食べないうちに…菜の花になってしまいました。
井上ひさしさんが亡くなられ
いろいろな記事を目にするようになりました。
「ひょっこりひょうたん島」の人形劇が
井上さんのものであったのも…今回、初めて知りました。
ただ楽しく見ていただけで
詳しくは(内容も?)な~んにも覚えていない。
人間が鈍感なのでしょうね。
今日は…毎日新聞の「余禄」を
江戸の黄表紙(黄色い表紙の絵本の称)にカチカチ山のパロディーがある。
狸の遺児が江戸まで兎を追ってかたき討ちをする話だ。
ついに狸が兎の胴を真っ二つに切ると
上は黒い鳥、下が白い鳥になる。
「兎を二つに切たる鳥なれば、黒きを鵜(う)白きを鷺(さぎ)と名付けし」
▲くだらないと怒ってはいけない。
若き井上ひさしさんは図書館で読んだこのくだりに大笑いし
「世界を抱きしめたくなる気分」になったのだ。
東京の大学になじめず、ささいなことに恐怖を抱くようになっていた時だった
▲「この時ぼくは笑うことを回路にして世界と共感し結合していた」
「一つの語呂合わせで状況はくるっと引っくり返ってしまう。音の響きを蝶番(ちょうつがい)にすれば、状況は扉の向こうへも押せるし手前に引くことができる」。
ほどなく井上さんは浅草でコント作りを始めた。
▲しゃれや語呂合わせ、方言を巧みに使い、言葉を現実の束縛から解き放った井上さんだ。自由になった言葉の戯れによってきらびやかな権威も、恐ろしげな権力もくるっと引っくり返った。その時の人々の笑いから新たな言葉の宇宙を組み上げた戯曲や小説の数々だ。
▲9年前、井上さんは朝日賞受賞のあいさつで米詩人の詩を引いて語った。
「悩みごとや悲しみは最初からあるが、喜びはだれかが作らねばならないという詩です。この喜びのパン種である笑いを作り出すのが私の務めです」。
この時、江戸の戯作者が書いた笑いと出合った若き日々が胸をよぎりはしなかったか
▲人の心を自由にし、豊かにするたくさんの言葉の蝶番を残し井上さんは逝った。
人生も世界も変える笑いから生まれた日本語のかけがえのない富だ。
井上ひさしさんが亡くなられ
いろいろな記事を目にするようになりました。
「ひょっこりひょうたん島」の人形劇が
井上さんのものであったのも…今回、初めて知りました。
ただ楽しく見ていただけで
詳しくは(内容も?)な~んにも覚えていない。
人間が鈍感なのでしょうね。
今日は…毎日新聞の「余禄」を
江戸の黄表紙(黄色い表紙の絵本の称)にカチカチ山のパロディーがある。
狸の遺児が江戸まで兎を追ってかたき討ちをする話だ。
ついに狸が兎の胴を真っ二つに切ると
上は黒い鳥、下が白い鳥になる。
「兎を二つに切たる鳥なれば、黒きを鵜(う)白きを鷺(さぎ)と名付けし」
▲くだらないと怒ってはいけない。
若き井上ひさしさんは図書館で読んだこのくだりに大笑いし
「世界を抱きしめたくなる気分」になったのだ。
東京の大学になじめず、ささいなことに恐怖を抱くようになっていた時だった
▲「この時ぼくは笑うことを回路にして世界と共感し結合していた」
「一つの語呂合わせで状況はくるっと引っくり返ってしまう。音の響きを蝶番(ちょうつがい)にすれば、状況は扉の向こうへも押せるし手前に引くことができる」。
ほどなく井上さんは浅草でコント作りを始めた。
▲しゃれや語呂合わせ、方言を巧みに使い、言葉を現実の束縛から解き放った井上さんだ。自由になった言葉の戯れによってきらびやかな権威も、恐ろしげな権力もくるっと引っくり返った。その時の人々の笑いから新たな言葉の宇宙を組み上げた戯曲や小説の数々だ。
▲9年前、井上さんは朝日賞受賞のあいさつで米詩人の詩を引いて語った。
「悩みごとや悲しみは最初からあるが、喜びはだれかが作らねばならないという詩です。この喜びのパン種である笑いを作り出すのが私の務めです」。
この時、江戸の戯作者が書いた笑いと出合った若き日々が胸をよぎりはしなかったか
▲人の心を自由にし、豊かにするたくさんの言葉の蝶番を残し井上さんは逝った。
人生も世界も変える笑いから生まれた日本語のかけがえのない富だ。
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