天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『好色一代男』吉行淳之介訳

2011年06月28日 | 

「はいぃ~?」 「え゛~っ。それはないやろ。」「うわ、うわ、うわっ!」

読んでいて、何回こんなひとり言が出たことか。

病院の待合で読もうとしたのですが、1話読んだだけで、声が出そうになったので自宅で読み進めました。しかも寝る前。集中して何話も読むようなお話ではないんですよね。

きっと、江戸時代読まれていたときも、軽~く読み流していたんじゃないでしょうか。

「7歳から60歳までの女好きの男の一生」というとものすごく乱暴かなあ。

いろんな色恋のお話の詰め合わせ。どこからでもお好きにどうぞ。という感じです。

コレ一冊で時代劇10年分ぐらいの脚本が書けそうです。

前後も辻褄が合わなかったりしますし、一体コレは誰のお話?って件もありますし。

考えながら読まないと訳がわからなくなるので、大体3話で限界がやってきます。

それでも面白いです。 特に、勘当されていろいろ旅をしている巻二の「出家にならねばならず」から 巻四の「火神鳴の雲がくれ」がすらすらっと読めました。

現代語訳ですが、おそらく原作の雰囲気を残す書き方をされているので わかりにくいところもありましたが(ただ私の国語力不足?)、じっくり読めてよかったです。

8月に片岡愛之助さん主演で舞台化されますが、私は市川染五郎さんが読みながら思い浮かんできました。

好色一代男 (中公文庫)

中央公論新社

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