シニア・ソレイケ

昭和生まれ専科

「祈りの手」 デューラー

2011-07-17 | 趣味のいろいろー絵画編



「祈りの手」Albrecht Dürer (German artist,)

今、水彩画に凝っている。
と言っても、最近気まぐれで急にやりたくなって始めただけで、週末の気が向いた時に描くくらいだが、始めた理由に少し伏線がある。

ある宗教関係の機関から、何時も丁寧に冊子が送られてくるが、先今号に「ハンスの手と白い鳥」と題して、アルベルト・デューラーの「祈りの手」にまつわる童話が載っていた。不勉強でデューラーという15世紀のドイツの画家を知らなかったのだが、この絵だけは知っていた。

と言うといかにも他の絵は知っているみたいだが、そうではない。実は、この絵はアメリカのアートの店(日本の店は知らない)に行くと必ずといっていいほど見かける絵や彫刻で、20数年前、偶々入ったロスアンゼルスの工芸品店で見たとき、キリスト教でも仏教のように指を組まず合掌する祈り方があるのかと思った程度である。それにしても、この単純な素描は(例えプリントものでも)かなり心に訴えものがあった。

小生もそれなりにルネッサンス期の有名画家も含めて素描を見ているが、これほど心に残る絵はない。そして最近送られてきた冊子の中に、このデューラーと「祈りの手」のモデルになった友人の逸話が載っていて、その内容を改めてネットで調べて始めて分かった次第だ。

小生も中学2年の頃まで漫画家になりたいと思っていたクチで、その後、中学卒業とともに、いろんな夢を捨てたが(夢が夢と分かっただけ)、絵もそのひとつだった。それが、この絵を観て何故か急に描きたくなったというわけだ。 

そこで早速、アート関係の店に行き、鉛筆、スケッチブック、水彩絵の具などを買い込み、その足で日本の本屋さんにも行って「水彩画の描き方」というようなタイトルの本を数冊買い込んで目下練習中というわけだ。日本の水彩画は「淡彩」というのか、絵の具をそれほど使わない経済的なので大変気に入っている。 

ま、そんなわけで、今月末にはスケッチのために、わざわざ東京経由で京都まで行く予定である。それを知人に話したら、日本の夏は信じられないほど蒸し暑く、特に京都は東京より暑い上に、今は節電でクーラーもなく、ロスの涼しい気候に慣れている者には無理無理と鼻で笑われた。

それでも既に航空券、新幹線、ホテルの予約まで一気呵成にしてしまった今では後戻りできず「エエイ、ままよ」と行くことにした。

7月末に、大原近辺で熱中症で倒れているベッカムに似た男が居たら小生に間違いない。


ギターを買ってしまった

2011-06-26 | 趣味のいろいろー絵画編
急に思いついて、クラシックギターを買った。

今までギターといえば、昔、誰かにもらった板の丸い穴の中に「Yamaha, No.80 Nippon Gakki」とプリントされた紙が貼ってある時代物のギターで、Am, Dm, C, A7くらいを覚えてボロンボロンやった程度。Fは人指し指で全部弦を押さえるということができず、そのコードのないやつを選んで弾いた程度だ。

始めた理由は、将来リタイアして日本に帰ったら、伊豆の温泉街近くに居を構え、夜な夜なギターの流しをやろうと思いついたわけだ。何故こう考えたか今でも分からない。

兎も角、そのNippon Gakki製ギターで日本人先生について週1回、40分程度のレッスンを取った(と言っても、しょっちゅう休むが)。若い茶髪の先生にナニを弾きたいのですか?と言われ、演歌を弾きたいので、先ずは「酒は涙かため息か」を習いたいと言うと、先生はどんな曲か聞いたこともないがといいながらも、楽譜を見せると流石先生。お金を取るだけのことはある。ちゃんと熱心に教えてくれた。

