みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 11 「第1回コンサート 本番」

2008年03月20日 | トーダル
 ついに開幕・・・
 まずVesna!オーナーうさぎさんより、開店5周年記念の挨拶と内容の変更のお詫びがあった。
 続いて、マトリョミン合奏部の演奏。急遽、曲の追加があったこと、リハーサルの時間が不足していたとは思えないほど、すばらしい演奏でした。
 トーダルもマトリョミンを初めて聴いて、(いい意味で)笑っていました。(^^)
 
 続いてオルケステル・ドレイデルさんの登場。
 演奏曲も予定では5曲だったのに、6曲に増やしてもらい、しかもリハーサルは誰かさんのせいで、できず申し訳なかったです。(好意的な方々ばかりで、助かりましたよ・・・)
 しかし、さすがプロ! 日本では珍しいクレズマー音楽がたくさん聴けて、よかったです。樋上さんのクラリネット、白石さんのアコーディオン、高橋さんのドラムに皆さん、酔いしれておりましたよ。

(アコーディオン奏者の白石雅子さんの公式サイトはこちらです。ご家族全員に大変お世話になりました!) 

http://acclife.net/index.html


 曲の合間の樋上さんのトークもおもしろかったです。(^^)
 しかし、トーダルはそれを舞台袖で聞いていて
「どうしてあんなにたくさん話をするのか?」
と尋ねてきた。自分もたくさんしゃべらないといけないのか、とあせったらしい。
 そうではなく、参加者の一人が抜けた分、楽しいトークもして時間を稼がないといけないのだ、と説明したら安心していた。

 そういうトーダルも当初の予定では6曲しか歌わない予定だったのが、結局、ずいぶん増えてしまったのである。(ベラルーシ隊はうれしかったが・・・。)
 
 そしていよいよ、トーダルの出番。私から挨拶して紹介の後、トーダルからベラルーシ語で挨拶。
 その後はまず急遽、追加した曲「朧月夜」からスタート。そして次は
「日本語で歌う。」
と公約していた「十五夜お月さん」をまずベラルーシ語で、それから(ときどき紙を見ながらだったけど)日本語で歌いました。(よし!)

 その後アカペラでベラルーシ民謡「緑の樫の木」を歌い(本来はこれはアカペラでは歌わない。)自分の持ち歌「道」と「海」をギター弾き語りで歌った。
 「海」も追加曲で3月1日のライブで歌う予定だったが、第1回コンサートで歌うことにあわてて決めた曲である。
 この歌の間奏部分で、なぜかトーダルが
「クワ、クワ、クワ・・・」
と歌っているので、これは何を意味しているのか尋ねたら
「蛙の鳴き声。」
という答え。
「でも『海』なのに、どうして蛙? 私は水鳥の鳴き声だとずっと思っていたんだけど・・・。」
とつっこむと
「そういう解釈もありうる。」
と言われた。要するに好きなように想像してください、ということらしい。でも
「日本のコンサートでは『クワクワ』は省略する。」
とトーダルは言い出した。
「だって、ふざけてると思われたらいやだから。」
と最後まで、クワクワつき「海」を歌うのを嫌がっていた。
 しかし、「この『クワクワ』がいいのだ」から、歌え、歌え!とマーサに言われ、不本意ながら、本当にクワクワ歌っていた。
(ちなみに3月8日のミンスク公演でも
「この歌を日本で歌ったけど、『クワクワ』歌うのが『ふざけてるのか!』とサムライ日本人から叱られるかもしれないので、歌いたくなかったが、歌わされた。」
と観客の前で、トークしていた。すると、どっと笑う観客がいた。実は意味の深い「クワクワ」のようです。CDの紹介「長い引き出しの歌」参照。)
 ちなみに、コンサート終了後、会場で一番売れたCDは「月と日」だったけど、2番目に売れたのは「長い引き出しの歌」でした。
「『海』が入っているCDはどれですか?」
ときかれたお客さんが何人かいたよ、とトーダルに話したら、驚いていた。
 
