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2016.3.2 wbs・ワールドビジネスサテライト

2016年03月02日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

株高 新規上場に追い風
日経平均は660円以上の上昇となりました。これは①2月の米ISM製造業景況感指数が49.5%(前月比+1.3)と市場予想を上回ったこと、②為替市場で一時1ドル114円44銭まで円安が進んだことが要因です。今日上場した企業にも追い風となりました。
2日、東証マザーズに新規上場したバリューゴルフ。初日は公開価格1,280円に対し、2,944円の買い気配で初値は付きませんでした。バリューゴルフは「1人予約ランド」というゴルフをプレーしたいが仲間が集まらないプレーヤー同士のマッチングサービスを展開しています。バリューゴルフはゴルフ場から得る手数料(500円~700円)が利益となります。ただ今はゴルフをする人口が減っていて、業界縮小が懸念されています。これについてバリューゴルフの水口通夫社長は、今後の成長戦略の一つとして事業融合を考えていて、ゴルフ事業とメディカル事業を融合させた「人間ドックとゴルフのツアー」を開始したいと話しました。


■東京大学大学院/伊藤元重教授

・ 中国・鉄鋼生産現場の惨状
そもそもこういうことが起きたのは、リーマンショック後に温家宝政権で4兆元(当時で約57兆円)の投資をした。介入力の強い政府があると、経済が振り回されてしまう。今度これに対していろいろやろうとしているが、株とか為替介入とかでマーケットを非常に不安定化させている。今日の話は工場停止のことですが、この裏には膨大な不良債権があって金融のゆがみがあるわけで、マクロ的にも注意が必要で深刻です。ハードランディングする前に新しい産業が生まれてくれば理想的なんですが・・・。


■不動産流通に革命は起きるか

・ 中古物件売買手数料は、3%+6万円(+消費税)となっており、例えば、4000万円のマンションを購入すると仲介手数料として約136万円を支払うことになります。
・ 賃貸仲介手数料は、通常、家賃の1か月分(+消費税)となっています。
実はどちらも法律で上限と定められた金額ですが、どこの不動産会社も当たり前のようにこの上限の金額を消費者から受け取っています。今こうした商習慣を打ち破ろうという革新的な企業が現れました。

アルティメット総研(大友健右社長)
《賃貸情報物件サイト「ウチコミ!」》
このサイトで紹介する物件は全て仲介手数料が無料です。「ウチコミ!」を通じて入居条件を直接交渉します。「ウチコミ!」ではオーナー自身が顔写真やプロフィルを掲載、物件のアピールポイントもオーナーが記入しています。オーナーは「ウチコミ!」に仲介手数料として家賃1か月分を支払います。これまでは大手不動産ポータルサイトに掲載するため、広告費も払っていました。「ウチコミ!」は仲介手数料が無料な上、オーナーが支払う利用料も大手に比べて格安です。さらにネットに慣れていないオーナーへの手厚いサポート、例えば無料で間取り図作成、物件の写真撮影やデータ作成の手伝いなど、も行っています。さらにセミナーなども積極的に開催して「ウチコミ!」の利点をアピールします。登録物件数は現在約4400戸、登録ユーザーは約1万6000人を超えました。
《大友健右社長》「インターネットが普及したが、そこに対して不動産業者が全く無策だったから、玄関をポータルサイトのネット会社に取られてしまった。今は大手のポータルサイトが主流ですが、早晩無くなるでしょう。」

ハウスマートは1月に売買の仲介手数料を無料にする《中古マンション売買サービス「カウル」》というサービスを始めました。月額1~2万円の会費を支払えば誰でも利用できます。採算ラインは会員数200人(現在90人)だと言います。今後は物件購入後にも継続して会員になってもらうための新たなサービスを検討している。
《ハウスマート/針山昌幸社長》「一人一人のお客様から頂くお金は少なくなりますが、より多くの客にサービスを提供することで事業として拡大していきたい。」

