急に寒くなってきました。
そうなるとインフルエンザを接種しておこうと思うのですが、今年はインフルエンザのワクチンが少ないようでかかりつけの患者さんのみという病院が目につきます。
いつ頃接種できるんだろう。病院探しが始まります。
体調を崩さないようにお過ごしください。
兼題:渡
鳥渡る国後島を遠巻きに 幹夫
○(あちゃこ)北方領土のモノクロの風景が浮かぶ。淋しさと厳しさ。
〇(メイ)国後島を遠巻きに、近づかないようにして渡る鳥たち。泳いで渡るひともいるほど近い島、国後島への思いはさまざま。
◯(ルカ)島の名前が生きてます。
秋深し「矢切の渡し」渡らふをみな 瞳人
身に沁むやしたわ手渡し病む死に身 吾郎
金風の渡ればふいに里言葉 楊子
◎(敏)「金風」は秋の西風(らしい)。その風に乗って聞こえてきた「里言葉」。懐かしい故郷との邂逅。
○(宙虫)透明感のある郷愁・・・・。
〇(ちせい)風と里言葉との混然一体感を思いました。
〇(まきえっと)「里言葉」がいいですね。
伝統の襷を渡す神在月 藤三彩
〇(春生)今から地芝居の始まる緊張感が出ました。
秋夕焼指輪を渡すタイミング 泉
○(楊子)少し歳を重ねた男女ではないでしょうか。お互いに心に疵のある大人の関係とみました。
〇(瞳人)外すのか、付けてもらうのか、そりゃあ、決まってゐますよ、ね
〇(藤三彩)左手の薬指にはめる結婚指輪ではなさそう。「わたしの指のサイズはこれよ」と示唆する指輪かもしれない。
○(餡子)何十年も前のことですねえ。今迷っている方、よーく考えてお渡し下さい。うん?ダイヤモンド婚あたりの指輪?なら、羨ましい。
○(卯平)秋夕焼をバックとしてのプロポーズは女性にとっては最高では。
〇(まきえっと)毎日見ているドラマがそろそろ終わるのですが、こういうシーンに出会えるのかな?
獣道行くや遥かに雁渡る 仙翁
○(幹夫)大らかな句。
〇 (多実生) 登山で少し引き返した記憶、あれが獣道でした。
◎ (アゼリア) 山頭火になった気分で光景を想像しました。
渡来人のあしあと秋の蔦が這う 宙虫
〇(珠子)「秋の蔦」がやや曖昧ですが。私は、紅葉した蔦が這う様子ではなく、ほぼ葉を落としたころの蔦ととりました。侵略者のように枝分かれさせながら伸びてゆく蔦の蔓の逞しさに渡来人のあしあとを感じたのだろうと。
(選外)(卯平)上五中七までは読める。が「秋の鳶が這う」と来ると。。。。。?
廃校の渡り廊下や赤とんぼ アダー女
○(餡子)体育館への渡り廊下が浮かびます。あるいは、二階の校舎から校舎への窓付きの廊下。赤蜻蛉の季語がぴったりです。
○(幹夫)郷愁を誘う。
○(泉)寂しい光景です。少子化で廃校は多い事でしょう。
〇(仙翁)廃校に赤蜻蛉、似合いますね。
◎(吾郎)茶褐色の世界に鮮やかな茜色。郷愁と生命。
○(卯平)懐かしい景。母校だったのだろう。
爽やかや青岸渡寺を舟出して 敏
◯(道人)補陀落渡海は逆説的に「爽やか」なのかも。渡海してゆく者にしか分からない。
(選外)(藤三彩)那智の滝を見下ろす那智山青岸渡寺。山伏が大峯奥駈道へ峰入修行を行なう。舟出への発想は那智勝浦・太地の補陀洛山寺の補陀洛渡海と混在しているよう。
渡世術忘れて久しきりぎりす 道人
○(楊子)きりぎりすの生き方もまたいいのではないかと思える歳になりました。
〇(瞳人)もう、冬近し、術もほどほどに身につけましょう
○(泉)「アリとキリギリス」の物語でしょうか。
〇(珠子)ささやかな渡世術さえもどこかへ忘れたまんま。それもよかろう。
