小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第416回小麦句会結果発表

2019年11月09日 23時28分10秒 | 1日句会

 

 
おまたせしました。
結果発表です。
寒くなりましたね・・・・。
 
★結果発表
 

大切に研いで光れる今年米   幹夫

○(アネモネ)大切に研いで、がいかにも今年米。

 

新米やほんのりほんわか名の香る   藤三彩

○(あちゃこ)新米の美味しさが香るようです。

○(幹夫)如何にも新米が詠まれる。

〇 (多実生) 銘柄の新米の匂いが届きそうです。

 

物産館めぐって秋は満腹に   楊子

○(ちせい)季語は「秋」。節約の名人が秋を楽しむ。

〇(まきえっと)見たもので満腹なのでしょうか?それとも試食ででしょうか?  

 

石垣に隠れるセイタカアワダチソウ   仙翁

○(幹夫)石垣の高さが佳く詠まれる。

 

玄米を搗いて野分を待つ心算    敏

○(春生)こんな心算が大事ですね。

 

利根川は黄色い大河泡立草  多実生

○(ルカ)利根川を間近に見るとこんな思いにとらわれます。

○(珠子)「黄色い大河」とは恐れいりました。背高泡立草は大分少なくなりましたが、まだまだ勢いがありますから。刈られても刈られても逞しく黄色の花を咲かせます。

○(仙翁)泡立草の一面に咲いている様子がよく分かります。

〇(藤三彩)利根川は都民の飲料水の源。氾濫泥や黄色の背高泡立草を飲込むとは如何せん

 

新米を握る瑞穂の国の風   あちゃこ

◯(アゼリア)日本にこんな爽やかな呼び方のあったこと忘れていました。新米との取り合わせがぴったりと思いました。

〇(まきえっと)「瑞穂の国の風」がよいですね。  

○(敏)瑞穂の国風が「新米を握る」という表現にしびれました。

○(珠子)「風」という転換に惹かれました。   

〇(宙虫)連ねた言葉が上手。

 

泡立草米屋に中古のタイムマシン  宙虫

◯(道人)昔の米屋はそれなりの仕事であったが、今は単独で成り立つ生業ではない。泡立草を介して過去にタイムスリップしたような気分になる不思議な句。

○(仙翁)中古のタイムマシン、何をしているのでしょうね。

○(泉)「タイムマシン」には驚きました。

 

十月の壁どこまでも続く空   ルカ

○(ちせい)季語は「十月」。壁と空が象徴的で。

〇(まきえっと)「壁」っていろいろと想像できます。 

◎(あちゃこ)壁は超えるに超えられない困難でしょう。でもなんとかなるよーと、空は晴れている。

〇(楊子)天高しという十月に壁があるとは 発想がとんでいる。

○(泉)「十月の壁」とは?想像が膨らみます。

〇(宙虫)壁の持つ鬱屈感が良い。

 

遠汽笛背高泡立草茂る    アゼリア

○(アネモネ)構図のいい句だと思いました。

 

(選外)(幹夫)景が佳く詠まれる。

 

バスを待つ泡立草の増ゆる街     道人

◯(アゼリア)私どもの街も泡立草が増えている感じです。過疎化に比例しているのでしょうか?

〇(まきえっと)泡立草は外来種なのかな?どんどん増えそうです。 

○(あちゃこ)泡立草の群れて咲く街。人は去り草が蔓延る。寂しさを感じます。

○(ルカ)増えてゆくものは増えて欲しくないものばかり。

○(アネモネ) 泡立ち草の黄色が眼前に迫って来ます。

◎(餡子)この3枚の写真からの想像として、この句が一番状況を抒情的に捉えているなと思いました。「米屋前」などという停留所かもしれませんね。  

◎(宙虫)バス待ちの時間、姿かたちを変えていく街の姿を見る。泡立草がその姿の隙間を埋めていく。

 

新米に玄米少しの健康米   泉

〇(藤三彩)ごもっとも。精米機が使えるご近所の環境にはあこがれる。

〇(宙虫)思いのほか白米状態なのかもですね。

 

新米を売る信濃の村はずれ    春生

 