こうしたサービスはまだ始まったばかり。しかし60年来続いてきた不動産業界の商慣習は大きな転換点を迎えているのかもしれません。


■シリーズ"中国ショック" 鉄鋼生産現場の惨状

中国の鉄鋼生産能力は12億トンです。しかしその3分の1が過剰生産となっています。中国では今週土曜日から全人代が始まります。全人代ではこの過剰生産問題について、どこまで政策を打ち出すかがポイントになっています。しかし生産現場では既に深刻な事態が起きていました。
河北省唐山市では鉄鋼業がひしめき合い、中国の鉄鋼の10%を生産しています。「国豊鋼鉄」は社員1万4千人の大手国有製鉄所ですが、市内に複数ある製鉄所のうち、最古の高炉の操業停止を決定した。中国政府はリストラの前に転職斡旋などの従業員保護策を地方政府に指示しましたが、既に去年からリストラが始まっていて、解雇された従業員たちは行くあてもありません。
唐山市郊外の民間大手製鉄所「松汀鉄鋼」(年間300万トンの粗鉄生産、従業員8千人)は急速な需要の落ち込みで経営が悪化し、従業員の給料も払えず去年11月に操業を停止に追い込まれた。多くの従業員は見切りをつけて既に村を去っていきました。従業員相手の商店も次々と閉店し、村の経済は空洞化してしまいました。
中国政府が推し進める鉄の過剰生産の削減の裏で、壊滅的な影響を受ける地域がすでに現れている。


■ニュース

マンション市場 “中古優位”の時代到来?
 ソニー不動産とヤフーが中古マンションの買い換えに関心を持つ人に向けセミナーを開きました。実はいま中古マンションは新築に比べ支持を集め始めています。中古マンションの成約価格は3年連続で上昇、更に成約件数も1年前に比べて2.9%増えています。
 京王電鉄グループのリビタは、中古マンションのリノベーション前の部屋に、最長3年間、試しに住んでから購入できる「試住(タメ/スム)」というサービスを、千葉県松戸市の物件で始めました。その後、購入する場合は、払った家賃と共益費の3分の1を、購入価格から割り引く仕組みです。
  東急不動産は中古マンションのリノベーション事業に初参入しました。六本木にある築10年ほどの賃貸マンションを1棟丸ごと買い取り、大挙した部屋から順次販売し、客の要望に応じてリノベーションしていきます。高付加価値の改装と一等地という希少性から中古の中でも高値で売れるメリットがあると言います。
《東京カンティ市場調査部/出井武さん》
「坪単価400万円近くに東京都内で上がっているが新築の現状。ある程度安い中古物件に目を向ける動きが出ている。(中古マンションのもう一つの魅力が物件数の多さ。この1年に東京都で分譲された新築マンション戸数が多い月で3000だったのに対し、中古マンションは17000と大きな差があったのです。)いろいろな物件を吟味して選べるというメリットもありると思います。(築年数が浅ければ)適用されるローン金利が新築と同じことも、中古を選ぶ選択肢が増えている理由だと思います。」


民主・クリントン氏、共和・トランプ氏勝利
次のアメリカ大統領選に向けた候補者選びの予備選や党員集会が集中した「スーパーチューズデー」。民主党ではクリントン前国務長官、共和党では実業家のトランプ氏がともに7つの州で勝利し、指名獲得へ大きく前進しました。クリントン氏は大票田のテキサス州など黒人有権者が多い南部を中心に勝利し、黒人からの支持の高さを改めて示しました。一方、共和党のトランプ氏は有権者が抱く既存の政治家への強い不信感を追い風に南部のジョージア州、東部のマサチューセッツ州などで勝利しました。本選で対決する可能性が色濃くなった両氏は、今後の予備選でも、相手を意識した選挙戦略の練り直しをするとみられます。
《中継 内田広大記者》
「クリントン氏の陣営ではトランプ氏なら戦いやすいと見ています。イスラム教徒の入国禁止など過激な発言を繰り返すトランプ氏が共和党の候補者になった場合、その意見についていけない多くの人達がクリントン氏投票すると見ているからです。このためトランプ氏では本選挙を勝てないとして、共和党内ではトランプ氏を候補者に指名することは認めないという声が公然と上がり始めています。またクリントン氏にとっても有権者が嫌う"既存の政治家"というイメージが逆風となる可能性もあるだけに両社とも相手を意識して選挙戦略の練り直しが行われる見通しです。」