その後、うまく弾けないのは(自分のせいではなく)楽器のせいだと思い込み始め、ギターを買った次第。買ったのはTakamine Hirade TH5-C というモデル。近所にある大手ギター店のWebで、その店の全州のサイトをあたり、その結果テキサスの店で前記中古モデルを見つけ(値段と日本製というのが選択理由)、電話をして品質を訊いてみると「プレティ・グッド」とのこと。税金、送料を入れて〆て850㌦。もし、気に入らなければ近くの店に持ち込めば返品OKということで早速送金。

送られてきたギターを見てビックリ。ソフトタイプの新品ケースに入り、全て新品同様、ピッカピカ。音を調整する内臓のアンプ(?)の電池もナイロン弦も新品。いやぁ、アメリカにもこういう良心的なものがあるんだ、と感心した。

それは兎も角、驚いたことにネックに目印(名前は知らない)がない! Nippon Gakkiは 5,7,10,12のフレットにマークがあったのに、これには付いていない。早速、インターネットで検索してみると、世の中に同じようなことを訊く人が居るもので、直ぐに理由は分かった。 つまり、クラシックギターではそのようなモノはないとのこと。回答者の意見は、すごーく高い目線から「それは素人が必要とするもので、クラシックでは必要ありませんし、多分(「多分」ですよ)エレキやフォークなどでは使うのでしょう」ですって。

ま、そう言われてみればそうでしょうが、それではあまりにツレナイ。そこでネックにドリルで穴をあけ、釘でも打ち込もうと思ったが、それでは将来、転売するときに問題ありと思い、しばし黙考の末、考え出したのが「デコデン」で使うキラキラしたプラスチック製の宝石みたいなやつ。
早速、手芸店へ行ったらあるわあるわ。そのうちの片面ダイヤみたいなのが30個くらい入ったのを買ってきてネックに貼り付けたら、これが正解。5,7,10,12のフレットに緑、赤、ピンク、青の小粒宝石を貼ったら、これが簡単に取れず、そして見た目も(自分だけかも)ゴージャス。 先生からは10フレットではなく、9フレットに変えるように指導を受けたが、10の方が分かり易いのでそのままにしている。

しかし、面白いもので、友達の前で「酒は涙かため息か」を1分間30-40拍子くらいでポツラポツラとやったら、みんな白けてしまった。評価は「弾き方の下手は仕方ないとしても、その曲が遅れてる」ということで、皆を感動の渦に巻き込むことができなかったのは、腕ではなく曲であったかと思い至り、来週から先生に頼んで、ギターの名曲「禁じられた遊び」に挑戦することにした。

因みにインターネットで調べたら、「流し」というのはかなりハードな仕事だということが分かった。その道のプロの話では、先ず「店に入る許可」が必要で、次に「お客のリクエストを得る」こと。そしてリクエストがあったら弾けなければならない。その結果得る収入は1曲300円くらい。 それまでは、せいぜい「酒は涙かため息か」か「湯の町エレジー」くらいでいいかと思い込んでいたが、ロスに来てから30年近くなる。その間の曲なんて知る由も無い。「昭和は遠くなりにけり」だ。





切り絵に挑戦

2011-06-25 | 趣味のいろいろー絵画編
NHKの「あなたもアーチスト」で、切り絵の制作をやっていた。
早速、NHKテレビテキストを東京出張の折、買い込んできて金曜朝6時40分の番組を参考に見様見真似でやってみた。

考えてみれば東京出張はこの本を買うのが主な目的だったような気がするが、ロスアンゼルスからの飛行機賃と宿泊費を考えると馬鹿なことをしたものだ。しかし、まぁ趣味とは得てしてこういうものだろう。

人間先が短いと思うと何でも焦る傾向にあるが、小生も同じで、チョット紙の切り方を映像で見ると、もう自分でも同じにできると思い込み、難しい絵に挑戦してしまう。そしてできたのが下の絵である。



性格が災いして、出来上がったサクヒンは結構アラが目立つので、小さな画像にした。

現在番組は「仏画」になっているが、これは敬遠。どうも墨で一気に線を引くのは苦手で、筆ではなく腰が引ける。