お待たせしました。
この結果発表のこの日。
熊本市内は気温30度に達しそう。
午後からの雨が一気に秋を運んでくるとの予報。
いきなり、長袖が必要になりそうな感じです。
あわせて今日未明に阿蘇が噴火。
不穏な三連休幕開けとなりました。
火山灰が大変かと思います。
阿蘇地方の方々のためにも、ヒステリックに危険を叫ぶような報道はしてほしくないです。
地元は火山に生きてきた人たち。
長い歴史があります。
地震。火山と立て続けですが、自然と向き合う一年になりそうです。
(熊本市内はいまのところ、火山灰等は届いていません。北東方面に流れているようです。)
それでは、結果発表です。
★★★
お社の前にあつまり地蜂獲 アネモネ
半袖でぶらつく街や秋祭 泉
〇(ルカ)ぶらつく、がいい味出しています。
収穫祭有田や伊万里掘り出す眼 藤三彩
〇(敏)掘り出し物を掘り出した私の「収穫祭」といったところでしょうか。
かなかなや御堂の陰に着物の子 瓦すずめ
〇(とっきー)何か怪談めいた景にとれる。着物の子は見える人と見えない人が居たりして。
〇(仙翁)着物の子とは、昔の思い出でしょうか。
〇 (アゼリア) 昔お祭りに来たかったのに来られなかった子の霊?ー私この手の怖い話大好きです。
〇(幹夫)夕暮れに鳴く蜩の声にはひときわ味わい深いものがあります。可愛い着物の子供と共に詠まれており好感です。
〇(宙虫)湿気を感じますね。その質感が好きです。
秋澄むや響く太鼓に足軽く 呆夢
〇(春生)・・・や・・・・連用形止め。骨格のしっかりした句。
〇(ちせい)季語は「秋澄む」。太鼓の響きに軽い足取りがいかにも俳句的な図の様で好もしかったです。
〇(瓦すずめ)澄んだ空気の中に、音はよく響きそうですし、体は確かに軽くなりそう。
〇(多実生) 祭り太鼓には嫌が応にも気分を盛り上げさせられます。
〇(幹夫)秋祭が太鼓の音と共に軽やかに詠まれています。
〇(泉)秋祭の楽しさが、良く表現されています。リズム感が良いと思います。
八朔やいざ三成の旗印 あちゃこ
〇(道人)写真から関ケ原は想像できませんでした。幟から三成の幟「大一大万大吉」への連想なのでしょう。「八朔」ですから、収穫前の関ケ原へ出陣 する三成の鼓動が伝わって来ます。
◎(ちせい)季語は「八朔」。八朔祭りなどが想像できますが、石田三成の志も感じられそうです。
神木を倒す台風大型化 泉
秋闌けてb級グルメの幟旗 とっきー
〇(藤三彩)全国ラーメン大会があるのだが、こう立て続けに台風と秋雨前線が来ると、天気はどうだろう?