 その後、オルケステル・ドレイデルさんと夢の共演、「月と日」収録曲「故郷」「浜辺の歌」「村祭」の日本公演バージョン!
(聴けた人はラッキー、ベラルーシでこのバージョンを聴いた人はいませんからねえ。)
 ステージが順調に進むなか、私はあることを思い出した。「村祭」でうさぎさんと私は、はっぴを着て踊ることになっていた。
 トーダルではないが、私自身は踊りたくなかった・・・。 しかも、朝日新聞の記事を見て、中学校時代の担任の先生が奥様と見に来ていたので、約20年ぶりに見せる教え子の姿が、こんなふざけた(?)ものだったら・・・恥ずかしいではないか!
 しかしステージを盛り上げるため、協力するように、と強制されていた。仕方がないので、リハーサルのときにもちゃんと練習したり、合いの手を入れるため
「あ、それ!」
と叫んだりしていた。トーダルは「もう一丁!」という日本語も覚えさせられていた。このほうが日本のお祭らしい、という樋上さんのアイデアである。
 そして衣装もトーダルには祭はっぴを用意しており、うさぎさんと私には樋上さんから「樋上組」と染めてある本物の年代物もはっぴを貸してもらうことになっていた。
 しかし、そのはっぴを樋上さんが私たちに前もって渡すのを忘れており、私があわてて楽屋へ探しに行ったのである。

 無事、はっぴを見つけ、戻ってくるともう「浜辺の歌」が終わりかかっていた。舞台袖で、うさぎさんは
「思ったより、進行が早くて、予定よりずっと早く終わってしまいそう。時間稼ぎのために、村祭の前に『インタビューコーナー』を入れて!」
と言い出した。そんなこと、全く予定に入っていなかったので、
「何をきいたらいいの?」
「日本の印象とか・・・!」
と言うので、仕方なくはっぴを置いて、マイクを持ってステージに上がった。で、いきなり「インタビューコーナーです。トーダルさん、日本の印象はいかがでしょうか?」
と質問した。(トーダルはプロだから冷静であったが。)
「日本の印象はたくさんあります。多すぎてこのステージの上で、ありきたりな言葉で話したくありません。(つまり日本はきれいだの、すばらしいだの、気に入っただの、といった使い古された表現のこと。)ベラルーシに帰ったら、日本の思い出を本に書いて、ノーベル文学賞をもらおうと思います!」
と言ったら、観客の皆さんは笑っていた。

 しかし、マーサは質問のネタにつまってしまい、そうだ観客の皆さんから質問を募集すればいいんだ、と思いつき、
「何かトーダルにきいてみたいことはありませんか?」
と呼びかけたところ、一人のお客さんが手を挙げて(助かった・・・)
「『トーダル』という名前にはどんな意味があるんですか?」
と質問された。
 ちなみにトーダルというのは芸名で、本名ではなく、その芸名もデビュー時代はトーダルではなくフョーダルだった。(「トーダルの人生 3」と「トーダルの人生 4」参照。)
 簡単に言うとフョーダル(優しくて親切な人)からトーダル(強い男)に変更したのである。

 そのうち、ようやくうさぎさんから「もう時間大丈夫。」の合図があり、「村祭」が始まった。
 しかし、こんな進行具合だったので、はっぴに着替えるタイミングがなくなってしまい、あんなに(買うのも、探すのも)苦労したのに、はっぴを3人とも着ないまま、「村祭」がスタートしてしまった。ドンドンジリドン。

 はっぴを着て踊りが下手なのをごまかそうとしていたマーサの目論見は外れてしまった。仕方なく、踊っていたが客席の中学時代の担任の先生と視線を合わせないようにしながら、下手な踊りを踊った。ああ、恥ずかしい。
 しかし、頼んでもいなかったのに、はちの子がステージに上がって
「あ、それ!」
と叫んだり、樋上さんのアレンジがのりのりであったため、客席はどんどん盛り上がってきた。
 「ドンドンジリドン♪」と手拍子といっしょに合唱してくれる人もたくさんいて、本当にうれしかったです。(^^)

(コンサートの様子を撮影した画像は写真共有サイト「フォト蔵」内、「トーダルが撮ったニッポン 131」などで公開しています。ここをクリック。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/9514913



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