消費税増税 先送りも?
来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げ。しかし安倍総理大臣が消費税の引き上げを再び先送りするのではないかとの見方が広がり始めています。そのきっかけの一つが、国際金融経済分析会合。5月に開催される伊勢志摩サミットに向けて、世界経済の情勢を議論するのが目的ですが、「消費税率引き上げ先送りの布石では?」との見方が出始めています。その理由が、2014年11月に開催された、消費税の「点検会合」。有識者に意見を聞いた上で安倍総理は増税先送りを決断し、解散総選挙に打ってでました。3月中旬から始まる今回の会合も、同じように海外からの有識者も交え5回程度意見を聞きます。初会合は今月中旬からで、消費税も議題の対象になると見られる。産業競争力会議のメンバーの竹中平蔵氏は、「(増税という)高度な政治判断をするにあたり状況を把握しておくということです。外需が収縮し、デフレマインドが払拭されていない状況では増税は相当の問題をもたらす」との認識を示しました。


スマトラ島沖でM7.8
インドネシア南西部のスマトラ島沖で日本時間午後9時49分マグニーチュード7.8の地震が起きました。震源の深さは24キロです。震源からおよそ800キロ離れたスマトラ島中部パダンでは津波を恐れた人々が高台に避難し始めているということですがインドネシア当局はさきほど津波警報の解除を発表しました。この地震で日本への津波の影響はありません。


2月のお金の量 過去最高更新
日銀が市場に供給している資金の量を示すマネタリーベースは2月末の時点で358兆8,015億円となり、3ヵ月連続で過去最高を更新しました。日銀は大規模な金融緩和を進めることで、世の中に出回るお金の量を増やしています。このうち銀行など民間金融機関が日銀に預けている当座預金の残高はおよそ259兆円、紙幣はおよそ95兆1,000億円でした。


国連安保理 北朝鮮制裁決議を採択
国連の安全保障理事会は先ほど、北朝鮮による核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を非難し、制裁を大幅に強化する決議を全会一致で採択しました。北朝鮮への航空機・ロケット燃料の輸出を原則禁止することや、北朝鮮産の石炭や鉄鉱石の輸入を一部禁止することなどが柱です。北朝鮮を出入りするすべての貨物の検査を義務づけるなど、大幅に制裁を強化した内容になっています。


チーズタルトの次は… アップルパイ専門店
チーズタルトが人気の洋菓子店「BAKE」が、新業態となる焼きたてアップルパイの専門店を展開します。東京・池袋にオープンするアップルパイ専門店「RINGO」。サクサクのパイ生地に、新鮮な原料を使ったカスタードクリームと角切りにしたリンゴをたっぷり入れ、焼きたてをすぐに提供します。「BAKE」は北海道の老舗菓子店「きのとや」のグループで、以前番組でも紹介した「焼きたてチーズタルト」の専門店を展開、すでに香港、タイ、韓国に進出しています。今後はアップルパイでも海外展開を狙う考えです。


■【トレたま】壁に掛ける冷蔵庫
【商品名】 壁掛け冷蔵庫
【商品の特徴】奥行き13cm、壁に掛けられる冷蔵庫
【企業名】 テックス イージー、シィクリエイティブ
【住所】  東京都町田市小山ヶ丘2-3-28
【価格】  未定
【発売日】 未定
【トレたまキャスター】大澤亜季子



