■マーケット
マイナス金利“拡大論”に銀行株が動揺
きょう行われた衆院財務金融委員会で、日銀の黒田総裁が2月から導入しているマイナス金利政策の拡大について言及しました。黒田総裁はマイナス0.5%程度まで拡大することについて「理論的には余地がある」と語りました。この発言により、株式市場では銀行の収益悪化が懸念されて、東証1部に上場する9割以上の銀行業の株価が値下がりしました。S&Pはマイナス0.1%の金利政策の下では業務純益が大手銀行で-8%、地方銀行で-15%減少すると試算しています。
中国全人代きょう閉幕
中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会が16日、閉幕しました。全人代終了後の定例となっている李克強首相の会見では中国経済の先行きへの不安に質問が集中しました。李首相は会見で「改革」という言葉を何回も使って構造改革への意欲を示しました。「過剰生産能力の削減」が正式に今年の重点政策となり、石炭と鉄鋼業だけでも180万人がリストラされる見通しです。政府は失業者対策として約1兆7,500億円の予算を用意しています。李首相のもう一つの課題は政権での影響力です。習近平国家主席へ権力の集中が進む中、李首相の頭越しに物事が進むことが多くなり、全人代閉幕式で二人は握手もしませんでした。関係の冷え込みが影響して一体となった意思決定ができなければ構造改革の障害となる可能性もあります。
■大和総研チーフエコノミスト/熊谷亮丸氏
・スティグリッツ教授は消費税増税の延期を提言
前回2014年に増税した時に当初の想定よりもかなり悪影響が大きかった。あの時は上げるべき言ったが、集中点検会合に出席した時の資料を見ると、私のような増税派も反対した人もだいたい14年度の成長率が1.3%くらい押し下げられるという見方は同じでした。現実にはそれよりも下振れした。仮に今回上げるにしても万全の対策を打ったうえであげる必要がある。具体的には耐久消費財、車や家電のエコポイントで需要をかなり先食いしていますから、そこで激変緩和策を打っていく。もしくはレジャーなど不要不急のものに地方創成と絡めてレジャークーポン券を時限性を持って出していく。そういう徹底した下支え策をしたうえでやるということです。しかし今日の会合を見ると先送りの地ならしがだいぶ進んできたという印象があります。
長い目で見るとなかなか改革は進まないが、ただ当面はカンフル剤で支えると見ています。景気循環信号指数といって10個のデータ(小売売上高や生産など)を合成したもので、プロの中国ウォッチャーが今一番注目している指標です。これを使うと政策判断の局面を5つ(加熱・やや過熱・安定・やや低迷・低迷)に分けることができる。下から2番目の"やや低迷"のところがレッドゾーンで、ここに入るとカンフル剤を打って真ん中の"安定"のところに押し戻す。今回も大型の対策を打っていますから、1~2年は小康状態です。ただ向う3~5年を見ると構造問題は解決しないので長い目ではかなり悲観的に見たほうがいいと思います。
--石炭と鉄鋼だけでもリストラ180万人です。
他方で交通網などで毎年34兆円公共投資をやっていきますから、かなり公共投資をやっています。
・“トランプ大統領”の可能性
もう今のイメージは5分5分くらいになっています。ヒラリー氏が相当左に寄っていますから、一騎打ちになった時にトランプ氏が真ん中に寄れば、勝つ可能性がかなり出ると思います。
--真ん中に寄るようなことをする方なんですか。
トランプ氏ははっきりした主張があるというより、ある種の戦略でやっていますから、そこはよる可能性があって、その時の悪いシナリオとしては内向きになって日本たたきが起きたり地政学的リスクが起きるというリスクがあります。
--リアリストと言われていますが、そうなったとき日米関係はどうなりますか。
日米関係は、あまりトランプ氏と付き合いのある人がいないので、まずは情報収集で関係を築くところから始めることだと思います。
■ニュース特集
106センチから見たニッポン
