梅雨の中休み。
明日からまた雨の予報。
梅雨の末期の雨は大きな災害につながったりする。
要注意・・・・。
結果発表(二回に分けて)
早苗饗の果て常の日の戻る庭 餡子
〇(珠子)賑やかな早苗饗の翌日には、何事もなかったかのように始まる次の農作業。
◯(道人)「庭」に少し違和感があったが、田植えの後は庭で車座になったのだろう。「中七」に共鳴。
やはらかく藻草揺らして梅雨鯰 アネモネ
〇(瞳人)でかいやつですね、きっと
○(藤三彩)「梅雨鯰」という季語があったのか。「藻の花に鯰押へし夜振哉」正岡子規
〇(あき子)鯰は夜行性だとか。夜の水辺に息づく梅雨鯰の世界を垣間見る思いです。
◎(幹夫)上句「やはらかく」のみならず句全体がやわらかな表現に共感する。
◯(道人)今時「梅雨鯰」とは懐かしい。描写もいい。
○(ちせい)貫禄がありますね。
◯ (アゼリア) 涼しそうな景が見えます。
◎(宙虫)水面下の世界が伝わる。なまぬるい水に生きるものたちの力関係も見える。
神田に入る早乙女のふくらはぎ 楊子
〇(春生)若々しく美しい句です。、
○(幹夫)素敵な句だ。
○(アダー女)田植えをする若い女性のふくらはぎの白く、美しくも艶っぽい姿への賛辞は、平凡と言えば平凡だと思うが、なぜか今回それがとても新鮮で神秘的な美しさとして私の心にさらっと入ってきた。田植えでなく「神田に入る」の表現がいかにも清潔な美しさとして響くのだろうか。
◯ (アゼリア) 若々しいふくらはぎが見えます。
梅雨兆す暗渠の中を水急ぐ まきえっと
〇(春生)豪雨にならないといいですが、その予兆ありですね。
○(宙虫)暗渠から不意に水音が聞こえることがある。コンクリート張りのなんだろう。
お日様をとらへて植田照り返す 幹夫
〇(あき子)お日さまと植田の共同作業なんですね。
田植歌空から聞える棚田かな 泉
〇(カンナ)空想の世界を詠んでいるのが良いと思います。
◎(アダー女)日本には美しい棚田があちこちあるが、農業も高齢化で維持が難しいと聞く。上の方の田での田植え歌が下の方の田で田植えする人には、まるで空から歌が降ってくるようだという。実に美しい日本の原風景で、残したいものだと都会の人間は勝手なことを願う。
〇(仙翁)空から聞こえるがいいですね。
「米売切れ」の文字にパニック寒い梅雨 カンナ
○(あちゃこ)割高になったお米。今日は激安日?世相を切り取った一句。
青田風家族総出の握り飯 藤三彩
○(泉)家族総出の農作業です。握り飯はさぞ美味しい事でしょう。
〇(カンナ)情景が浮かびます。
○(餡子)今でもこういう光景が見られるのは気持ちよい。薬缶に麦茶など作り、畔で食べましたね。
〇(仙翁)このような景色はまだあるのでしょうね。
○(ちせい)青田風に握り飯。家族の絆が強そうです。
梅雨しとどけふ吟行レットイットビイ 瞳人
◎(ちせい)リラックスした気分の中から名句が生まれるのかもしれません。
苗箱を運ぶ一つずつ運ぶ 仙翁
〇(楊子)リフレインが丁寧に苗をあつかっていることがわかります。
○(卯平)詠み手は実家に帰って手伝っているのか。訥々とした動作に共感。
◎(あき子)繰り返しのリズムから、苗箱の重さと農業の現実が伝わってきます。
○(餡子)大事な大事な苗床。様子がみえます。
○(あちゃこ)一つずつに思いがある。
〇(まきえっと)苗を大事に運んでいる様子が「運ぶ」を使って表現されています。
○(アダー女)あの苗箱はかなり重いのだろう。高齢で農業を続けている方達には一つだってさぞかし重たい物だろうと察する。息切れの様子まで感じられる。「運ぶ」という語のリフレインが重労働を察して余りある。
○(宙虫)人力による作業、なかなか作業の簡素化は進まない。
見守るは開墾の父祖青山河 あき子
〇(楊子)父祖の開墾への感謝があらわれています。
〇(カンナ)情景が浮かびます。
◎(あちゃこ)代々の田の歴史。揺るぎない季語がいいですね。
◯ (アゼリア)開墾の歴史があり今日の田植えがあるわけですね。
○(宙虫)21世紀の現代。かつての開墾地から人々は離れて青山河に戻っていく。現代の視点で見るとさみしく哀しい。
機械植えの苗語り合う理路整然 アダー女
◎(泉)「機械で植える」のだから、「理路整然」という結果になりますね。
ロケットの確かな軌跡青田波 あちゃこ
〇(楊子)代田に映ったのは山や雲ではなく「ロケット」というところが現代を詠んでいて鋭い。
○(藤三彩)7月1日ロケット「H3」3号機の打ち上げ成功。地球観測衛星「だいち4号」が予定軌道に入り災害などの観測データが取れる
先頭にいない父母蟻の列 宙虫
◎(卯平)植田の景だろう。敢えて「蟻の列」の措辞で亡くなった父母への詠み手の思いが伺える。
○(幹夫)蟻の列の先頭って滅多に見ない。
本降りになるかもしれぬ田植かな 春生
お日様と風と田植機この座席 めたもん
田植機の起動里山震え出す 珠子
〇(瞳人)人のいないさみしさが、ひときわ
○(餡子)いよいよ始まる村の目覚め!活気が出てきます。
〇(まきえっと)耕運機でしょうか?エンジンの掛かった音ですね。たくさんの田んぼから聞こえるのでしょう。
◯(道人)臨場感あり。年季の入った田植え機なのかも。
〇(めたもん)田植えの始まり、田植機の起動と共に一帯が震え出すような躍動感。
◯ (アゼリア) 意外と大きな音で私もおどろきました。
早苗束にきしむ田植機雨上がる アネモネ
アイターンの手付き慣れけり田植笠 卯平
○(餡子)アイターンとユーターンの違いを改めて調べました。成程と思った次第。
◯(道人)今時手植えではないだろうが、田植笠が頼もしいIターン。前職はIT技術者かも。
つづく
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