金木犀ちるちる容赦なくちるちる    珠子

○(敏)わが家の金木犀もこのいくつかの台風で、ほとんど散ってしまいました。まさに「ちるちる容赦なくちるちる」でした。

◯(道人)小野小町の「花の色」の和歌のような佳人の栄枯盛衰を感じる。ひたすら金木犀が散るところを描写したのが良い。

 

新米の欲張って買う十種類    まきえっと

○(餡子)十種類を1㎏ずつ買ったとしても、ざっと4000円近いですね。でも色々なお米の味が味わえて楽しいかもしれませんね。   

 

木犀の香に思い出す男有り  餡子

◯(道人)女ではなく男であることに興趣をそそられる。作者や読者の性別で詠み方・読み方共変わるのかも。

○(幹夫)作者の思い出に共感。

〇(藤三彩)厠に置いてある香りはキンモクセイ。垢抜けない男にもいいところがあるんでしょう。

 

出城跡囲めり秋の麒麟草  アネモネ

○(ルカ)中七がいいですね。

 

石垣に晩秋過ぎよと祈りたり   ちせい

 

台風と豪雨すり抜けコシヒカリ  多実生

○(泉)大変な災害でした。

 

(選外)(藤三彩)稲穂が自分では移動できない。たまたま氾濫に遭わなかった幸い。

 

未来見る泡立草の隙間から   まきえっと

○(ちせい)季語は「泡立草」。未来を望見すれば草の花が添い。

◎(敏)今年のわが近辺では背高泡立草はほとんど見られず、芒が大繁茂です。芒の隙間からでは「未来」を見るのは困難かも知れませんね。そんな思いを抱きながら、一句の世界に浸りました。

○(あちゃこ)どんな未来?不安と期待が交差しているようです。説明的な隙間がやや気になります。

〇(楊子)ふつう雑草としてしかみない泡立草がすてきに見えました。

◎(道人)「タイムマシン」の句と同様に、泡立草は過去現在未来の仲介機能があるようだ。「未来見る」が明るくていい。

○(幹夫)背高泡立草の隙間に未来が見えるという感性に共感。

○(珠子)とんでもないところから覗く未来。滔々と川が流れ緑あふれる未来でありますように。   

○(仙翁)泡立草の隙間、というのが面白いです。

◎ (多実生) 隙間から見る未来の発想が豊かです。

○(アネモネ)どんな未来が見えたか興味深々です。

○(餡子)泡立草のすき間から見える未来はどんな未来なのでしょうか?地球も宇宙も人類も心配な事ばかりです。俳句は残っているでしょうか。  

〇(宙虫)未来をチラ見する場所、なんとなく納得する。

 

野の風に子を抱き上げて泡立草   幹夫

◎(アゼリア)たかいたかいしているのでしょうか?可愛い赤ちゃんが目に浮かびます。

◎(春生)希望の溢れた句です。

○(敏)泡立草よりも高く子を抱き上げ、作者は一体どんな景色を子にもたらそうとしているのでしょう。

○(あちゃこ)明るく爽やか。小さな幸せがそこにある。

〇(楊子)そんなセピア色のむかしもありました。子育てが大変だったころの思い出。

〇 (多実生)子供の視界が急に広がります。

 

(選外)(道人)休日にはいつも家族を連れて自然豊かな地に出かけるのでしょう。子煩悩ぶりがよく伝わって来る。

 

久闊を叙し新米の塩むすび   珠子

○(春生)おもてなしの塩むすびですね。

◎(まきえっと)久闊と塩むすびの取り合せがいいです。 

◯(道人)切れ味の良い句。「塩むすび」が効いている。

◎(仙翁)久闊を辞す、塩むすび、田舎に来ているのでしょうか。

○(アネモネ)これは美味しそう。

 

折れた傘で君を迎える金木犀   宙虫

○(あちゃこ)やや説明的ですが、思いが伝わってきました。

◯(道人)甘い映画のワンシーンのようだけれど好きです。

○(仙翁)折れた傘、状況がよく見えます。

 