2016.3.2 Newsモーニングサテライト

2016年03月02日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NY株 大幅高
今日からこちらも3月に突入です。大統領選の行方を頭の片隅に置きつつ、指標が軒並み良好で、ダウは300ドルを超える上昇です。そもそも3月は、株価が上昇しやすい月と言われています。心配された製造業の指標も予想を上回り、堅調な自動車販売も投資家心理を明るくしました。ただ最近は、リスクオンとリスクオフが目まぐるしく変わる状況、スーパーチューズデーで候補者が絞られる事は不透明感の払拭になるものの候補者の市場へのスタンスが今後、不安要素として、浮上してくる可能性もあります。現在の株価、揃って大きく上昇です。ダウが3日ぶり反発、348ドル高、1万6,865ドル。ナスダックが反発です。131ポイントの上昇、4,689。S&P500が3日ぶり反発、46ポイントプラスの1,978でした。

【NY証券取引所中継】米予備選とマーケット
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏
ISM製造業景気指数を筆頭に予想を上回る経済指標が相次ぎ、アメリカ経済に対する楽観的な見方が広がったことから全面高となっています。
スーパーチューズデーは、過去のデータを参照して、市場にはポジティブに働きそうだという見方です。1990年以降で大統領選挙は6回ありましたが、スーパーチューズデー当日とその1週間後のS&P500の終値を比較すると5回が上昇していました。さらに1996年や2012年のように下落と連から一転上昇するというケースもあります。選挙戦の本命が絞られ不透明感が晴れたことが好感されたようです。但し、共和党でドランプ氏圧勝ならネガティブ、クルーズ氏善戦ならポジティブな受け止め方です。民主党ではクリントン氏圧勝なら市場にはポジティブな反応です。


【NY証券取引所中継】米株上昇のカギは?NY2.JPG
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏
相場を引っ張るのはアップルの株価です。アップルは指数全体への影響が大きいものの、先週までの動きはさえませんでした。ダウが年初来安値を更新した2月11日から昨日までの上昇率は、3.4%で構成銘柄30銘柄の中で下から6番目です。
《ダウ 主な銘柄の上昇率(2月11日~29日)》
IBM    13.5%
JPモルガン 10.4   
ユナイテッドヘルス   9.6
ベライゾン   3.4
アップル    3.4
ファイザー   3,2
アップルが本格的な反発局面に入れるかどうかが、相場全体が上値を試せるかどうかのカギを握っています。まずは3月21日に予定されている新製品の発表イベントです。4インチモニターの小型アイフォンやアイパッドプロの新型モデルが発表されると噂されています。過去を振り返るとイベントの1ヶ月程度前から株価が上昇するケースが多く、今回も同じパターンが期待されます。さらに4月の決算発表というもう一つのイベントがあります。過去3年連続で4月の決算発表時に自社株買いをの増額や増配をしています。先週末にクックCEOが株主総会で増配の意向を示したほか、大型社債発行をすでに行っている流れからも今回も株主還元の拡充を発表する可能性は高いと思います。これらのイベントがサポート材料となり、アップルの株価を押し上げ相場全体に好影響が及ぶと期待しています。


【為替見通し】注目ポイントは「米地区連銀経済報告」為替1.JPG
解説はFPG証券の深谷幸司氏
113.30~114.90
2月は総じて市場心理の支えとなるアメリカの景気に対する信任が崩れリスク回避が蔓延、円高が進む展開でした。このところアメリカで良い指標が散見され、市場心理がやや好転し米国株は底打ちの兆しを見せています。市場に加え当局による景気の見方で米国経済の信任がさらに高まるかがポイントです。中国経済や政策への不信感は根強いものの、原油価格が底堅くなり金融株が底堅くなり信用スプレッドが縮小、いくつかのリスク要因が緩和しています。そこにアメリカ経済に対
する信認が回復すれば、米国株の長期上昇が明確になり、投機的な為替2.JPG円買いが沈静化しドル円相場の底打ちが一段と明確になると思われます。
トランプ氏が大勝すると市場に政策不透明感が台頭しリスク回避が強まる可能性があります。この場合は円高圧力が再び高まると見られ留意が必要です。







