■マーケット
ECB 大規模な追加緩和
ECB=欧州中央銀行は10日、量的緩和やマイナス金利の拡大を発表しました。ユーロ圏などの国債や国際機関の債券の買い入れ規模を月間600億ユーロから800億ユーロ(約10兆円)に拡大し、新たな買い入れ対象に投資適格級の非金融機関発行の社債を加えました。さらにECBが金融機関に資金を貸し出す際の政策金利を0.05%から0%に、金融機関がECBに預け入れる資金に対する金利をマイナス0.3%からマイナス0.4%に引き下げました。また、6月から企業などへの貸出しが多い金融機関に対しては新しい資金供給オペレーション(TLTRO)を行うことも決めました。ECBのドラギ総裁は今回の追加緩和を決めた要因を「新興国経済の低成長や不安定な金融市場、構造改革の実行ペースの遅れにより、ユーロ圏の経済回復は引き続き阻害されているため」としています。
《まとめ》
・債券の買入規模 800億ユーロ(約10兆円)に拡大
・買入対象に投資適格級の非金融機関発行の社債を加えた
・政策金利 0.05%から0%
・預金金利 -0.3%から-0.4%に引き下げ
・6月から新しい長期資金供給オペレーション(TLTRO)を行う
米クリントン氏を悩ませるのは…
米大統領選の民主党の指名争いで優勢のクリントン氏ですが、懸念材料があります。それは「予備選挙の投票率の低さ」です。6日までに行われた予備選挙における有権者に対する投票割合は共和党の17.3%に対し、民主党は11.7%と低いです。その原因はクリントン氏もサンダース氏もベテランで新鮮味がなく、最終的にはクリントン氏が勝つだろうと見込まれていることも関心が高まらない理由です。共和党は混戦の上、トランプ氏の登場により選挙に関心のなかった人々の票が掘り起こされ、メディアの注目も集めています。
《予備選投票率》2008年 2016年
・ 共和党 11.0% → 17.3%
・ 民主党 19.5% → 11.7%
このままでは国民の関心は民主党よりも共和党の候補者選びに移り、その勢いで共和党候補が本選でも勝つという可能性があります。クリントン氏は予備選挙に勝つだけでなく、本選を見据えて潜在的な民主党支持票の掘り起こしをする必要があります。
中継担当:ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナル 雨宮愛知氏
■みずほ総研チーフエコノミスト/高田創(はじめ)氏
・ 2020年までに水素ステーションは普及するか
そんなに簡単ではない。ただ東京オリンピックで「東京」を展示場にして、それを起爆剤にして進めていこうという動きがある。実験場としての条件は、価格が安くなること、水素ステーションの利便性です。それを東京に集中させて、その良さを国内外に見せることです。
・ECB政策
考えられるところを全部出してきたという感じです。量的な部分では我々の予想(700億)を上回る(800億ユーロ)ものでした。日本も含めてマイナス金利競争、通貨戦争の様相になってきている。各国がこれをやり出すと結局効かなくなってしまう。今回は1月にアナウンスしているのでやらざるを得なかったですが、そろそろ限界ですので今後は制約が出てきたと思います。
14日(月)~15日(火) 日銀金融政策決定会合
17日(木)~18日(金) FOMC(連邦公開市場委員会)
日本は様子見で効果を見極める段階だと思いますし、アメリカは利上げに踏み切だしにくい。どちらも動きづらい状況です。
・ 復興「持続可能性」はあるか
単に「復旧」でなく「復興」するためには、持続性・将来性のある事業どう育てるか。地元の資源を生かしてブランド作りをするとか、単に作るだけではなく販売方法を工夫するとか、一連のものがないとなかなか人が集まってこない。地域のブランドを作るには、地域のものを地元だけでなく東京その周辺に理解してもらう努力、マーケティングを地道にやる必要があります。「復旧」から「復興」への新たなステージのためには、地元企業が結集する必要がると思います。
■震災5年必ず立ち上がる(2)工場はできた 人がいない
宮城県気仙沼市は日本有数の水産加工基地。震災で壊滅的な被害を受けながらも、工場の再建が進む。続々と新工場の竣工が続く中、地域からの人の流出が人手不足を引き起こし、工場は建ったが働き手がいないという状況が起きている。何より求められるのは「人の復興」なのだ。こうした中、南三陸町では全国から正社員として移住する若者が出始めている。彼ら彼女らと南三陸をつなぐのは「南三陸あいターン」という人材派遣サイト。南三陸で働く人を全国から募集し、派遣社員として町内の企業に派遣する。これまでに20代を中心に126人が参加、20人が南三陸への移住を決めた。秘訣は「最低3ヵ月」という派遣期間。シェアハウスに住み、地元の人と交流しながら、無理なく南三陸へとなじめる仕組みが若い人材を呼び込んでいる。「南三陸あいターン」を運営するガイアサインの佐藤氏は「住んでいる地域をいかに自分事として感じられるかが大事だ」と語る。
取材先
・ガイアサイン
・ミヤカン
・行場商店
・気仙沼鹿折加工共同組合
■ニュース
“初乗り”短い距離を安く!?
