とうとう我が社も新型コロナウイルスの影響で自宅勤務となった。 このご時世でこの年齢からすれば、いまだ自宅であれオシゴトをさせてもらえるのはありがたいことだと感謝すべきと感謝している。
家に居れば、当然会社に居る時より一段と気合の抜けた生活態度となる。
そんな折、何のきまぐれか半世紀以上本棚に眠っていた武者小路実篤の「人生論」(文庫本)を読み始めた。当時、何処まで読んだか全く記憶にないし、第一こんなホンが我が家にある方がホンに不思議だ。本に興味を持つのは我が家では他に飼い犬(何故か本を歯で噛み千切るのが好き)くらいしか思いつかないが、そうかと言ってこの犬は50年も我が家に居た訳ではない。となると自分が酔って精神耗弱のとき買ったか、他人様のものを借りてそのまま返し忘れたか位しか思いつかない。
しかし伊達に歳をとったわけではない。この本を開いただけでその全編を次の2点に集約できることを一瞬で見抜く。
① この本の文字はあまりに小さく、行間があまりにもビッシリつまっている。つまり「人生論」とは2階からでもこれを読むことができる目の良い若者が読むものであって、人生の終わり近くで老眼鏡の世話にならないとだめな者が読むものではないと。 それにしても昔の出版社はエライものだ。もしかしたら当時は紙の節約が必要だったかも知れないが、今日日この本を出版しようと思ったら、字を大きく行間の間取りを十分にとって3倍くらいのページ数と重さにして、値段も5倍位に設定しただろう。
② 何であれ自宅勤務のときにしかこんな本を読むことはないし、読めば半ページも読まないのに直ぐ眠くなるので、今まで毎晩9時間しかとっていない睡眠不足を補うにはうってつけのものだ。
そんなことで今更読んでも人生の手遅れと知りつつも、この「人生論」読み始めた。出だしは人の体の不思議から始まって苦痛の話に続き、更に健康の話にいく。
その言に曰く、『人間は死を苦痛に感じるから生きようと思うし、これが楽だったら人間は死滅している。そして苦痛を減らして生きるためには健康でなくてはならないが、人生にとって健康は目的ではなく、最初の条件である』。つまり健康でなければ働けない。働かなければ人生を全うすることができない(と言っていると思う)。そう言えば小生の知り合いにも「オレは健康のためなら死んでもいい」とマジで言っていた奴が居たが、その後どうなったものやら。健康器具や健康食品を買っても「高いモンだから勿体なくて使えるわけないじゃないか。それにこの○○は貴重なモンでそう簡単に手に入らないから飲むのが惜しいんだ」と言っていた。
更に曰く『病気や負傷で苦しいときにそれを治す力の無い者は、その資格と力のある人に任せることが肝要』とも言っている。つまり、知人が病気で苦しいときに下手な同情や見舞いの押し付けは自己満足でしかなく、治す専門の医者に任せておけということ。 それはそれで正しいが、小生の場合は少々違う。 できれば『見舞金』という目に見える形で送ってもらえればありがたいし、その金額の多寡でその人の全てを評価するので遠慮せず自己満足して欲しい。 多ければ、こいつは思ったより義侠心、人情、友情があるな。 少なければ、やっぱ奴は口先人間だ、パープーだ、と評価するかも知れない。
ここまで(約20ページ)読むのにほぼ1週間位かかっているが、これを読みながらひょいと夏目漱石の「草枕」の冒頭の「山に登りながら考えた」というおなじみのフレーズが思い浮かんだ。 そこで「人生論」を読む方はまだ気が遠くなるほど長いが小生の残りの人生は短いので、先ずはこっちから先に片づけることにする。
夏目漱石の場合
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。 こへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
サラリーマンの場合
(出世の)階段を登りながら、こう考えた。
地味に働けば目立たない。 上司を刺せば飛ばされる。 正論通せば責任に。 とかくに会社は住みにくい。
住みにくさが高じると転職したくなる。 何処へ勤めても住みにくいと悟ったとき、定年となる
ホステスの場合
(オンナの)道を歩きながら、こう考えた
指名が段々減ってきた。 客に口説かれる方から客を口説く方へ。 歳でドレスが窮屈だ。 とかくにキタの新地は住みにくい。
住みにくさが高じると居づらくなり、もっと北の方に行きたくなる。 津軽のバーでも住みにくいと悟ったとき、子が出来た。
トランプの場合
(票を)数えながら、こう考えた
弾劾なんかどうでもいい。 なんでもフェイクと言えばいい。 選挙に勝つならなんでもアリ。 とかくに政界は住み易い。
住み易さが高じると再選を目指したくなる。 再選しても嫌われてると悟ったとき暴発する。
小生の場合
(人生の)坂道を下りながら、こう考えた
年金生活ままならず。 英語が全然通じない。 他人の意見に歯向かえない。 とかくにアメリカは住みにくい。
住みにくさが高じると「日本」に帰りたくなる。 日本に帰っても住みにくいと悟ったとき、お迎えが来る。
皆さんの場合は?