〇(めたもん)季語「きりぎりす」と上五、中七の取り合わせによって何とも言えない味わいがあります。
◎(卯平)寅さんにでも尋ねてみますか?キリギリスは作者であり鑑賞者である読み手。
渡りをる三途の川や冬銀河 卯平
年月や渡り廊下の柿紅葉 メイ
〇(めたもん)上五の詠嘆は思いがストレートに詠まれて強い。ゆったりとした感じの中七、下五とのバランスが良いと思います。
(選外)(卯平)今一つ当たり前の景。
深秋や二人で歩く渡月橋 ルカ
〇(藤三彩)嵯峨野の竹林径を歩くのは異国人ばかりだったのが昔のよう。Go To で今度はひとりで行こうかな。
◯ (アゼリア) 老い二人でも若いカップルでも楽しそうですね。そろそろ行けそうですね。
霧の海に消ゆ維盛の渡海船 餡子
○(アダー女)維盛の都落ちですね。30年近く前、今は無き銀座セゾン劇場で観た木下順二の「子午線の祀り」を思い出しました。あれは、知盛が主人公でしたが、平家の悲壮な最期を思い出させてくれた句です。
◯(ルカ) 補陀落渡海を、思いました。
世渡りも不器用のまま星仰ぐ 多実生
選外(吾郎)実感されているのなら、それはそれで納得の人生。
月渡るアトム何処に眠るやら めたもん
〇(瞳人)わが街には手塚治虫館がございます、(ここでやすらかに)
雁渡る星ふたつみつ従えて 珠子
○(楊子)美しい詠みです。まだ星空になる前の夕暮れの映像が見えます。
○(アダー女)雁が空高くやって来る。しかも星を二つ三つ従者のごとく従えて。壮大でファンタスチックな情景。
〇(仙翁)そんな情景、ありそうですね。
◎(ルカ)景が、美しい、
〇(ちせい)従者の星が雁の別の目であるかのようなそんな気がしました。
雁渡し何も映さぬ井戸の底 あちゃこ
○(敏)北風の渡る高い天と深い井戸の底。全身で秋を感じているのだろう。
◎(宙虫)大空と井戸のその底、対比がいい。いろいろ想像できる。
〇(春生)空と井戸の底の対比がおもしろい。
〇(メイ)井戸の底に雁が見えたらと思うけど、何も映さないと言い切るところに惹かれます。
〇(まきえっと)何も映さないというのがいいですね。秋の寂しさを感じます。
長き夜の渡哲也のサスペンス まきえっと
〇(藤三彩)他にあまり見るものもないのでつい見てしまうTV。出演者たちが若い。
◎(泉)ここで渡哲也ですか。意表を突かれました。
行く秋や県境渡る橋ひとつ 春生
○(餡子)橋は出て行く時、帰ってくる時、様々な思いを持って渡りますね。県境となると余計にその思いは強くなるでしょう。
○(泉)県境には何か「壁」がありますね。
(選外)(卯平)類似類句はあるだろう。このような句材は多い。
渡り鳥大宮町はまだ遠し ちせい
次の転居は父母住む星に鳥渡る アゼリア
○(餡子)確かに、いつかは・・・。 でももう少しこちらにいさせて下さい。
○(アダー女)人生各地を何度か転々として「次の転居」つまり最後の転居先は亡き父母の住む星だなあと感慨深く空を見上げる作者。鳥渡るの季語とぴタリですね。
◎ (多実生) 次の転居がユニーク。人間確実に尽きるものは命です。
◯(道人)達観の境地。上七の措辞は中々言えない。
テーマ:音
音声の途切れ途切れに十月を まきえっと
バラス踏む音飛び散れば葛の花 めたもん
慰めから同情へ虫たちの夜 宙虫
秋深む耳澄まし聴く静寂の音 アゼリア
稲光少し間を置き地を叩く 敏
○(幹夫)共感。
音のなき通過列車や鳥帰る 卯平
砧打つ音懐かしむ覗きけり 春生
救急車隣家に停まる夜寒かな 泉
〇(瞳人)おお、なにごともなきように、と祈る夜更け