国土交通省は、タクシーの初乗り運賃を引き下げようと動き始めました。現在、東京の初乗り運賃は「2キロで730円」が水準となっていますが、「880メートルで370円」にする案や、「1.16キロメートルで460円」とする案などが検討されています。初乗りの距離を短くし、運賃を安くすることで、タクシー利用のハードルを下げて、訪日外国人客や高齢者の利用拡大につなげたい考えです。国交省は、今年の夏にも東京で実証実験を行う予定で、今後、実験に参加するタクシー業者を募る方針です。
ホンダ 燃料電池車を発売
ホンダは新型燃料電池車「クラリティ フューエル セル」を発売しました。これまで座席の下に置いていた燃料電池スタックを小型化。これにより定員を5人に増やせ、さらに水素タンク内容量も増やせたことで走行距離を750kmに伸ばしました。価格は766万円。今後1年間で200台のリース販売を目指します。京都市はトヨタの燃料電池自動車「ミライ」を3月31日まで市民に無料で貸し出しています。1日に2組が利用できますが、応募が殺到し、現在30組がキャンセル待ちの状態です。市は利用者にアンケートし、車の感想だけでなく水素ステーションの設置場所などを把握し行政に生かしたい考えです。水素ステーションの拡大のため、岩谷産業は先月、セブン-イレブン併設型の水素ステーションをオープンさせました。液化水素をタンクに貯蔵し、気化させてから燃料電池車に供給します。今後3年で同様店舗を10~20に増やす計画です。
高浜3号機 仮処分で運転停止
高浜原発3号機と4号機の運転差し止めの仮処分決定を受け、関西電力はきょう、稼働していた3号機の原子炉を止める作業に入り、午後8時前、原子炉が停止しました。稼働中の原発が司法の判断で止まるのは初めてです。全国で運転可能な原発は、当面、九州電力の川内原発2基だけとなります。
安倍総理会見 今後5年を「復興創生期間」に
東日本大震災からあすで5年を迎えるのを前に安倍総理大臣はきょう会見を行い、被災地の自立支援に全力を挙げる考えを示しました。この中で、安倍総理は一部区間の不通が続くJR常磐線について、「2019年度中の全線開通を目指す」と述べたほか、去年全線で開通した常磐自動車道については混雑解消のための整備を行う考えを示しました。また、安倍総理は今年を「東北観光復興元年」と位置付け、2020年までに東北への外国人観光客を現在の3倍にあたる150万人に増やすとの目標を掲げました。
政府と沖縄県 辺野古協議を月内に開始
菅官房長官はきょう、沖縄県の安慶田副知事と総理官邸で会談し、アメリカ軍普天間飛行場の辺野古への移設をめぐる訴訟の和解に基づく協議を今月中に始めることで合意しました。辺野古移設問題について国と県が協議を行うのは去年夏に行われた集中協議以来になります。ただ、移設をめぐっては双方の主張の隔たりが大きいため、協議は難航が予想されます。
ソニーグループ初 介護付き有料老人ホーム
介護事業を手掛けるソニー・ライフケアグループは、ソニーグループ初となる介護付有料老人ホーム「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」をきょう報道陣に公開しました。介護を担当するケアマネージャーの他に入居者一人一人に合わせた生活スタイルを提案するライフマネージャーという職員を配置し、質の高いサービスを提供したい考えです。定員は48名で月額およそ50万円、介護施設のニーズが高い世田谷区を皮切りに、来年度にはさいたま市での開業を検討中です。
民主・維新が新党名を協議
今月中の新党結成を目指す民主党と維新の党は、今夜新しい党名について協議し、両党の案を今週末に世論調査にかけることで一致しました。新党名については、民主党が「立憲民主党」を維新の党が「民進党」をそれぞれ提案しています。両党は、世論調査の結果をふまえ今月14日に新党名を正式に決める方針です。
被災地企業の意識に変化も… 東北3件の物産展
東北3県の特産品が集まる物産展が開かれました。震災から5年、出展する被災地企業の意識も少しずつ変わってきていました。東京・新宿の百貨店できょうから始まった物産展には、岩手・宮城・福島の3県から45社が出展。岩手県の「短角牛」や、宮城県の「ほや」など、東北の特産品が並び、大勢の客でにぎわっていました。震災から5年となる今、被災地の企業では、これまでとは違う商品の売り出し方が求められているといいます。パン工房 MANAでは、福島県産の菊芋を使ったパンを販売するなど個性的な商品で差別化を図っています。
■【復興トレたま】未来の救助犬
【商品名】 サイバー救助犬
【商品の特徴】救助用ロボットのカメラとGPSセンサーなどを救助犬に着せるサイバー救助犬
【企業名】 東北大学未来科学技術共同研究センター
【住所】 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
【発売日】 実証実験中 数年後の実用化を目指す
【トレたまキャスター】相内優香