今年の4月に、バス運転士が路線バスの運行終了後に、車内確認を怠り、高齢女性をバスの中に9時間閉じ込める運行事故が発生しました。
バスの運行が終了した場合、通常営業所に帰庫し、車両の点検と給油作業、運行データの処理、金庫の解錠等の作業を行った後に、指定された駐車位置に駐車します。
普通は、その際に車内の忘れ物確認や、窓の開きっぱなしの有無などを当たり前のように行います。
ただし、遅い便で誰も見ていない場合など、給油して運行データを処理し、金庫を解錠して終わらせたくなる運転士の気持ちも分からないではないです。
バレなければ、必要最低限の作業でさっさと帰りたいと考えるのが、人情で人の弱いところです。
何が悲しくて糞真面目に、外に出てタイヤ叩いて、エンジンオイル、冷却水、ベルトの緩み、オイル漏れを確認することを毎日行わなければいけないのか?
こんなこと毎日やらなくても、大して運行に影響はないし、誰か糞真面目な人間がやるはずです。
大体整備部も定期的に点検する義務があるのだから、何かあったら整備の責任にすればいいではないですか?
明日もあるし、さっさと家に帰り寝なければ、翌日の運行に響きます。
少しは、会社も運転士のリアルな事情を考えて、負担の軽減努力をするべきです。
こんなだから、バス運転士はいつまでたっても人手不足なんですよ。
さて、たかだか終了点検を一部サボるのにバス運転士は心の中で、このような言い訳を自分にしています。
こんな気持ちの悪い思いをするぐらいなら、定められた点検を粛々と行えば、よほど気持ちよく毎日を過ごせる筈です。
たかだか5分の作業をサボるために、くっさい汁を体から出しながら、脳ミソフル回転で欺瞞に満ちた言い訳を自分に行います。
基本的にバスは終点に到着したら、都度車内の確認をすることになっています。
そのため、決められたことを行ってさえいれば、今回のような乗客の下ろし忘れが起こる筈がないのです。
しかし、今回のような乗客の下ろし忘れ事故は、実はバス会社あるあるで、表には出ないけど結構な数存在します。
前に勤務していた地方の中小バス会社でも、終点に到着後に乗客の確認をせず、次の便を運行してしまうなんて、よくありました。
今回は、車内に9時間放置という大事だったため、ニュースになっていますが、小さい運行事故は枚挙に暇がないと云った方が適切かもしれません。
運行事故は、本人の意識を高く保つことで防げることがほとんどです。
本人も気付かない意識の低下を事前に察知するためにも、周囲の運転士や運行管理者の方は、服装や言動、顔色などお互いに意識し合うことが大切に感じます。
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