■マーケット
三井物産 創業以来初の赤字
三井物産は2016年3月期の最終損益の予想を2,600億円下方修正し、700億円の赤字になると発表しました。1947年の創業以来初の最終赤字となる見通しです。資源価格が低迷し、チリの銅事業やオーストラリアでの液化天然ガス事業で減損損失を計上することが要因です。三井物産は資源価格の持ち直しに3年から5年ほどかかると見込んでいて、今後、医療や食糧分野への投資を増やして立て直しを図る方針です。
■ニュース特集 列島縦断!ニッポン興隆
“空港大改革”現場に密着!
LCC・格安航空機の積極誘致が功を奏し空前の盛り上がりを見せる関西国際空港。しかしその裏では開港時から続く巨額の借金を抱えています。そこで事業再生のプロ集団・オリックスとフランスの空港運営会社ヴァンシがタッグを組み関空の運営を取得し空港改革に乗り出す。事業再生のカギは非航空系収入のアップ。世界の並み居る空港が非航空系収入割合が50%を超えるなか、関空は30%台と出遅れています。オリックスの担当者は関空内での簡易ホテル建設を検討、さらに免税店など商業施設のデザインチェンジも目指しています。フランス・ヴァンシのノウハウも活用しながら、今後は新規路線の開拓にも積極的に取り組んでいく方針です。
取材先 ・関西エアポート株式会社 ・京都水族館
オリックスは京都水族館やグランフロント大阪など商業施設の開発やホテルの再生なども手掛けるプロ集団です。そのオリックスが今回関空の改革に乗り出すことになった。さまざまな事業の再生を手がけてきたオリックスだが、空港運営は今回が初めてです。来年度には関空第3ターミナルが運用開始されます。関西国際空港は増え続けるLCC事業を背景に今後第4ターミナルの増設も予定しています。しかし海を埋め立てて作ったため莫大な建設費用がかかり、開港から20年以上経った今でも約9000億円の借金を抱えています。そんな関西国際空港をどう改革するのか。
《オリックスコンセッション事業推進部・伊地田英夫》(関空改革のキーマン)
「客の利便性向上ということは、客が買い物をするということ。そこで収益が上がるとみてます。」と意外な言葉が出た。
実はオリックスにはある秘策がありました。それが関空を運営する新会社のパートナーに選んだフランス企業・ヴァンシ・エアポート。世界25の空港運営を手がけるプロ企業です。
《ヴァンシエアポート・ニコラノートバールCEO》
「これまでヴァンシは航空会社と緊密な関係を築いてきた。新たな航空ネットワークの構築にも貢献ができる」とコメント。
オリックスとヴァンシエアポートの経営陣が初めて顔を揃える会議。2社が関空の持つ借金を含め、買い取った運営権の額は2兆2000億円に上ります。この日の議題は関空の収益構造をどう改善させていくか。
実は成田をはじめ世界の名だたる空港は免税店や飲食店など飛行機の発着料以外の非航空系収入割合が全体の50%を超えています。しかし関空は爆買い需要で伸びても30%台、その上発着料が安いLCCの利用が多いため非航空系収入を早急に引き上げなければ、利益を出すどころか、借金を返せなくなるのです。
《非航空系収入割合》仁川(韓国)64%、チャンギ(シンガポール)63%、成田54%、関空38%
《ヴァンシ出身 関西エアポート/エマヌエル・ムノント副社長》
「これまでと違う方法を取り入れれば関空はもっと収益を上げられる。エアロプラザのイメージを完全に変えなければならない。」
エアロプラザはメイン第1ターミナルから関空駅をはさんで真逆にある商業施設です。開業当初は百貨店も入居しにぎわっていましたが、今は入居する店舗が激減、人もまばらでまさに負の遺産と化しています。伊地田さんはエアロプラザ内に簡易型ホテルの設置を検討しています。毎日300近い宿泊を見込めるため大きな収入源になります。さらに現在案内板には4時間先の搭乗ゲートまで表示されており、この日本式親切心があだとなり儲けのチャンスを逃しているといいます。ヴァンシによると出国審査のあと案内モニターに早めに搭乗ゲートを表示すると急いでそこへ向かい、逆に表示されていないと搭乗まで空港内でショッピングする傾向になるといいます。
