シニア・ソレイケ

昭和生まれ専科

菩提樹

2013-03-31 | 思いつくまま


つれづれなるままに、日本語テレビを見ていたら、インドの仏塔のことを放映していて、細かいことは忘れたが、その中に「菩提」という言葉が出てきた。

「菩提」というとシューベルトの「菩提樹」を連想するが、この「菩提樹」なるものと、仏教でいう「菩提を弔う」「菩提寺」などと関係ありやなしやと酔いに任せて宵のうちに調べてみた。

仏教の「菩提」を説明するにはボーダイな資料が必要だが、要はインド古代の仏教で使われたサンスクリット語(パーリ語?)のボーディの音写で、意味は「悟りの境地」のことだそうだ。たしかに、般若心経にも得阿耨多羅三藐三菩提(とく、あのくたらさんみゃくさんぼだい)という経文が出てくる。「この上なく崇高な悟りを得た」というような意味である。

そして「菩提を弔う」とは、死んだ人が安らぐように祈ることで、そのような祈りの場が「菩提寺」という(と思う)。

因みに仏教での木というと「菩提樹」と並んで「沙羅双樹」が有名だが、「これはナニかと尋ねたら」(このフレーズが分かるのは相当の高齢化と漫才が好きだった人である)、仏教では3大聖樹というのがあって、そのうちの2つがこれらだそうだ。まず「菩提樹」は、お釈迦様が悟りを開いたときに、その横にあった(後ろかも知れない)木で、「沙羅双樹」はお釈迦様が入滅したときに2本が対で4方(つまり8本)にあった木だ(とさ)。因みに、もうひとつは無憂樹で、これはお釈迦様の生まれた所にあった木だそうだ。

そこで小生の3大性樹はナニかと尋ねたら、先ず生家の庭にあったのがイチジク.
(無花果」と書くが、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来するそうな。道理でと思う。

次に我が家の家紋の「丸に剣片喰(けんカタバミ)」。「片喰(カタバミ)」は繁殖力が強く一度根付くと絶やすことが困難であることが「(家が)絶えない」に通じることから、武家の間では、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして家紋の図案として「剣」を加えて用いられた。五大紋の一つに数えられる。この「繁殖力旺盛」が小生に当てはまるかどうかは、諸兄に判断を任せる、

そして、現在裏庭に盛大に緑の実をつけている枇杷か。これがたわわに生る頃「ビワ・ガーデン」と称して友人たちとテーブルを持ち出して盛大にビールなどを呑んだものだ。最近は、犬がいないせいか、実が生って、さあこれからというときにリスが来て先においしいところを持っていかれてしまう。この辺が自分の人生とダブって見える。

話は「菩提jに戻るが、菩提の反対語は「煩悩」。簡単に言うと煩悩があるときは、菩提=悟りの境地にいないということだが、もっと簡単にいうと、美女が誘っても誘惑されない状態を菩提=悟りという。そうなると小生などは、生きている間は悟りが開かないことを祈るばかりだ。

さて、そこでシューベルトの「菩提樹」だが、これは「美しき水車小屋の娘」と並んで彼の3大歌曲のひとつといわれる「冬の旅」の中にでてくる曲だそうだ。余談だが近江俊郎が歌った「水車小屋の花」(鈴木比呂志作詞、米山正夫作曲)があるが、これは「美しき水車小屋の娘」をなぞらえたものか。この歌を知っているゴジンも、相当年季の入ったゴロージンのはずである。

「菩提樹」の歌詞はご存知と思うが、蛇足ながら付け加えておく。「泉に沿いて繁る菩提樹 慕い行きてはうまし夢見つ 幹には彫りぬ ゆかし言葉 嬉か無しに訪いしそのかげ」

説明によれば、失恋した若者が放浪の旅を続けていく曲で、絶望感と悲しみ、失われてしまったものへの憧れ、そしてそれを救う死を求めながら旅を続ける姿だそうだ。これを作曲した当時のシューベルトは、どうもウツの状態だったようだ。

それはともかく、本題の結論として、この題名の「菩提樹」は仏教の菩提樹とは関係なく、偶々、リンデンバウムという木が和訳すると「西洋菩提樹」になるだけで、これはシナノキ科の落葉樹で、お釈迦様のはクワ科の熱帯樹という別物だそうだ。しかし、その「リンデンバウム」が何故「菩提樹」と和訳されたのか分からないが、多分仏教の3大聖樹である「菩提樹」に似た木をヨーロッパ人が持ち帰り、これを自国語の「リンデンバウム」と呼んでいたが、そこへ偶々ヨーロッパ(何処だか不明)にアソビに来た中国人かインド人が自分の国にあった仏教に由来する「菩提樹」に似てた花をつけていたから、「オー・コレハ・ボダイジュ デース」とかなんと言ったから「菩提樹」になったものだと思う。そして、それに偶々興味を持った小生が、この雑文を書くに至ったという程度のことである。

蛇足ながら、ここまで書いてきて「菩提樹」という題名の映画があったような気がして、早速インターネットで探したらやはりあった。そこで、そのストーリーを読んだら、原題がThe story of Trapp Family Singersとあったので、アレレと思って先を読んだら、やはり、ジュリーアンドリュース主演の映画「サウンド・オブ・ミュージック」の前に、トラップ・ファミリーのマリアが書いた原作を映画化したものだった。兎も角、その映画「菩提樹」はYouTubeでも結構部分的にUp Loadされているからご覧になったらよろしかろう。

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