6日(日)に神戸市の商店街で「Buremen」(ブレーメン)というアプリを使ったバリアフリーの情報収集イベントが開かれました。実際に車いすで移動しながら、飲食店などの出入り口の階段の段数から、補助犬が入れるかなど、様々な情報をアプリ上に投稿していくというものです。4月に正式にリリースされ、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに100万件の情報を目指します。開発したのは大阪のベンチャー「ミライロ」。垣内社長は「骨形成不全」という難病に侵され、車いすの生活。その「106センチの視点」から、バリアフリーのコンサルタントとして様々な提言を行っています。障害者・高齢者だけではなく、ベビーカーを利用する親など、移動に不自由さ不安を感じているのは人口の3割にも上るといいます。「バリアフリーはもうかる」と語る若干26歳の車いすの社長の奮闘に密着しました。
取材先 ミライロ・ブラス・西鶴
イスラム系ファッション ユニクロ本格展開
現在アメリカにはイスラム教徒が330万人います。日本のユニクロがイスラム系ファッションをアメリカで初めて本格展開し反響を呼んでいます。
ニューヨークのユニクロ旗艦店が2月から新たなファッション展開を始めました。その商品とはイスラム教の女性を意識したコレクションで、足首まで隠れる長さのスカートや頭にすぽっとはまる形のスカーフなどが店内に並びます。一般向けの商品よりやや割高な価格設定です。
実はこうしたイスラム系ファッションに今注目が集まっています。イタリアの高級ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」が中東地域で販売するためのコレクションを新たに発表。またロンドンでは先月ファッションショーも開かれました。イスラム教徒対象のファッション市場は2019年には2013年と比べて約2倍の55兆円に拡大するという調査もあります(トムソン・ロイター調べ)。しかしアメリカで大手ブランドが本格展開するのはユニクロがはじめてです。2001年の同時多発テロ以降、反イスラムの動きが根強くあるからです。そしてアメリカでは去年イスラム教徒による銃乱射事件が発生し反イスラムの動きが広がっています。しかしユニクロはイスラム教の女性を意識した商品は一般の女性にも受け入れられると見ています。
今回のデザインを担当したのはハナ・タジマさんで、イギリス人と日本人の両親を持ち、18歳の時イスラム教に改宗しました。「イスラム教の女性としてこの時を待っていました。大きな市場なのに大手ブランドはどこも踏み込んでいなかったからです。」
これまでアメリカでほとんど見られなかったイスラム教徒を意識したファッション展開、ユニクロの取り組みは受け入れられるのでしょうか。
■ニュース
アベノミクス “誤算の春闘”
政府はきょう、5月の伊勢志摩サミットに向けて、国内外の有識者と経済について意見交換をする「国際金融経済分析会合」の初会合を開きました。講師に招いたのは、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授です。スティグリッツ教授は、「世界経済は需要不足に陥っている」と指摘。さらに、来年4月に予定している消費税増税の延期を提言しました。会合は、増税先送りの「布石」と指摘する声もあり、増税の延期に向けた動きが加速しています。また、きょう一斉に出された今年の春闘の回答で、自動車や電機大手は基本給を引き上げるベア=ベースアップを3年連続で実施することを決めました一方、大手自動車や大手電機は、去年の実績を下回る回答が相次ぎました。
・ トヨタ 月額1500円(去年4000円)
・ 日 産 月額3000円(去年5000円)
・ ホンダ 月額1100円(去年3400円)
トヨタ「経営環境は潮目が変わったと考えている。熟慮に熟慮を重ねた」
・ 日立製作所・パナソニックなど電気大手5社
月額1500円(去年3000円)(組合要求3000円)
・ すかいらーく ベア月額1900円(去年4300円)
鮮明になった官制春闘の失速、消費が低迷する中、賃上げで景気の押し上げを目指すアベノミクスにとって打撃となりそうです。
名物なき町の新戦略
《取材:大浜キャスター》
東京から気軽に行ける箱根や鎌倉などは、料理もあるし温泉もあるし宿泊もできるし非常に人気の観光地なんですが、一方で栃木市では名物となる料理がないというのが悩みです。その悩みの解決策として新たな取り組みが始まります。
栃木市が4月から観光の目玉として売り出すのが、とちぎ江戸料理です。江戸時代の調理法や食材を再現しました。
・煎り酒・・・日本酒に梅干を入れに詰め、鰹節で風味付けしたもので、江戸時代に醤油の代わりに使われいた。
