もうひとつの部屋

昔の記憶に、もう一度会える場所にしようと思っています。

ねねの日記⑤ ・・・ お手伝い

2014-08-15 11:43:51 | E市での記憶
おばあちゃんは一日中
なんやかんやで忙しい。

おねえちゃんやアタシも
いろいろお手伝いをさせられる。

お味噌汁に入れるおミソは
庭の向こうにある「小屋」の
タルの中から出してくる。
(「うちで作ったミソが一番」って
おばあちゃんは言ってる。)

それを、ときどきまとめて
すり鉢とスリコギでスル。

ひとりでスってると
すり鉢がゴロンゴロンなるので
おねえちゃんかアタシが
両手でフチを押さえてないといけない。

だから、おばあちゃんが味噌スリしてるとこを
通りかかると、呼ばれてお手伝いを頼まれる。

でも、まとめてスルのには
時間がすごーくかかるから・・・

アタシは、少しだけなら
すり鉢の中見てるの好きなんだけど
しばらくすると、また遊びに行きたくなる。

ゴザの上に山になったツマミ菜を
ひとつひとつ、根っこをちぎって
ゴミとか枯れた葉っぱとかも取って
きれいにして別の山を作る・・・なんていうのも
あんまり面白くない。

大体、おねえちゃんは
おばあちゃんとおんなじように出来るけど
アタシはなぜか上手にできない。
根っこをちぎると
ツマミ菜がすごーくちっちゃくなって
時々は、クチャクチャになったりする。

だから「もう遊びに行っていいよ」って言われると
やっと終わった~ってホッとする。

なのに・・・次に「手伝って」って言われると
やっぱり嬉しくてスキップしちゃうのは
なぜなんだろな~。

おばあちゃんも
だれかいた方が楽しいのかな。

大人も子どもとおんなじで
ひとりぽっちはキライなのかな~。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする