たとへば君、ガサッと落ち葉すくように
私をさらって行ってはくれぬか
私の大好きな歌を詠んだ、河野裕子さんと、夫の永田和弘さんの
まさしく「四十年の恋歌」です。
私の読書はまったくの気まぐれで、ちょっと読んでは休み、また他の本をちょっと読んで…
という感じ。
夏頃に読み始めたこの本も、河野さんの乳がんが再発をしたころから、いろんなことを考える
きっかけを私に与えてくれています。
ちょうど、私ごとで身辺がざわざわしていたときだったので、こんな時にいつも身近にあった本が
改めて自分に話しかけてきてくれる…そんな感じです。
愛の形を、小さな自分の事だけで納めて考えてしまわないように、もっともっと、広い意味の愛って
人って、を考えてもいいんじゃないかな。
私自身のことは、今の形でそっとしてやればいいのかも…。
そこまで自分の今に接近をさせて考えたのは、やはり自分と同じ病になった方だからなんだと思います。
再発の恐怖や、手術をした方の体の不調、程度の差こそあれ、共感できる箇所が多かったです。
冬の始まり、看護師を目指す道のりの最後の時期に、静かに自分を見つめる時間をくれた本でした。