【日本株見通し】注目ポイントは「相場の動意付き」株価見通し.JPG
解説は楽天証券経済研究所の土信田雅之氏
16250~16550
一目均衡表の考え方に「相場の閉めを示す」とされる日数の時間軸というのがあるんですが、昨年6月の高値を起点として合わせてみますと、天井、下げ止まり、もしくは下げが加速するポイントなど一致している箇所が多いです。次に注目される時間軸は172営業日目で来週です。ちょうどアメリカの雇用統計と中国全人代のたいみんぐですので、相場に新たな方向感が出てくる可能性があります。





【世界の株価】1日の終値
総合指標.jpg













■【プロの眼】欧州金融システム不安 夏に再燃?CDSスプレッド.JPG
Q--欧州金融システム不安の現状は?
年明けのマーケットの波乱要因となったヨーロッパの金融機関の信用問題。市場の混乱はおさまりつつありますが、今後もこのようなリスクは再燃する可能性があると言います。解説はBNPパリバ銀行、中空麻奈氏。
1月の中旬ごろから急激にCDSスプレッドが悪化しています。今、第1四半期と第2四半期でまた欧州の金融機関にストレステストをかけていますが、8~9月にその結果が発表になります。昨日、大手の金融機関の決算が出てとても悪い。マイナス金利で低成長で規制も厳しくなっていて、収益が上がる環境にはないです。
Q--スプレッドが上がってしまった背景は?
《欧州金融システム不安 3つの要因》
1. 中東・中国向け貸し出し
この貸し出しがベースにあり、そこにオイルショックが重なり、引当金を積むと資本不足に陥るという懸念がある。
2. 不良債権処理への懸念
イタリアの不良債権処理のスキームを発表したんですが、それでは不十分だという懸念がある。おそらく銀行が自発的に痛みを伴ってやるのは難しいのではないか。さらに収益が悪化している中で、全体的に不良債権が増えるのではないか。
3. ドイツ銀 AT1債利払い懸念
AT1は債権の金利を支払わなければデフォルトになる。支払いは発行体の自由で、それを認識していれば、ここまで問題にならかった。
ECBにはセーフティネットができているから安全ではあるけれども、3月にECBがマイナス金利を拡大すると、もっと収益環境が悪化する可能性がある。


■BNPパリバ証券 中空麻奈氏

・ アメリカの製造業リセッション
日本、中国と同様に、アメリカも構造的な問題であり、製造業のテコ入れをもう少ししないといけない。サービス業のほうにもっとシフトして構造改革すべきです。ですから今日の指標は、改善はしてきているけど、金利は上げなくてもよいという程度なので、ちょうどいい感じです。

・人民元切り下げ
今のまま経済が低水準で上海株が急落した場合、9月にまた中国の議長国でG20が行われるので、それまでに人民元切り下げを決断すると思う。

・経済視点『世界のリスクを抑え込めるか?協調政策』


■今日の予定
2月マネタリーベース
衆院予算委集中審議「外交・国民生活」
英10-12月期GDP
米地区連銀経済報告
米2月ADP雇用報告


■ニュース


米製造業景気指数 予想上回る
アメリカの製造業に改善の兆しと言えるのでしょうか。1日発表された2月のISM製造業景気指数は前の月から1.3ポイント上昇し、市場予想を上回りました。拡大と縮小の境目、「50」を5ヵ月連続で下回りましたが、主要項目の「生産」や「新規受注」の改善が続いていることから、市場では「製造業の景況感に持ち直しの動きが見えてきた」との見方が広がっています。一方、金融情報を手掛けるマークイットが発表した2月のアメリカの製造業PMI=購買担当者景気指数の改定値は51.3で、前の月から1.1ポイント下落しました。
《2月ISM製造業景気指数(前月比)》
  49.5(+1.3)  5ヶ月連続で50割れ
   生産   53.8(+2.6)
   新規受注 51.5(変わらず)
《2月製造業PMI改定値(前月比)》
  51.3(-1.1)  