〇(藤三彩)近隣に鳴り響く救急車のピーポー音。何事かとコロナ禍の不安な夜の心配が案じられる。
○(幹夫)当に「夜寒」が詠まれる。
○(吾郎)リアルな緊迫感。
○(敏)コロナ禍のせいか、このところ私の近辺でも救急車をよく見かけます。何度聞いてもその音には心が寒くなりますね。
〇(めたもん)このような経験、何回かあります。身につまされる句です。
〇(春生)季語「夜寒」が効いています。不安が押し寄せてきます。
(選外)(卯平)夜寒ではなく思い切った反転があれば面白だろう。
行く秋のゆふぐれのまち小賑ひ メイ
○(敏)「小賑ひ」が緊急事態宣言が解除されても、なお対新型コロナシフトをとらざるを得ない近頃の「まち」の状況を現わしています。
三日月とダンスくすんだ時掴み 吾郎
◎(あちゃこ)くすんだ時を配して、詩的な回文。三日月とダンスがいいですね。
◎(珠子)楽しい。「くすんだ・くすぶっている」「時」を掴んで三日月とダンスだなんて。くすんだ時だろうが、染みや古傷だろうがガシと掴んでご一緒に!シャルウィダンス?
〇(仙翁)三日月とダンス、楽しそうですね。
〇(めたもん)「三日月」「ダンス」「くすんだ時」。言葉でかいたシュルレアリスム絵画のような不思議さが魅力です。
◯(道人)「くすんだ時」は「コロナの世」と読める。三日月とダンスしているのは作者か金星か?
◎(まきえっと)取り合せがいいですね。そろそろくすみが取れそうです。
指栞して虫の音に託す耳 餡子
◯(アゼリア)指栞も虫の音に託すも素敵な措辞ですね。
〇(メイ)戸外なのか室内なのか、全身を耳にして虫の音に聞き入っている情景を「託す耳」とした簡潔さ。
〇(まきえっと)ゆったりとしていていいですね。
選外(吾郎)指栞という言葉を初めて知った。して…がもったいない。
秋深し脱水告げるノクターン 楊子
○(宙虫)日常にあふれる電子音が秋にしみる。
十月の音を奏でてサクソフォン ルカ
○(アネモネ)「十月の音」素敵です。
(選外)(道人)澄み渡った空とサクソフォン。野外音楽祭であろうか。音と季感が響き合っている。
新米の煮えばなぐつぐつおこげの香 藤三彩
◎(アダー女)電気釜愛用者には想像で鼻を鳴らすのみ。釜や土鍋で炊く米がご飯となる瞬間。そのぐつぐつ水をたっぷり含んだ米の底はお焦げができている。しかも香り高い新米ですよ!主人の母は、時々竈でご飯を炊き、お焦げを握ってジュッと(そんな音したかどうか?)醤油をたらし、土間で新嫁の私に手渡してくれた。あ~あの味忘れられない!
○(吾郎)中八…、美味しそうなリズムなので。
〇 (多実生) 新米でなくても、竈で炊いたおこげは大好きでした。
水音はいつしか細り谷もみじ 多実生
○(餡子)山歩きをしていると、川音が近くなったり遠くになったりします。清らかな渓の景が広がってきます。
〇(珠子)紅葉が散りきれば雪、水音はついに絶えます。そして雪解とともに再び豊かな水音が。
〇(仙翁)時間の経過と景色が浮かびます。
◯ (アゼリア) 鮮やかな紅葉とせせらぎの音ー贅沢な時間ですね。
退く綱の品(しな)問ふちちろひそと啼け 瞳人
◎(メイ)横綱の品格とは何か、「ひそと啼け」に込められた作者の複雑な思いが伝わってきました。
大波に攫われた町虫の闇 あちゃこ
虫すだく森はドラクエ音楽葬 幹夫
〇(珠子)毎夜鳴いている虫のほとんどはもうじき死ぬことが決まっています。その潔さに音楽葬はぴったりでしょう。俳句的にはドラクエまで飛ばすことへの是非はあると思いますが、虫たちのひたすらで地味な生涯を思えば!