◯(アゼリア) 子供や若い人ばかりでなく、今やb級グルメブームですね。
(選外)(道人)「b級グルメ」が食欲の秋らしい。
車座に爺さん集う秋祭り 仙翁
〇(とっきー)車座などという言葉は死語に近いのではないか。円陣である。しかし、日本の風土には、車座が似合う。そこには、異端を嫌う結束力がある。相談はなあなあとすぐ決まるのだ。
〇(瓦すずめ)秋祭りだから、法被か何かを着ているのでしょうか。法被を着たじいさま方が、車座になっているのを想像すると面白いですね。
十月の影を離るる修道女 ルカ
◎(春生)修道女の動きに視点を置き、「影を離るる」と捉えてところが、詩的。
〇(仙翁)十月の影を離れるとは、面白い表現ですね。
◯(あちゃこ)黒衣の女性を修道女に見立てたのには驚き。
(選外)(瓦すずめ)意味は具には解りません。が、10月の影を離れるという不思議な表現が、修道女にはあっているように思います。
秋祭り寅さんそこに居たような 呆夢
〇(敏)寅さんのあの口上が、聞こえたような気がしたのでしょうね。
〇(瓦すずめ)祭りといえば寅さん。納得できます!昭和を思わせるような街での祭りなのでしょうね。
〇(珠子)確かに。どこの露店にも寅さんの笑顔が「いよう!」っと出てきそうな雰囲気があります。
◎(餡子)神社やお祭りには欠かせない人物のひとりですね。寅さんの啖呵売が聞こえてきそうです。
〇(まきえっと)「そこに居たような」がなんとも言えないです。ふらり感が漂っています。
秋高し神の縄綯う男衆 珠子
〇(敏)神送りの時期、その用意をしているのでしょう。
〇(道人)「神の縄綯う」の写生眼が鋭い。調べも切れ味が良い。
◯(アゼリア) お祭りには新しい注連縄つけられますね。
〇(餡子)お祭りの準備は男性の仕事なのでしょう。もう準備段階から気持ちが高揚してくる様子が伝わります。
◯(あちゃこ)全く気が付きませんでした。神前で行うのですね。
〇(アネモネ)「神の縄綯う」いいですね。目の付け所がシャープ。
◎(ルカ)神の縄がいいですね。
〇(宙虫)縄なうことがこういう時でないとしなくなりました。縄なう技術もつないでいってほしいものです。いつしか頭の中の景色の俳句とならないように願います。
車座の氏子総代新酒汲む 道人
〇(呆夢)楽しい声が聞こえてきそうです。
〇(春生)少しの無駄のない、明快な句。
◎(藤三彩)お神酒に新酒とくれば粋なもんだ。お疲れさんの声が聞こえそう。
〇(珠子) こういうならわしは日本津々浦々にあるのでしょう。氏子総代が車座になるほど居るのかと疑問はありましたが、いい雰囲気なので。
〇(餡子)お祭りの準備も手筈が整い、さあ、明日は本番。まずいっぱい。
〇(幹夫)冒頭の写真の景が佳く詠まれており共感です。
〇(ルカ)さわやかさを新酒に感じます。
マヨネーズかけていいよね町秋暑 宙虫
〇(道人)たこ焼きですね。ユーモラスな呟きと「町秋暑」の取り合わせの妙。余情あり。
〇(瓦すずめ)上五中七のとぼけた感じが好きです。
〇(珠子)(・・・・でもかけすぎないでね。)
◯(あちゃこ)いいんです!うまいんです。
神社には龍の神居る秋涼し ちせい
支度から楽しむ祭り秋日影 アゼリア
〇(多実生) 祭りは持ち回りの当番、他者にひけをお取らぬ様前準備です。
〇(餡子)季語重なりですが、気になりません。子どもにとっても、お祭りはわくわくします。子供会の出店の準備をしたことがありますが、疲れましたが楽しかったのを覚えています。
〇(泉)秋祭の準備は大変でしょうが、それも楽しみの内ですね。
賑わいの裏に弔い鳥渡る あちゃこ
〇(呆夢)金子みすずさんの詩を思い出します。もの悲しさがよく出ていますね。
〇(敏)祝いごとと弔事が表裏のように行われていると見たことでしょう。
〇(道人)「鳥渡る」の斡旋で「弔い」が違和感なくすっと入って来る。作者の近辺でご不幸があったのでしょうか。
〇(まきえっと)確かに。