伸びしろはまだあるつもり泡立草    あちゃこ

◯(アゼリア)泡立草のように逞しく伸びていって欲しいです。

○(春生)どれだけでもたかくなりそうですね。

○(敏)背高の形容を持つ泡立草。人の背を越える力はまだまだ蓄えているということでしょう。「伸びしろ」がいいですね。

◎(楊子)「わんぱくでもいい。大きくなれよ」というCMを思い出しました。前向きに泡立草を詠んだところがすきです。

◎(ルカ)心情に共感。

○(珠子)ありますとも!私にもあるハズ。

〇 (多実生) 伸びしろは希望そのものです。

◎(アネモネ)伸びしろはまだあるつもり、いいですね。

 

新米や森のくまさん量り売り   ルカ

◎(泉)ユーモラスな俳句だと思います。

〇(藤三彩)くまモンのキャラクター入りの新米。おいしそう。

 

多色刷り地下鉄路線図の枯野   楊子

○(ちせい)季語は「枯野」。多色刷りで明解。枯野が添う心理、心象風景。

 

花野にて遠近法を確かめる    敏

◎(ちせい)季語は「花野」。花の魅力に遠近感を失ったのかと思いました。

〇(まきえっと)花野で遠近法などの発想が面白いです。

〇(楊子)近くて遠い気がする花野です。そんな齢になりました。

○(ルカ)広い広い花野。ふとそんな気持ちになりそうです。

○(仙翁)遠近法をどのようにして確かめるのでしょうか。面白い。

 

(選外)(道人)確かに花野ではそんな気分になりますね。

 

枇杷の花煎じる気休め友悼む   藤三彩

 

揺れる葉に光飛び交う金木犀   仙翁  

 

豊年や次の日値段が下がりたり  ちせい

 

木犀の香りの高し水車小屋   春生

○(ちせい)季語は「木犀」。パンの材料を作っていたのかもしれません。

○(幹夫)田園の景が佳く詠まれる。

〇 (多実生) 水車小屋は過去のもの、木犀の香りは現実です。

 

枇杷の花海を見下ろす修道院    アゼリア

○(春生)修道院がいきています。

○(ルカ)こんな修道院に、時間を忘れて行ってみたいものです。

〇(藤三彩)何故だか函館の方向が見えてくる。

 

試しみるあいがも米てふ今年米   アネモネ

○(珠子)減農薬ですからゼッタイにおいしい。まずは塩むすびでどうぞ。合鴨は大きくなると稲穂を食べるので穂が出る前に食肉にされるというのです…。ああニンゲン…。

○(餡子)何となく合鴨の放し飼いで作るお米くらいしか知識がなかったのですが、この句を読んで、調べてみる気持ちになりました。なるほど・・・。私も試しに食べてみようかしら。

○(泉)私も一度は食べてみたいものです。

〇(宙虫)リズムがいいです。

 

金木犀団地にともる窓灯り    道人

◯(アゼリア)灯りの下に小さな幸せと団欒が見えます。

〇(楊子)つつましいけれど幸せな光が灯る光景が目に浮かびます。

 

炊き出しのむすびの温さ台風過    餡子

◯(アゼリア)災害に遭われた方には温かいむすびは有難いようです。

○(春生)やっと一安心というところです。

○(敏)台風禍に遭遇した時、温かいおむすびの差し入れは、こころから有り難いことと思われることでしょう。時局俳句のみならず普遍的作品となっていますね。

◎(幹夫)台風被災地の情景が佳く詠まれる。

◎(珠子)考えるのはあたたかいものでお腹を満たしてから。あたたかいお結びは何よりの力になります。

〇 (多実生) 被災者は心まで温まります。

○(泉)今年は台風が多くて、被害も大きかったですね。

◎(藤三彩)"One for ALL"の地域の結束と互助努力が垣間見える。本当に大変な気候変動に遭遇しているんだな。

 

(選外)(道人)米屋の写真からの飛躍がいい。

 

木犀の匂う城址や古戦場   泉

 

 


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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2019-11-11 09:24:29
宙虫さん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は次第に寒くなって来ました。スポーツも終わり、テレビ番組を見る機会も減りました。少し俳句に精進しましょう。
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