朝露の滴大地を叩く音 仙翁
〇(春生)力強さが出ました。
鳥威し回れば回るほどの音 ちせい
無音なり釣瓶落しのツィッター 道人
木道に登山靴響く草紅葉 アダー女
〇(藤三彩)山の紅葉が見頃とメールが届く。尾瀬や高山ではない草紅葉にハイキングコースかと感じた。
〇 (多実生) 今頃の尾瀬は行けども行けども、木道と草紅葉。
蘆原の奥のざわめき鴨来る 珠子
〇(メイ)上から読んでイメージをしていくと、鴨のざわめきが聞こえてきます。
〇(ちせい)もしかしたら鴨の羽音だけで鴨だと断定出来たのかも知れません。
雑詠
うつむいて使う蛇口や天高し 敏
ガンダムを花野の中に従へて 卯平
丁寧に探す間違い星月夜 まきえっと
○(吾郎)このくらい余裕を持ってする校正なら、新しい発見があるかも。
秋日濃し古き画集の折り目跡 ルカ
〇(楊子)この絵はあの人が好きだと言った絵。人生そんなこともありました。
○(幹夫)共感。
〇(珠子)我が家にも、ほとんど開くことのない黴の匂いのする画集が全集で揃っています。うっかり折れた折目の跡もあるかもしれません。今ゆっくりとひらいたらどれだけ感動するかと思いますが、現実にはなかなか。
○(アダー女)古き画集は自分のものか代々伝わるものか?いずれにしてもそこの頁を見た誰かが感銘を受けたので折り目をつけた。「秋日濃し」とすんなりくる抒情。
○(宙虫)何度も見返しているのだろうか?時間の流れに想いを馳せる。
◯ (アゼリア) 私も時々何故折り目をつけたのか自分でわからなくなることがあります。ー認知症のサイン?
○(卯平)俳句らしい俳句。少々の類似感はあるが「秋日濃し」で納得。
◎(ちせい)思わずつけて仕舞ったと言う慚愧の念があるのかもしれません。
ドラフトに新風変わるか秋選挙 藤三彩
烏瓜灯して鴉待つ塒 珠子
○(あちゃこ)優しく温かな一句。擬人化としても「灯してと待つ」は少し気になります。
葛飾区が優しさ夜学加湿化 吾郎
○(泉)そろそろ乾燥が進んで、加湿が必要な季節です。
◯ (アゼリア) 本当に加湿器は必需品。まして健気な夜学生には。
休耕田今こすもすの花盛り 春生
○(敏)秋桜を「こすもす」と表記したところ、休耕田への優しさが見えるようです。
〇 (多実生) コスモスなら理想ですが、今の休耕田は雑草の種で大問題です。
狂いなき地震速報そぞろ寒 道人
○(アネモネ)ほんとほんと。「そぞろ寒」がぴったりです。
◎(楊子)正確な事は良いに決まっています。しかし正確な地名や震度の違いなどに一喜一憂することに少し倦んでいます。
○(あちゃこ)微振動がほぼ毎日続き、不安な日々。そして確かな未来を暗示している。
あっけなく子規忌に逝けり昔の男 餡子
○(アネモネ)下五の「昔の男」にやられました。
〇(仙翁)いい思い出か、苦い思い出か。
栗飯の栗は夫が剥くならい 楊子
○(アネモネ)なかなかいい「ならい」だと思いました。
◎(瞳人)おお、これほど、ショックを受けし句は、このところ見たことない
○(宙虫)蘊蓄を並べながら夫は栗を剥く。
(選外)(アダー女)我が家もそうです。実家もそうでした!温かい句。
渓谷の橋みな高し初紅葉 めたもん
○(アネモネ)景がリアルに見えてきます。
○(吾郎)塩梅のよろしい素敵な渓谷。
○(敏)そうですね、言われてみてなるほど「渓谷の橋」はどこでも高所に架かっていますね。
荒れ寺や拾う人無く銀杏降り アダー女
残る虫鋸屋根の工場跡 アゼリア
〇 (多実生) 懐かしいですね。鋸屋根は自然の光を取り入れる構造でした。