家に居れば、当然会社に居る時より一段と気合の抜けた生活態度となる。
そんな折、何のきまぐれか半世紀以上本棚に眠っていた武者小路実篤の「人生論」(文庫本)を読み始めた。当時、何処まで読んだか全く記憶にないし、第一こんなホンが我が家にある方がホンに不思議だ。本に興味を持つのは我が家では他に飼い犬(何故か本を歯で噛み千切るのが好き)くらいしか思いつかないが、そうかと言ってこの犬は50年も我が家に居た訳ではない。となると自分が酔って精神耗弱のとき買ったか、他人様のものを借りてそのまま返し忘れたか位しか思いつかない。
しかし伊達に歳をとったわけではない。この本を開いただけでその全編を次の2点に集約できることを一瞬で見抜く。
① この本の文字はあまりに小さく、行間があまりにもビッシリつまっている。つまり「人生論」とは2階からでもこれを読むことができる目の良い若者が読むものであって、人生の終わり近くで老眼鏡の世話にならないとだめな者が読むものではないと。 それにしても昔の出版社はエライものだ。もしかしたら当時は紙の節約が必要だったかも知れないが、今日日この本を出版しようと思ったら、字を大きく行間の間取りを十分にとって3倍くらいのページ数と重さにして、値段も5倍位に設定しただろう。
② 何であれ自宅勤務のときにしかこんな本を読むことはないし、読めば半ページも読まないのに直ぐ眠くなるので、今まで毎晩9時間しかとっていない睡眠不足を補うにはうってつけのものだ。
そんなことで今更読んでも人生の手遅れと知りつつも、この「人生論」読み始めた。出だしは人の体の不思議から始まって苦痛の話に続き、更に健康の話にいく。
その言に曰く、『人間は死を苦痛に感じるから生きようと思うし、これが楽だったら人間は死滅している。そして苦痛を減らして生きるためには健康でなくてはならないが、人生にとって健康は目的ではなく、最初の条件である』。つまり健康でなければ働けない。働かなければ人生を全うすることができない(と言っていると思う)。そう言えば小生の知り合いにも「オレは健康のためなら死んでもいい」とマジで言っていた奴が居たが、その後どうなったものやら。健康器具や健康食品を買っても「高いモンだから勿体なくて使えるわけないじゃないか。それにこの○○は貴重なモンでそう簡単に手に入らないから飲むのが惜しいんだ」と言っていた。
更に曰く『病気や負傷で苦しいときにそれを治す力の無い者は、その資格と力のある人に任せることが肝要』とも言っている。つまり、知人が病気で苦しいときに下手な同情や見舞いの押し付けは自己満足でしかなく、治す専門の医者に任せておけということ。 それはそれで正しいが、小生の場合は少々違う。 できれば『見舞金』という目に見える形で送ってもらえればありがたいし、その金額の多寡でその人の全てを評価するので遠慮せず自己満足して欲しい。 多ければ、こいつは思ったより義侠心、人情、友情があるな。 少なければ、やっぱ奴は口先人間だ、パープーだ、と評価するかも知れない。
ここまで(約20ページ)読むのにほぼ1週間位かかっているが、これを読みながらひょいと夏目漱石の「草枕」の冒頭の「山に登りながら考えた」というおなじみのフレーズが思い浮かんだ。 そこで「人生論」を読む方はまだ気が遠くなるほど長いが小生の残りの人生は短いので、先ずはこっちから先に片づけることにする。
夏目漱石の場合
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。 こへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
サラリーマンの場合
(出世の)階段を登りながら、こう考えた。
地味に働けば目立たない。 上司を刺せば飛ばされる。 正論通せば責任に。 とかくに会社は住みにくい。
住みにくさが高じると転職したくなる。 何処へ勤めても住みにくいと悟ったとき、定年となる
ホステスの場合
(オンナの)道を歩きながら、こう考えた
指名が段々減ってきた。 客に口説かれる方から客を口説く方へ。 歳でドレスが窮屈だ。 とかくにキタの新地は住みにくい。
住みにくさが高じると居づらくなり、もっと北の方に行きたくなる。 津軽のバーでも住みにくいと悟ったとき、子が出来た。
トランプの場合
(票を)数えながら、こう考えた
弾劾なんかどうでもいい。 なんでもフェイクと言えばいい。 選挙に勝つならなんでもアリ。 とかくに政界は住み易い。
住み易さが高じると再選を目指したくなる。 再選しても嫌われてると悟ったとき暴発する。
小生の場合
(人生の)坂道を下りながら、こう考えた
年金生活ままならず。 英語が全然通じない。 他人の意見に歯向かえない。 とかくにアメリカは住みにくい。
住みにくさが高じると「日本」に帰りたくなる。 日本に帰っても住みにくいと悟ったとき、お迎えが来る。
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