五高の歴史・落穂拾い

旧制第五高等学校の六十年にわたる想い出の歴史のエピソードを集めている。

「五高その世界」に於ける漱石の端艇部長

2009-05-06 06:51:42 | 五高の歴史
次には昭和62年発行の小山紘著の「五高その世界」の此処のところの記述になると全くのフイクションになっている。 その62頁から、夏目漱石・・・・端艇部長で奔走の項で~~前略~~ところが、途中、立寄った港で問題が起きた。``慰労に‘‘杯が``杯を重ね、一同、江津湖にたどり着くころには、飲食代だけで百円の借金を背負い込んでしまった。部員達は厳格な漱石に報告もできず、かといって弁済の路もなく、やむなく職員間を回ってカンパを募ったが、日ごろの暴れん坊ぶりが崇り、教職員も取り合ってくれない。ほとほと困り果てていたところ、この話を耳にした漱石が、黙ってポケットマネーから全額百円を支払いさっさと部長を辞任してしまった。明治三十年十月ごろのことである。学生たちの借金百円は当時、漱石の初任給とほぼ同額である。端艇事件は、漱石とって寝耳に水の‘‘災難で‘‘だったが、漱石本人は、この一件について、のちのちまで一言のグチももらしていない。