンスとして観たら見応えが有ったと思います。ビジュアルの派手さはないですけど、犯行の見せ方が恐かったです。最初の犯行から淡々と衝撃的な殺害場面が続いていきます。カップルを物色して、二人に向けて犯人は容赦なく何発も銃弾を打ち込み、或いはナイフでメッタ刺しにすると言う、とても直視はできない残酷で非情な殺害場面でした。誰かも分からない殺人者に意味もなく殺されていく恐怖と絶望感がただただ広がっていきました。
犯人が捕まっていて事件が一応解決していたら、また受け取り方も違ったかも知れませんが、当時、犯人と目された人物は証拠不十分で逮捕もされていない。その後、その男性は否認したまま病死しているらしいので、未解決のまま事件もまた葬られました。私の好みから言うと、映画として観るなら、映画独自の脚色で「ダーティーハリー」のように犯人に鉄槌を下して、物語としての決着を付けた終わり方の方が好きです。その方が観終わった後、少しは気が晴れると言うものですから。
いつもご訪問ありがとうございます。
「ZODIAC / ゾディアック」 (6月16日公開) 上映時間≫ 2時間37分 (PG-12指定) 製作年:製作国≫ 2007年 : アメリカ 出演≫ジェイク・ギレンホール / ロバート・ダウニーJr / アンソニー・エドワーズ / ブライアン・コックス / イライアス・コーティーズ ストーリー抜粋≫☆1969年、ドライブ中のカップルが襲撃され、女性は死亡、男性も重症を負う事件が起こった。その1ヵ月後、新聞社に事件の犯人と思しき人物――後に“ゾディアック”と名乗る男から犯行を告白する手紙と暗号文が届けられる。曰く、暗号文を新聞に載せないと大量殺人を決行するという。暗号は新聞に掲載され、新聞記者のポール・エイブリー(ロバート・ダウニーJr)や風刺漫画家のロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は“ゾディアック”の謎解きに並々ならぬ関心を抱く。…そして、いつしか彼らの人生をも変えてしまう。(by goo 映画 より) 来日情報≫ノープロモ!? ランキング≫全米興行成績は初登場2位 米Yahoo!ユーザー6段階平均評価「B」 米Yahoo!批評家6段階平均評価「B+」 ☆☆ |
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ちょこっとネタバレしていますので、未見で、これから観る予定の人はパスして下さいね。
この映画は、サンフランシスコで1960年代後半から1970年代前半にかけて、実際に起こった連続殺人事件を題材にした映画だそうです。犯人自ら”ゾディアック”と名乗り、新聞社や警察に暗号を使った犯行声明文や、犯行予告文、被害者の血の付いた衣服の切れ端などを送りつけて、警察を挑発すると言う大胆で異常な事件でした。たぶん事件の詳細を忠実になぞって作られていると思われ・・・当時この事件に関わった刑事と新聞記者と暗号解読に没頭していく漫画家を中心に物語は展開します。
当時の事件発生の真っ只中の1971年に公開されたクリント・イーストウッド主演の「ダーティーハリー」は、この”ゾディアック連続殺人事件”を髣髴とさせる内容が盛り込まれ、犯人に対する市民の強烈な怒りをメッセージとして作られたらしい。劇場型犯罪で自己顕示欲の強い犯人が”自分を模した犯人が映画になっている”と言うので、観に来る可能性が強いと判断した警察が映画館に張り込んでいたらしい。
今回の「ゾディアック」の映画の中でも、「ダーティーハリー」の映画の公開シーンや映画館で「ダーティハリー」を観る観客の様子や、主人公の一人であるゾディアックを追っている刑事がその映画を観ているシーンが有りました。「ダーティーハリー」では、最後に犯人が幼稚園バスを乗っ取って、ハリー刑事と格闘の末、ハリー刑事に撃ち殺されて終るのですが、実際は、今現在もこの連続殺人事件は未解決のまま犯人を特定できていないそうです。
そう言う未解決事件でも有るし、悪夢を思い出したくないとか言う事も関係しているのか分かりませんが!?アメリカでは、あまりヒットはしなかったみたいですね。犯人と刑事との駆け引きや証拠調べの様な犯罪捜査をメインに描いていないので、主人公のギレンホールも地味な分リアルに見えて、当時の事件のドキュメンタリー映画を観ているような重い内容でした。
私は、クライムサスペンスとして観たら見応えが有ったと思います。ビジュアルの派手さはないですけど、犯行の見せ方が恐かったです。最初の犯行から淡々と衝撃的な殺害場面が続いていきます。カップルを物色して、二人に向けて犯人は容赦なく何発も銃弾を打ち込み、或いはナイフでメッタ刺しにすると言う、とても直視はできない残酷で非情な殺害場面でした。誰かも分からない殺人者に意味もなく殺されていく恐怖と絶望感がただただ広がっていきました。
犯人が捕まっていて事件が一応解決していたら、また受け取り方も違ったかも知れませんが、当時、犯人と目された人物は証拠不十分で逮捕もされていない。その後、その男性は否認したまま病死しているらしいので、未解決のまま事件もまた葬られました。私の好みから言うと、映画として観るなら、映画独自の脚色で「ダーティーハリー」のように犯人に鉄槌を下して、物語としての決着を付けた終わり方の方が好きです。その方が観終わった後、少しは気が晴れると言うものですから。
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