実は栃木市江戸時代、宿場町として栄え今でも数多くの歴史的建造物が残されています。市では、"小江戸とちぎ"と町をPR。東日本大震災の影響で観光客は減少しましたが、今では回復し年間564万人が訪れています。しかし、ある課題をかかえていました。それは観光客の滞在時間が短いという点です。栃木市の場合、観光ツアーでは周辺地域とのセットプランが多く、通過する町というイメージが強いのが現状です。そこで新たに食の魅力をアピールすることで観光客にお金を落としてもらおうと動きだしたのです。市の呼びかけに17の飲食店が賛同。江戸時代をイメージしたオリジナルメニューを考案しました。
・ どじょうのかば焼き
・ ごぼうもち(山本総本店)等々
栃木市ではこれまでの1人あたりの消費額1,855円を2,300円に引き上げ観光都市とちぎへの成長を目指します。
USJ“やり過ぎ”15周年
開業15周年を迎える東京ディズニーシーと、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン。USJが一足先に新しいアトラクションを公開しました。テーマは“やり過ぎ”です。目玉は100億円かけた「ザ・フライング・ダイナソー」です。俯せの状態で真っ逆さまに落下。高低差は同じタイプの中で世界最大の約38メートル。さらに1キロのターキーや、1人では手が届かなくて買えない巨大自動販売機など、やりすぎな演出が客を楽しませます。USJは、おととし「ハリーポッター」のアトラクションをオープンさせるなど、積極的な投資で集客し、5年連続で入場者数を伸ばしています。そんななか、去年USJはアメリカのケーブルテレビ大手、コムキャストに買収されました。今後の投資への影響について、森岡マーケティング本部長は「新しい株主は日本での投資にアグレッシブに対応している。もっと大型の投資がなされると思う」と話し、引き付き積極的な姿勢を強調しました。
米大統領選予備選 トランプ氏フロリダなどで勝利
アメリカ大統領選の候補者選びは15日、5つの州で予備選が行われ共和党は実業家のトランプ氏が大票田のフロリダなど3つの州で勝利しました。ただ、重要州のオハイオで州知事のケーシック氏に敗れたため指名獲得に王手とはならず共和党の指名争いは長期化する見通しが強まりました。こうしたなか共和党の主流派から期待を集めていたルビオ上院議員は地元のフロリダで敗れたため、撤退を表明しました。一方、民主党はクリントン前国務長官が4つの州で勝利し、サンダース上院議員との差をさらに広げました。
日本郵政社長に長門氏
日本郵政はきょう、西室泰三社長が今月末に退任し、後任にゆうちょ銀行社長の長門正貢氏を就任させると発表しました。西室社長は先月から入院中で復帰のめどが立たず、今月3日に辞任の届け出があったということです。
高島屋に“空港型免税店”
高島屋は、ANAホールディングスの子会社の全日空商事などと「空港型免税店」の事業に乗り出すと発表しました。空港型免税店とは消費税だけでなく関税や酒税、たばこ税も免除される免税店のことです。2017年春をメドに新宿で1号店をオープンする予定で、初年度は150億円の売上げを目指します。
ジャパンディスプレイ 国内液晶製造ラインを一部廃止
パネルメーカー大手の「ジャパンディスプレイ」は国内の液晶製造ラインの一部を年内に廃止すると発表しました。国内で400人程度の早期退職も募ります。ジャパンディスプレイは統合を検討していたシャープがホンハイ精密工業の傘下に入る方針を決めたことで単独での生き残りを目指し収益体質の強化を急ぎたい考えです。
山口組分裂 トラック激突の応酬
きょう午前3時15分ごろ、大阪府門真市にある指定暴力団山口組系の組事務所に、トラックが突っ込みました。また、そのおよそ3時間後には、隣接する守口市でも神戸山口組系の組事務所にトラックがぶつかっているのが見つかりました。いずれの事件もけが人はいませんでしたが、盗難車が使われ、運転手は逃走したとみられています。警察は、組の分裂をめぐるトラブルとみて調べています。
■【トレたま】“折形”で大人のたしなみ
【商品名】ORU-KOTO
【商品の特徴】形状記憶加工の不織布で、「折形」が簡単にできる【企業名】中島プレス工業
【住所】 埼玉県越谷市増森2544
【価格】 2,000円前後
【発売日】4月下旬
【トレたまキャスター】大澤亜季子