波の音が聞こえていた気がする。
眠りに落ちた時、わたしは梅の花になって咲いたところで、
淡い光が射し込んできた。
次の瞬間花びらで、ほろりと宙に浮いた時、
潮にふうわり舞い上げられるヤドカリだった。
あぁ、落ちる。。と思ったら、わたしの前にはあなたがいて、
お弁当を広げて「いただきます」と手を合わせてた。
あなたの声が玉子焼きに、大根の煮物に鰆の切り身になって
まるで今しかなかったみたいに景色に溶けた。
箸を置いたら、黒い器の隅っこに食べられなかった梅干しひとつ残ってて、
それから急に眠たくなった。
小笠原諸島の父島からボートに乗って。
かうんせりんぐ かふぇ さやん http://さやん.com/