〇(仙翁)そうでしょうね、何処かで誰かが、泣いているでしょうね。
◎(珠子)こういうことも往々にしてあるでしょう。私の父の葬儀はムラの行事を優先して日延べしたのを思い出しました。鳥はきっぱりと命を繋ぐ旅にでます。季語が効いています。
◎(宙虫)人間の生活は哀しみと背中合せなんですね。
(選外)(藤三彩)自然災害が東日本や熊本そして北海道にも。野菜の高騰が辛い。
十円で買えた夜店のあれやこれ 餡子
〇(呆夢)あれやこれと、ものを特定しなかったのがいいと思いました。
〇(敏)かつて楽しんだ夜店の思い出と眼前の祭りの賑わいをダブらせているのでしょう。
〇(まきえっと)懐かしい。
〇(藤三彩)舌が赤くなるやつ、なんだっけ。
〇(幹夫)10円でタコ焼き4つの時代がありました。懐かしさが佳く詠まれており共感です。
〇(ルカ)十円が大金だったあのころ。
〇(泉)夜店の楽しさが、良く表現されています。子供のころに、帰ったようですね。
〇(宙虫)あれやこれの下五が懐かしさを増長します。
(選外)(道人)童心に還って、懐かしい「十円店」を想い出しました。
綿菓子の甘き香りや秋祭 春生
〇(多実生) 昔、子供会で器械を借りられ、安い原価で子供達に喜ばれました。
〇(泉)秋祭と言えば、やはり綿菓子ですね。子供のころが、懐かしいです。
◎(アネモネ)中七の「甘き香りや」がいいですね。祭の高揚感が伝わってきます。
修道女露店見歩く秋日和 アゼリア
〇(春生)なんとなくおだやかになる気分です。
〇(仙翁)修道女も、関係ないですね、祭りは。
イカ焼きの煙り飲み込む天高し 仙翁
◎(瓦すずめ)屋台の煙りはどこにいくのだろう? それは出てしかるべき疑問ですが、あまり意識していませんでした。そうです、空に吸い込まれていくのですね。あの青い青い秋空へ。屋台のあるお祭りなら当然の光景のはずなのに、この句からはロマンを感じます。ちなみに、このイカ焼きは関西の粉モンのイカ焼きではなく、イカの姿焼きのほうのイカ焼きですね!
〇(藤三彩)祭りの夜店は、やはり晴れていないと雰囲気がでない。
◎(幹夫)イカ焼きの美味そうな香り、景が佳く詠まれており共感です。
〇(宙虫)ほんとうに匂いが広場に充満している感じがよく出ている。
肉を焼くトルコ人をり秋日和 瓦すずめ
〇(ちせい)季語は「秋日和」。シシカバブでしょうか。異国情緒や俳句情緒があると思いました。
〇(まきえっと)昔からあったように肉を削いでいますね。
〇(藤三彩)ケバブの巻棒がマニ車のように廻る、さても好きなトンカツ肉ではないことは確かだが。
◎(泉)「トルコ人」という発想に驚きました。秋祭も国際色が豊かですね。
〇(幹夫)トルコ料理と言えば何てたってケバブですね!美味しそうな香りが漂ってきます。
〇(宙虫)トルコ人がいい感じで、秋の一日を大きくした。
参道の奥の参道秋深し 道人
◎(とっきー)この景は、村の鎮守様を敬う人々の心から出来たものである。簡単には神に近付けないのです。参道の奥にまた参道があることによって、神に近付く心の準備が出来るのです。
◎ (多実生) 戸隠神社など奥の院が想像され、これから紅葉など楽しみです。
◎(仙翁)まだまだ暑いですが、参道の奥、秋は深いでしょうね。
◯(アゼリア)リフレインと季語が効いていると思いました。
◯(あちゃこ)確かに、確かに。
秋晴れに誘い出されて市覗く 多実生
さらさらと十月ひとは祭りへと 宙虫
◎(道人)「さらさら」に一票。春の柔らかさとは違う秋の優しさ、夏祭りの熱気とは違う秋祭りの爽やかさを感じました。
◎(まっきえっと)「さらさら」が十月の乾いた感じをよく表現しています。
〇(ルカ)季重なりですが、この句の場合いいかと。
縁日の用意万端秋日和 餡子
〇(ちせい)季語は「秋日和」。何事も準備が大事と言いますが、本番では無くて、本番の前を詠んだのが俳句的かと思いました。