米2月新車販売 1,754万台 00年以来↑
アメリカの2月の新車販売台数は年率換算で1,754万台と2000年以来の高い水準を記録しました。アメリカ勢はGM=ゼネラルモーターズが収益元の構造改革を目指し法人向けの販売を抑えたことを受け1.5%のマイナスとなりましたが、フォードとFCA・USは二桁の大幅な伸び率となりました。フォードはSUVの販売が2月としては過去最高、FCA・USはジープやピックアップトラックが好調で71ヵ月連続で販売台数が前年比を上回っています。日本勢はトヨタが4.1%のプラス。主力のSUV=RAV4や中型のピックアップトラックタコマが好調でした。ホンダと日産は2ケタ増で2月の販売記録を更新しました。


ロンドン証取 2社が買収検討
ニューヨーク証券取引所などを傘下に持つ、アメリカのインターコンチネンタル取引所など2社が、ロンドン証券取引所の買収を検討していることが1日、分かりました。もう1社はシカゴマーカンタイル取引所などを運営するCMEグループです。ロンドン証取をめぐっては、すでにドイツ取引所が買収を提案し、合併に向けて協議中です。


米スーパーチューズデー 投票始まる
アメリカ大統領選挙の候補者争いは、最大決戦といわれる「スーパーチューズデー」を迎えました。1日には、13の州で予備選や党員集会が開かれます。クリントン、トランプ氏はこちら、次の予備選が行われるフロリダ州に入り、選挙の結果を受けて勝利宣言を行う予定です。こちらの2ヵ所からそれぞれ中継で最新情報を伝えてもらいます。
《共和党支持率》
トランプ氏 49% ルビオ氏 16% クルーズ氏 15%
《世論調査(リアルクリアポリティクスまとめ》
クリントン氏 46.5% トランプ氏 43.5%


過去最大の予算案成立へ
一般会計の総額が過去最高の96兆7,218億円に上る来年度予算案がきのう衆議院を通過し、参議院に送られました。予算案は、憲法の規定により年度内の成立が確実となりました。来年度予算案では、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」関連の政策におよそ2兆4千億円を用意し、幼児教育の無償化の拡大や特別養護老人ホームの増設を図ることを柱としています。予算案は、きょうから参議院の審議に入りますが、憲法の規定により、年度内の成立が確定しました。こうした中、安倍総理大臣はことし5月の伊勢志摩サミットを前に世界経済や金融情勢について国内外の有識者から意見を聞くための会合を開催すると表明しました。


宇宙ごみ除去ベンチャーを支援
官民ファンドの産業革新機構は人工衛星の破片など「宇宙ごみ」の除去を目指すベンチャー「アストロスケール」に、最大およそ34億円を出資すると発表しました。アストロ社は国内の中小企業などと組んで人工衛星を製造し、2018年中に打ち上げ宇宙ごみを除去するとしています。

中国製造業PMI 4年3ヵ月ぶり低水準
中国の国家統計局が1日発表した2月の製造業PMI=購買担当者景気指数は49.0と、前の月より0.4ポイント悪化し、4年3ヵ月ぶりの低い水準となりました。また好況不況の節目である50を7ヵ月連続で下回りました。統計局は、「生産活動が鈍っており、企業の原材料購入量の減少が続いている」と指摘しました。また雇用の下支えとして政府が期待するサービス業については、節目の50を上回ったものの2ヵ月連続で悪化しました。中国人民銀行は1日に追加の金融緩和を実施しましたが、当局は今後も公共投資の拡大や減税を急ぐ見通しです。

認知症事故「家族に責任ない」
認知症の男性が徘徊中に電車にはねられ死亡した事故をめぐり、家族が、鉄道会社への賠償責任を負うかどうかが争われた裁判で最高裁は、家族には賠償責任がないとする判決を言い渡しました。男性は要介護4の認知症で、当時85歳の妻が自宅で介護をしていましたが、妻がうたた寝中に外出し列車事故を起こしました。最高裁は「配偶者が必ず監督義務を負うわけではない」とした上で、「介護の実態などを考慮して判断すべき」とし、今回は家族に賠償責任はないとしました。

