昨日のブログの続きですが、高張力鋼は大体400MPa位の引っ張り強度を持つ鋼材を高張力鋼と呼びます。
私が学生だった頃は、SI単位系が浸透しておらず、引張強度で40㎏f/㎜^2程の鋼材辺りから高張力鋼と呼んでいて、その辺りは現在でも同じです。
学生の当時でも、400MPaは高張力鋼としては低強度の部類でした。
私の論文テーマは、800MPaくらいの高張力鋼に対する海洋環境下のカソード防食(電気防食)の強度(主に靭性)への影響を実験して調べていました。
大型の海洋構造物用の鋼材で、部材のサイズも違うので、潜水艦のような高強度化は難しかったように記憶しています。
が、それでも800MPaの鋼材は民間使用の用途では大きな方で高強度でした、加える防食電位に対して、非常に敏感な靭性の挙動を示していました。
溶接部に関しては論文テーマの範囲外(2年程度の研究では決着が着かない)で、実験や調査はしませんでした。
溶接時の 溶接部や熱影響部の鉄鋼の組織変化を実験に組み込むと、資金潤沢な企業ならできたのかも知れないです。
しかし、すべてをやりきることが出来ずに、私の論文も色々な大学や企業との共同研究の一部として、担当部分の防食電位の靭性への影響について、実験研究していました。
その時、潜水艦に使用されている高張力鋼は、既に110kgf/㎜^2くらいを達成しており、私の研究していた80㎏f/㎜^2の高張力鋼よりもより高強度のものが使われていました。
大型の海洋構造物用の鋼材と潜水艦の鋼材の決定的な違いは、その大きさ、部材の厚さと言っても良いのです。
が、その厚さの違いにより、大きな部材は熱処理等の調質工程により強度は上げ難く、薄い部材ほどより高強度を達成することが容易です。
長くなるので続きはまた次にします。