さらに店舗のレイアウトの問題もヴァンシから指摘されています。プノンペン国際空港はカンボジア政府から委託されヴァンシが20年前から運営、年間空港利用者は1995年の17万人から2015年には300万人を突破するまでに成長させた。出国手続きを終えた後、免税店エリアなどを通らなければゲートへ行くことはできない。これはウォークスルーと呼ばれる仕組みで、いま欧米の空港で導入が進む最新のレイアウトです。商品を見やすいように通路はあえて狭くします。また伝統工芸品の実演販売などでヴァンシはカンボジアの伝統文化の進行も支援しています。地域経済への貢献と空港のイメージ向上を両立させるためです。関西エアポートの山谷佳之社長はヴァンシのノウハウも活用しながら空港改革をしていこうとしています。
関空-カンボジアの直行便の開設計画も検討しています。今後、関空は路線誘致のノウハウを持つヴァンシの力を借りて積極的に新規路線の開拓を進めようとしている。24時間空港のため発着枠に余裕があるのが強みです。
■■クレディ・スイス証券チーフ・マーケット・ストラテジスト/市川眞一氏
・新宿再開発、ニュウマン完成
--南口はずっと工事中でまるでスペインのサグラダファミリアみたいと思っていたんですが、やっと完成です。
南口に大型商業施設ができたのは、40年前の1976年3月に開業したルミネです。そのあと小田急系のミロードができ、ルミネⅡができて、高島屋ができて、そして今回ニュウマンができた。ただ新宿の場合はどうしても東口で伊勢丹・三越が商業の中心だという風に見られてきましたが、ここに来て南口が急速に台頭してきている。
--新宿は駅の出口によって顔が違う街ですから、都市間競争も厳しいですが新宿内の競争も厳しくなりそうです。
もともとの商業地域であった東口、それから今回の南口、さらに山の手線を4駅北に池袋、3駅南にいま再開発中の渋谷があります。そういう意味では再開発をしなければ戦わずして負けてしまう。でも再開発すれば少子高齢化で需要が落ちていくリスクというものに対して、大型の投資でどう利益を上げていくか、とう問題を抱えている。そういう意味では非常に華やかな中に極めて熾烈な戦いがあるという印象です。
・関空の飛躍
最近はアメリカの空港でも商業施設の拡充に目を引かれます。ロンドンのヒースローやシンガポールのチャンギのように空港は空港だけではないという流れになってきてますので、そういう意味では関空の取り組みは注目されます。
--関西圏の空港の課題は何でしょうか。
関空があり、国際線が飛んでいない伊丹国際空港があって、これは一体で運用しています。さらに神戸空港があって、ここも国内路線だけですが実体としては需要が低迷をしている。空港をどうすみ分けていくのか、あるいは集約していくのか。それは関西だけの問題ではなく、例えば昨年の実績でいえば、日本でチャーター便も含めて国際旅客便を就航した空港は50あります。これまでは政治主導で地域活性化のために港や空港を作ってきましたが、そろそろインフラの集約化によって集中化してどう強みを発揮していくかを考える時期に来ている。地域的な特性を生かしてハブを造っていくということです。
・エコカーの未来
1975年に日本の自動車輸出は268万台でしたが、85年に673万台つまり10年で2.5倍になってピークをつけています。
その背景はアメリカで実質施工が廃止されてしまったマスキン法という非常に厳しい環境規制を78年に敷いたことによって日本車の燃費が爆発的に改善をして、それが第2次石油危機で石油価格が上がった時に大きく世界に日本車の需要を高める要因になった。そういう意味ではZEV規制というのは日本車にとっては危機でありチャンスでもあります。当面はハイブリッドと電気自動車での構成だと思いますが、長期的には燃料電池車に自動車会社の戦略がかかっています。
■ニュース
新宿で新たなデパート競争
JR新宿駅南口で行われている再開発事業。17年前に始まったんですがもうすぐ完成を迎えます。世界有数の利用客数を誇る新宿駅の人の流れが大きく変わると予想されまして、その流れを引き寄せようと周辺のデパートでは既に競争が始まっていました。
1日に約150万人以上が利用するJR新宿駅。その南口が再開発により大きく変貌しています。1999年に始まったこの再開発事業。甲州街道を挟んだ駅の向かい側の線路の上に人工の地盤が造られ、その上に今回オープンする商業施設と高速バスターミナルが建設されました。JRの路線を覆うように造られた「人工地盤」は、もともとは橋の架け替え工事の資材置き場でしたが、駅ビルの土台として再活用しました。ここに完成する高速バスターミナル「バスタ新宿」には、駅の西口周辺に点在する高速バス発着所のほぼ全てが集められます。1日最大で1600便、約5万人が利用する日本最大の高速バスターミナルの誕生です。
《国土交通省東京国道事務所事業対策官/鹿島秀昭さん》
「東京は利用できる空間が狭い中で開発しなければならないので、線路上空の空間を活用した。高速バスターミナル「バスタ新宿」は国内はもとより海外の旅行者にとっても移動拠点になる。」
そして再開発事業の象徴が32階建ての「JR新宿ミライナタワー」。IT企業LINEなどが入居する予定で最大約7000人がこのビルで働けます。その核となるテナントが「ルミネ」の新業態「NEWoMan(ニュウマン)」です。30代から40代の“オトナ”の女性がターゲットです。ニュウマンが目指す客単価は約3万円とルミネ約2万円よりも高く設定し、初年度売上約200億円を目指しています。また高級ブランドのシャネルが、ルミネ系列として初めて出店します。
隣接する髙島屋も追随し、売り上げ増加を狙います。働く女性を狙ってデパ地下を改装し、売上10%増を目指します。これまで店舗ごとに置いていた惣菜や弁当を1店舗に集約し、手軽に素早く選べるようにしました。婦人服売り場もリニューアル。女性管理職をターゲットにしたブランド「エポカ」では、仕事で使えるジャケットやスカートなどの品ぞろえを増やしています。
NY自動車ショー開幕
アメリカの三大自動車ショーのひとつ、ニューヨーク国際自動車ショーが開幕しました。トヨタはプリウスのプラグインハイブリッドモデル「プリウス プライム」を世界初公開。またアメリカで好調が続く富士重工業も、世界戦略車「新型インプレッサ」を公開しました。アメリカでの販売は好調ながら、課題もあります。「Zero Emission Vehicle ゼロエミッションビークル規制」が2018年モデルからスバルも対象となるのです。仮に70万台を売ったとすると、プラグインハイブリッド車を1万5,000台販売する義務が生じ、できない場合は罰金などが課せられます。
頭文字を取ってZEV規制と呼ばれる環境規制のことで、自動車メーカーは販売台数に応じて電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)つまり排気ガス0の車の販売比率を上げなくていけないというう規制です。2018年モデルからさらに厳しくなります。いままではトヨタやGMなど大規模な自動車メーカーだけが規制対象になっていたんですが、これからはスバルなど中堅メーカーも対象になってくる。ただ大手と違って充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)も認められる方向です。今はスバルは好調ですが、仮に2018年にアメリカでスバルが70万台の新車を売ることになると、年間1万5千台のプラグインハイブリッド車を販売する義務が課せられます。現行のZEV規制は10州で導入されていますが、スバルの販売が多い北東部の州が多いのも心配ごとの一つです。
《富士重工業/吉永泰之社長》
--特徴は・・・
--アメリカ戦略での位置づけは・・・
今回のインプレッサからアメリカ現地生産を始めます。いままでレガシー、アウトバックはアメリカで生産していましたが、今アメリカで年間20万台作っていますが、約倍の40万台にする。工場を拡張して今年の年末位には生産を開始したい。
--為替の変動について