セクハラ 働く女性の28.7%が経験
セクシュアルハラスメントいわゆる「セクハラ」について厚生労働省が初めて行った実態調査で、働く女性の28.7%がセクハラの経験があると回答したことが分かりました。そのうち最も多かったのは「容姿や年齢、身体的特徴について話題にされた」で53.9%を占めました。ただ、セクハラを受けた後の対応としてはおよそ64%の女性が「我慢した」と答えています。


■【ネタのたね】日本科学未来館「GAME ON」
各時代を象徴するさまざまな名作ゲームを体験できる企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」が、3月2日から5月30日に日本科学未来館で開催されます。130タイトル以上のゲームを遊べるだけでなく、ゲームの歴史を振り返り、社会的・文化的な意味を捉え直せるような内容となっています。


■日経超特急

①楽天・ヤマトがドローン宅配の事業化検討
4月にも千葉市で実証実験を行い、2020年の事業化を目指します。既にアメリカではアマゾンなどが商品の配達実験に着手しています。日本でも配送事業へのドローンの活用が広がれば、迅速で正確な配達が見込めます。


②設備投資の下押し圧力が強まってきました。財務省が昨日発表した去年10~12月期の法人企業統計によると、企業の設備投資は前期比で横ばいにとどまりました。潤沢な内部留保を元に投資や賃上げの余力はありますが、先行きの景気に対する不安から投資を見送りする懸念が強まっています。


③上場企業の有価証券売却益の計上が急増しています。去年4月~12月期は1兆700億円と1年前の2.8倍に膨らみました。企業収益の伸びが鈍る中、本業に関連の薄いグループ会社の株を手放して、選択と集中を加速しています。反面、減損など想定外の損失を抱え穴埋めに株売却を急ぐ例も目立ちます。


■日刊モーサテジャーナル

①クリントン氏とトランプ氏の一騎打ちになる
NYT「民主党はトランプと戦う準備を進める。民主党陣営では楽勝ムードの引き締めを図り、トランプ氏を甘く見ていた共和党候補者を教訓にする。」
WSJ「2人ともTPPなど自由貿易に否定的で、景気後退リスクが高まるかもしれない。過去20年間の世界の貿易量と世界経済は連動している。世界経済の回復には貿易の復活が欠かせないのに、政治の分野では逆に保護貿易の動きが出ている。とりわけトランプ氏は日本や中国に対して45%の関税をかける政策を支持しており、世界経済への新たなリスクと認識するべきだ。」

②USA_TODAY「ニューヨーク裁判所はアップルの味方。麻薬密売人が使っていたiPhoneのロック解除をめぐって、ニューヨーク州の連邦地裁は司法省の解除要求を退ける初の判断を示しました。注目の集まるテロリストのiPhoneのロック解除をめぐる決定にも影響が出そうだ。」
WSJ「個人情報の保護か安全か、アップルと米政府の争いに一石を投じるかもしれない。」
一方1日iPhoneのロック解除をめぐってアメリカの議会下院はアップルの幹部とFBI長官を呼んで公聴会を開きました。


③欧米の新聞は、債務支払いをめぐってアルゼンチン政府とアメリカのファンドが和解し事を大きく報道。債務不履行から15年ぶりにアルゼンチンが金融市場の復帰に向けて前進した、と伝えています。
FT「アルゼンチンのマクリ大統領が去年12月に当選して以来、ファンドとの対立姿勢を軟化させて成果を出した。」
WSJ「長い間経済低迷に苦しむアルゼンチンにとって大きな一歩。新しい政権の方針転換が投資家の間でも好感されていて、世界的な株安が続く中、アルゼンチンの株価は年初来で12%上昇している。」