天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『歌舞伎 家と血と藝』

2015年07月23日 | 
2年前に書店で平積みになっていて、しかも帯が本の4分の3ぐらいの幅で定式幕柄。
そこに「明治から現代まで世襲と門閥が織り成す波乱万丈の人間ドラマ!!!」
と、いかにも面白くなさそーなコピーだったにもかかわらず、数ページぱらぱらっと見てみると止まらなくなったので、購入。

市川団十郎家
尾上菊五郎家
中村歌右衛門家
片岡仁左衛門家
市村羽左衛門家
中村吉右衛門家
松本幸四郎家
守田勘弥・坂東三津五郎家

これらの家の歴史をを明治、大正、昭和、平成と分けて書かれていて、初めから読むと歌舞伎全体、それぞれの家を続けて読むとその家の通史となっていて、なかなか読みやすかったです。
どうして、福助が梅玉になったと同時に児太郎が福助になったん?とか、鴈治郎家と歌右衛門家が東西成駒屋っていわれてるけどなんで?とか、なんで松本幸四郎の前が市川染五郎なん?とか、尾上松緑と松本幸四郎はなんで苗字が藤間なん?などなど、歌舞伎役者の家系図を見てもあまりピンとこなかったことが、うわっと理解できました。
戦前から昭和30年代あたりの時代劇ファンの私としてはなかなかタメになる本でした。

しかし!おそらく、歌舞伎関係者、ならびに役者さんとは取材されることなく、巻末の参考文献にならい、本人の想像、思い込み中心で書かれた本かと思いますので、すべてがその通りだと思うのは大変危険です。
そういうわけで、歌舞伎を全く知らない方の入門書には全くオススメできません。

また、「この役者は芸がない」とか、「大成しなかった」などズバズバ、ズケズケ書いてはります。しかしどーも、作者と私の役者さんの好みが似ているのか、全く読んでいてイヤな気がしませんでした。はははっと笑ってしまったぐらい。

オススメするのか、しないのかサッパリわからなくなりましたが、とにかく私にとってはマンガ感覚でさらっと読めた本でした。

歌舞伎 家と血と藝 (講談社現代新書)
中川右介
講談社

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