〇(春生)「鋸屋根の工場」昔はよく見かけましたね。
◯(ルカ)桐生を思い出しました。
◯(道人)時代の移り変わりと普遍の自然。景がよく見える。鋸屋根は「のこぎり屋根」の方が良いかも。
枝豆や「正岡子規からの手紙」とか ちせい
選外(瞳人)「の」がなければ選ばせていただきました
秋霖や時効の迫るモンタージュ 幹夫
○(楊子)時効の迫る指名手配の写真にふる秋霖はわびしい。早く捕まえてほしい悪人には違いないのだが、その人の生い立ちなどに思いを馳せてしまいます。
◎(餡子)私も、あの写真を見るのが好き(?)です。この人達は、今頃どうして暮らしているのだろう、どんな顔になっているのだろうなどと思います。時効は、被害者には辛い区切りです。秋霖に思いが込められています。
○(あちゃこ)最近駅前に立ち止まって見ていた老人の姿。見えない不安が見える。
○(泉)緊迫感が良く伝わって来ます。
〇(メイ)秋のさびしい雨がふりつづく日、茶色に褪せたモンタージュをみかけて、近寄ってみると時効が迫っている。若い時の写真から現在はどんなに変わっているのだろうか、逃げ続ける人生を思わずにいられない。
○(卯平)秋霖ではなく別の季語であれば特選を検討した。
狂い出す生涯時計林檎剥く あちゃこ
◎(アネモネ)座五の「林檎剥く」上手い!
◎(幹夫)甚く共感。
〇(めたもん)林檎を剥きながら考えるこれからの人生への不安。上五、中七は内容がはっきりしないぶん広がりも。「林檎剥く」への着地も良いと思います。
◯(ルカ)季語が効いてます。
〇(ちせい)時計を比喩的に使って居て、季語のリンゴが却ってクローズアップされました。
◎(道人)長いコロナ生活、仕事や心身不調など色んな意味で人生の曲がり角を迎える人も多い。「林檎剥く」に深い吐息が伺える。
〇(まきえっと)季語の選定がいいですね。
小三治の句も了ひけり秋半ば 瞳人
◎(藤三彩)十代目 柳家小三治師匠がこの十月に逝去。「東京やなぎ句会」の創設メンバー。「天上で柄杓打ち合う甘茶かな」小三治師匠の俳号は土茶(どさ)。合掌
○小三治は「変哲(小沢昭一)」と一緒に「東京やなぎ句会」のメンバー。変哲の句も小三治の句もそれに永六輔の句も好きだ。いずれも黄泉の人。追悼句。
(選外)(道人)「東京やなぎ句会」関連本はよく読みました。岩波書店から追悼本を出して欲しい。
石段に凛として秋の蒲公英 仙翁
◎(めたもん)破調でリズムが少しもたつくことで「凛とした」感じがより際立ちます。俳句にしにくい材料がさらっと詠まれていているが味わいは深い。
飽くまでも優雅に冴える峰の月 多実生
蓑虫の耳に天狗が起こす風 宙虫
○(アダー女)蓑虫は鳴かないといわれている。その分聴覚は発達しているのかも。細い糸で木などにぶら下がっている蓑虫は風には敏感なはず。特に天狗が大団扇で起こす風は恐ろしい!蓑虫と天狗の取り合わせが絶妙。
◎(仙翁)蓑虫には、そよ風が天狗の風でしょうね。
夜学の師眠る生徒を咎めずに 泉
○(あちゃこ)さまざまな年代や職種の生徒が学ぶ夜学校。温かな教師の眼差し。
◎(春生)やさしい先生ですね。夜学生は昼の労働で疲れ切っていますね。
◯(ルカ)夜学教師の温かい人間性。
◯(道人)教育には優しさと忍耐力と情熱と。良い先生だ。
厄除けの獅子舞う秋や中華街 メイ
☆次回をお楽しみに。
広島は急に寒くなりました。冬は間近ですが、冬の生活を楽しみたいものです。ところで、新型コロナの感染者数はゼロに近くなって来ました。不思議ですが再び波が来るらしい。なかなか終わりが見えません。