現地生産は、為替の影響というより現地のニーズに応えるためです。円高については現在の110円~112円位はリーズナブルなところだと思います。
--環境規制について
新型インプレッサは電動車やプラグインハイブリッドにも対応できるプラットフォームを使っていて、着々と来たる時代に備えて準備を進めています。
--資本関係のあるトヨタハイブリッドシステムを使うという噂もありますが・・・
トヨタから様々な環境対応の技術を教わっていますのでその方向で進めます。
ベルギーテロ 日本人「意識不明の重体」
ベルギーの首都・ブリュッセルで22日に起きた連続テロ事件で、現地の病院は、日本人の男性一人が意識不明の重体であることを発表しました。男性は、日本の生命保険協会からベルギーの国際組織に出向中の30代の職員と見られています。この男性は、軽傷を負った別の日本人男性とともに、地下鉄の駅で爆発に巻き込まれたということです。一方、ベルギーの検察当局は会見で、テロの実行犯は合わせて4人、うち1人が逃走中であることを明らかにしました。現地の日本企業も対応に追われています。全日空は、成田-ブリュッセル便を月末まで運休。4月以降の対応は、今後の状況を見て判断するとしています。トヨタ自動車も、社員のベルギー渡航を禁止しました。ベルギーには日系企業がおよそ220社進出しており、渡航禁止が長引けば、ヨーロッパでの各社の事業展開に影響が出る可能性もあります。
景気判断5ヵ月ぶり下方修正
政府は3月の月例経済報告を発表し、景気の基調判断について「このところ弱さもみられる」として、去年10月以来、5ヵ月ぶりに下方修正しました。個人消費が弱含んでいるほか、海外経済の減速を背景として、企業収益にも弱さが目立ち始めたことが要因です。石原経済再生担当大臣は会見で、「緩やかな回復基調が続いているという認識は変わっていない」と強調しました。
同一労働同一賃金巡り初協議
政府は正社員と非正規社員の賃金の格差を是正する「同一労働同一賃金」の実現に向けた検討会の初会合を開き、法改正を見据えて議論することを確認しました。政府は検討会での意見を5月に取りまとめる1億総活躍プランに反映させる考えです。検討会は今後、雇用形態の違いによる不合理な格差がどういったものなのかも話し合い、ガイドラインを年内に取りまとめる方針です。
auは宇宙!携帯競争新局面
auは23日、月面探査の国際コンテストに参加する日本のチーム「ハクト」に、通信技術で協力すると発表しました。世界11ヵ国、16の民間チームが参加する月面探査レース。探査ロボットを月面に着陸させた後、500メートル以上走らせ、高解像度の動画などを地球に送る技術を競うというものです。auは、唯一の日本チーム「HAKUTO」をサポートします。auは“宇宙”という新たなイメージ戦略で他社との差別化を図ります。
■【THE行列】行列嫌いの”大阪人”も並ぶうどん店
せっかちで行列嫌いの大阪人を相手に20年以上行列を作る店「梅田はがくれ」。大阪にあるさぬきうどん店の草分け的存在で、昼間は常に20人以上の行列ができる。一番人気は、のど越しが自慢の「生じょうゆうどん」。人気の秘密は、店主の接客パフォーマンスにある。薬味の乗せ方からしょうゆのかけ方などをテンポよく指南。そして最後は客の頭をポンとはたく。大阪独特のコミュニケーションとして客は受け入れ店内は笑いにつつまれている。しかし、せっかちな大阪人を並ばせる工夫も忘れていない。16分以上ゆで時間がかかるうどんを営業時間中切らさずゆでつづけ、店の外では行列客から店主の妻が抜群のタイミングで注文をとる。客が店に入った時にはすぐさまうどんが提供される。平均滞在時間は15分。日中3時間あまりの営業時間で200人ほどの客が訪れている。 取材先 ・梅田はがくれ
■【トレたま】呼吸法で眠りをサポート
【商品名】ツーブリーズ
【商品の特徴】ベルトひもの伸び縮みで呼吸を計るウエアラブルとリラックスする呼吸をリズムで教えるアプリ
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【トレたまキャスター】大澤亜季子