〇(とっきー)お祭りに不可欠な縁日の店選び、配置、決まり事の周知、そんな諸々をこなして準備万端というのだろうか。そして何より大切なことは、お天気。雨では人出がねえ。秋日和!良かった良かった❗
〇(アネモネ)あとは縁日の当日を待つだけ。
秋天へ極彩色の幟立つ まきえっと
〇(アネモネ)「極彩色」がいかにもです。
〇(ルカ)秋空に幟が立っているようで雄大です。。
〇(泉)どこまでも澄み切った青空。極彩色の幟。つくづく日本は平和だと思います。
この道は一方通行神送る 敏
〇(ちせい)季語は「神送る」。神が留守に成ると言う事で、一方通行と言う措辞が効いて居ると思いました。
〇(春生)季語「神送る」が良いですね。
〇(とっきー)神様をお送りする道が一方通行とは面白い。でも、すれ違う無礼者がいないので安心と言えば安心。
〇(道人)作者にとってこの参道は「人生の道」に通じるのかも知れません。「一方通行」が眼目。
〇(まきえっと)「一方通行」と「神送る」が絶妙です。
〇(藤三彩)今年も神無月まで来てしまった。年の暮れまで一挙に一方通行。
〇(仙翁)帰ってこられない道、神の道ですか。
〇(餡子)お祭りの日は、あちこちが通行止めやら、一方通行になります。それもまた御祭りらしくて、交通渋滞も許せます。
◯(あちゃこ)一方通行の使い方が効いています。
通りには老若男女素風かな ちせい
浜風に幟はためく秋祭 春生
〇(アネモネ)「浜風」が爽やか。
キャンピングカー秋思を連れて逃避行 とっきー
〇(呆夢)午前五時に駅に行かなくていいのですね。いろいろ楽しめそうです。
◎ (アゼリア) この写真からこの発想。豊かな想像力に脱帽です。
〇(珠子)あのキャンピングカーの幟には、どう俳句にしろというの?と往生しました。「秋思を連れて・逃避」ときましたか。
当番は早めの準備秋祭 多実生
〇(アネモネ)準備に勇立つ当番の気負いが伝わってきます。
先陣は露店の匂い秋祭 珠子
〇(瓦すずめ)おみこしが通る道路の脇に屋台が構えられているのでしょうか。おみこしをまっていると、ふだんはかがない、屋台のソースの香り。ワクワクします。
〇(多実生) 最初は場所取りから始まる。露店も裏には色々有りそう。
〇(餡子)お祭りの山車やら神輿にさきがけて、もう露店の準備万端。何を買おうか、何で遊ぼうかと、そちらに気が行ってしまいます。
色変へぬ松の根元に一トたむろ 幹夫
タコ焼きも秋暑熱帯ぶ啖呵売 藤三彩
〇(春生)啖呵売の勇ましい声が聞こえて来そうです。
〇(多実生) 売り手の気合で盛り上がり、これも楽しみの一つです。
(選外)(道人)今年の残暑は長かったですね。十七文字全体に勢いあり。
天高し幟に踊る赤き文字 敏
どの道をゆけど九月の海遠く ルカ
〇(呆夢)夢の中にいるようです。回り道して行きましょう。
〇(ちせい)季語は「九月」。海に囲まれた日本と言えども場所によっては海遠しなのでしょう。諧謔味も隠れて居ると思いました。
〇(とっきー)出発点は山里なのでしょうか。海は憧れの地なのでしょうか。海遠くが幻の桃源郷のように思えます。「ここに地終わり海始まる」その様な所へ行きたいのですね。
◯(アゼリア) 写真拝見していると海風にあたりたい気持ちになりますね。
◎(あちゃこ)解放されたい思いが沁みます。歩んでいる道は何処へ続く?
キャンバスを丸ごと染めて秋の空 幹夫
◎(呆夢)どんな色に染まったのでしょうか。いろいろ想像できますね。
◎(敏)一切の景を秋空の色だけに収斂した大きな一句。キャンバスは作者の胸中でもあるのでしょう。
〇(珠子)あの青空には、真っ先に「うらやましい!」と思いました。こちらの九月は全く秋らしくない雲と雨の日々、キャンバスを丸ごと青にするような秋天がほしいものです。
いつまでも暑かったのですが、やっと涼しくなって来ました。これからが、本格的な秋になると思います。九州地方は地震に火山と、地殻変動が激しい様ですね。大変でしょうが、日本は自然災害の多い国ですから、何とか乗り切るしかありません。