かかわりのうえでの指導技術
以下は指導で保護者と約束したルールである。かかわりの上でも指導技術としてとらえたい。
はな(仮名)さんの学習について
① ねらい
・はな子さんの持てるコミュニケーションの力を少しでも引き出していきます。
・身体の可動域に注意しながら,身体機能を維持し,また,できるだけ高めていきます。
・自己のアイデンティティーの確立(自己選択・自己決定)を目指します。
② 方針
・前回は急ぎすぎたところがありましたので,もう少しゆっくりかかわっていきます。
(ゆっくりかかわることで安心感を与え,受け入れる気持ちを作る。)
・声の大きさ,トーンなどA子さんに確実に届くよう,働きかけを常に気をつけていきます。
(本人の気持ちよい,また判別できる音の高さを探る。)
・働きかけに対して応答をじっくり待ちたいと思います。
(反応を返すまでに1分かかる場合もあると言われる。)
・はな子さんとかかわるときに最初に名のるのは最低限のマナーとして気をつけていきます。
(きちんと名乗り,受け入れる状態を作りながら接触していく。
続けることで,その声のトーンを認識する可能性もある。)
・何かを始めるときに「どこ」「なに」「だれ」に関することはきちんとお話して伝えたり,
触ってもらったり,見せたりして安心感を作り進めていきます。
(状況をできるだけ伝え,安心感を作る。)
・私が来たことが分かるよう,できるだけ,オレンジか白の服を着て接したいと思います。
(いつも同じ服で接することで,視覚的な認識が生まれる可能性もある。)
・絵本読みのときには,絵に集中できるよう,背景を白,もしくは黒,またはできるだけめだたないものにしていきます。
(見せたいものを視覚的にはっきりと浮かび上がらせる。)
・音楽に合わせた自立活動の運動,ストレッチを多く取り入れていきます。
(初期感覚の刺激と同時に身体機能の維持を図る。)
・姿勢づくりに関しても気をつけたいと思います。つらいようだったら,30分くらいで姿勢を変えていきます。
(通常人は寝がえりをうったり,向きをかえたりするので疲れない。向きを変えないと大変つらいことになる。)
・自己選択,自己決定の場面を作りながらかかわっていきます。
※ 前回,巨峰とマスカットの実物を見せると,マスカットに大きく反応しました。
(初期感覚の刺激により,視覚,聴覚が働いてきたら,2つの実物を見せたり,
2つの音を聞かせたりし,自分の好きなもの,心地よいものを選択し,意思を
外に向ける力を養う。)
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