月岡芳年 月百姿
『月宮迎』 竹とり
げっきゅうのむかい たけとり
明治二十一年印刷
みんな大好き、かぐや姫伝説
その昔、竹取の翁(たけとりのおきな)という人がいた。
山に入って竹を採り、いろんなことに使っていた。
名前を「讃岐の造麻呂(さぬきのみやつこまろ)」と言った。
から始まっていく竹取物語。
国立国会図書館デジタルコレクション 046
”かぐや姫が月へ”
翁にかぐや姫は声をかける。
「私としても行きたくて行くのではないのです。同じように悲しい
せめて、お見送りだけでもしてください。」
「こんなに悲しいのに、見送りなんて、できるはずもない。
どうしてそんなひどいことを言うのか
私も一緒に連れて行ってはくれないか」
翁が泣く姿を見て、かぐや姫の心は揺れ動いた。
「手紙を置いていきましょう。私を思ってつらいときは
それを眺められるように」と
手紙と着物をのこして天上界に帰っていく。
秋の夜のなせるわざ
全文は知らなくてもここだけでロマンでいっぱいですね。